世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

子どもの権利

韓国警察庁が110番に追加した、素晴らしい新機能【カンヌ2023より】

UnsplashのJenny Ueberbergが撮影した写真 時代に合わせたバージョンアップで、被虐待者の保護に貢献 夏になりました。久しぶりに街に人が溢れている昨今、日本でも物騒な事件が増えているように感じます。ということで今回は、お隣の国・韓国の警察庁が今の…

【名作探訪 その4】家庭内暴力の発生源 - スタジアムで女性たちが立ち上がる

UnsplashのNicholas Greenが撮影した写真 サッカー観戦中の飲酒が引き金となる南アフリカの家庭内暴力 名作探訪も第4弾となりました。意外とまだまだ紹介していない過去の名キャンペーンがありそうなので、このまま探訪を5〜6回続ければ6月下旬に発表さ…

「母のチカラ」でティーンの課題解決に挑んだキャンペーン【カンヌ2022より】

UnsplashのAdam Wingerが撮影した写真 子供にとっての一番のインフルエンサーは”親” 私はふたりのティーンエージャーの親ですが、正直、彼らがスマホやタブレットで日頃何をみているのか皆目見当がつきません(もちろんペアレンタルコントロールは噛ませては…

教育を肩代わりすることで、インドの女の子たちに希望を与えた生理用品のキャンペーン【カンヌ2022より】

UnsplashのLoren Josephが撮影した写真 女の子たちの活躍を妨げる「恥」の意識 生理の話題をタブー視するインドでは毎年、2,300万人もの女の子が初潮の時期に、適切な教育を受けてないために学校をドロップアウトしてしまうようです。 生理はそもそも女性の…

黒人の子供たちを砂糖の過剰摂取から守ったアメリカのキャンペーン【カンヌ2022より】

UnsplashのMyriam Zillesが撮影した写真 カギはユニークなオリジナル・キャラクターの活用 日本はキャラクター大国だといわれることがあります。確かにご当地ゆるキャラからさまざまなブランドのマスコットまで、その種類は豊富であり、おそらくひとつのキャ…

貧困問題打開のため、立ち上がったインドのストリートキッドたち【カンヌ2022より】

UnsplashのTapishが撮影した写真 *写真の子どもたちは本記事の内容とは無関係です ブランドを”ハック”し、課題解決に巻き込む新手法 さて、今年もあっという間に12月になり、赤い羽根が目印の歳末助け合い運動が始まりました。公式サイトを調べてみると、こ…

女の子”らしさ”のおかしさに世界を気づかせた2010年代のベストキャンペーン

Photo by Caroline Hernandez on Unsplash 無意識レベルにまで染み込んだ女性への偏見の”可視化”に成功 先日、世界的クリエイティビティの祭典、カンヌライオンズが6月末に行われるのを前にブログの過去記事を眺めていたのですが、本日ご紹介するキャンペー…

自分の感覚の変化に驚かされる、8年前の”とある少女の物語”

Photo by mana5280 on Unsplash 愚行が今、繰り返されている ロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、ずっと頭の中にある映画が昔見た「それでも僕は帰る ~シリア 若者たちが求め続けたふるさと~」。 シリア第3の大都市、ホムスで圧政に立ち向かった若者た…

パキスタンの「見えない子供たち」を救った通信会社の素敵な取り組み

Photo by Syed Bilal Javaid on Unsplash 出生登録されていない6,000万人の子供たち 今、世界には11億人もの「見えない人たち」がいると言われています。これらは正式な出生登録がなされていない人たちで、その3分の1に当たる3億6,600万人が子どもたちだそう…

共感への入口を作る:アニメーションの力作2点

Photo by Phil Shaw on Unsplash 身の回りに隠れた問題をあぶり出すアニメーション ハロウィンが終わった途端にいろんなお店で早くもクリスマスソングが流れ出しておりますが、まだまだ続きますクリエイティビティの祭典・カンヌライオンズ2020/21受賞作品の…

アンデスの子供と母親たちを栄養失調から救う「デザインの力」

Photo by Blaine McKinney on Unsplash リラックスムードの週末に、ほっこりとするアイデアを 2021年10月22日現在、東京では新型コロナウイルスの新規感染者数も大きな減少をみせ、街をゆく人々の姿もそこはかとなくリラックスしているように見えます(そも…

学校閉鎖により奪われた「演じる喜び」を取り戻したアメリカでの素敵な試み

Photo by Dan Barrett on Unsplash 新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。9月に向けて各種学校が新学期を迎える中、お子様をお持ちの皆様の中には運動会や発表会、学習旅行など、子供たちが楽しみにしていた行事がどうなるか、気を揉んでいる方も多…

「ノーマル」を禁止用語にした、ユニリーバの英断

Photo by Omar Lopez on Unsplash 本ブログでも前にご紹介したサステナブル・リビング・プランなど、人類のより良い未来のために先進的な取り組みを続けてきたユニリーバが先日「ポジティブビューティ・ビジョン」を発表しました。その中で彼らは自分たちの…

【ポッドキャスト・アーカイブvol.12】重い教科書が子供の心身にかける負担を、あえての角度から解決したフィリピン発のナイスアイデア(2015年3月6日のブログより)

anchor.fm 本ブログの、2015年の3月6日掲載分の記事を要約してポッドキャストにしました。週に一度、たった2分のアイデア復習。 上記ご聴取いただき、ご興味沸きましたらぜひ元記事もお読みください。 元記事へのリンク: wsc.hatenablog.com いやぁ、アイデ…

【ポッドキャスト・アーカイブvol.2】思わず募金したくなる!ユニークな募金マシン(2014年7月19日のブログより)

ポッドキャスト、まだまだ試行錯誤中ですが第2弾、作ってみました。今回はiMovieを使い、音量を少し大きくしてみました。(普通のMacBookでもいろんなことできるんですね・・。) それはともかく、今回も時を経てなおWow!のあるいいアイデアをご紹介します…

ポッドキャスト始めました!

いつもご愛読ありがとうございます!2014年に産声を上げたこのブログも(途中なが〜〜〜い、お休みをいただいておりましたが…)6年経ち、今でも全然通用する、素晴らしいアイデアが過去に埋もれてしまうのはもったいない!ということで恥ずかしながら、ブロ…

全米最悪レベルの児童の人身売買を訴えた、ジョージア州のデモ行進

Photo by Dan Dennis on Unsplash 「デモ行進」は隠された、または無視されている社会問題を人々に広くアピールする、効果的な手段です。このブログでも過去に何度か、エッジの効いたユニークなデモ行進のアイデアをご紹介してまいりました(本記事の末尾に…

全米の小学校で家電メーカーが取り組んだ、IOTのちょっと素敵な活用法 / Care Counts

全米でも深刻な、貧困を原因とする児童の不登校問題。今回はそれを解消すべく、家電ブランドのWhirlpoolが全米の小学校にシンプルなIOT(Internet of Things = モノにインターネットを組み入れることで、これまでにない活用法を可能にすること)を導入して取…

あの死から23年。アイルトンセナ財団が見せる、アスリートによるソーシャルグッドの可能性:Ayrton Senna Foundation - New Way of Social Good by a Legendary Athlete

1994年5月1日。イモラのタンブレロコーナーで34歳の人生を終えたアイルトン・セナ。年代的にも自分の生き方に大きな影響を与えてくれた人物ですが、死後23年を経て、彼のブランドやレガシーは遺族によるNGO団体、アイルトンセナ財団によって今もブラジルの子…

悲しい誤解を解くために。セサミストリートのキャラクターに自閉症の女の子が登場!〜A new friend with autism comes to Sesame Street!

先日、セサミストリートの新キャラクターに自閉症の女の子が登場したというニュースがBBCのウェブサイトに掲載されていました。この子とセサミストリートの仲間たちとの交流を通じて、自閉症の子供たちについての誤解を解いていこうというアイデアです。 バ…

「寛容」の素晴らしさを伝えるオーストラリアの大学の胸熱ムービー: A Compelling 90-Second Story from the University in Australia.

実際に在学した、卒業生の入学にいたるまでの壮絶な人生を描いた実話をシンプルかつ、心が震える演出で描いた90秒の映像作品。世界中で知性が陵辱されていく中、知性の持つ前向きな力を、大学がこのような形で表明するのはとても心強く思います。厳密にいう…

俺の声を聞け!権威への怒りを大音量で表現したインドの新聞社によるソーシャルキャンペーン

皆さまこんにちは。秋も深まり、色々と物事を考えるのにいい季節になってきましたが、今回はそんなしっとりとした気持ちに衝撃を与える、インド発の熱いソーシャルキャンペーンをお伝えします。インド最大の都市ムンバイで発行されている「ムンバイ・ミラー…

逃げ場なし!映画館の暗闇の中、観客にDVの現実を突きつけるタイのソーシャルキャンペーン

シルバーウィークもあっという間に最終日ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?今回は先週更新できなかった分、間隔を短めに更新してみようと思います。お題はDV。先日シンガポールで行われたアジア地域限定の国際クリエーティブ賞「スパイクス・アジア…

スマホじゃなくてもOK!ガラケーで教育を改善したフィリピン発のソーシャルキャンペーン

スマホをお持ちの皆様、なんとなーく、ガラケーを下に見たりしてませんか?ところがどっこい、「ガラケースマホ」なんていうものが注目されるぐらい、ガラケーにはまだまだ可能性があるんです。電池も長持ち、安くて、軽くて、操作も簡単etc...。そこで今回…

子どもを貧困から救う!本のチカラを体現したドバイ紀伊国屋のキャンペーン

読書の秋。皆さん、読書してますか?今回はドバイの紀伊国屋で行われた、子どもを貧困から遠ざけるための「本を活用した」ドネーションキャンペーンをご紹介します。実はこの企画、てっきり日本で行われたものだとばかり思っていたんですが、今回訳してみて…

あの人気キャラたちが応援!病気の子どもたちを励ますソーシャルキャンペーン

運動会シーズン真っ盛り。元気な子どもたちの姿を見るのはいつでもうれしいものですが、今こうしている間にも、小さい体で病気と闘っている子どもたちがいます。今回はそんな子どもたちを励ますためにブラジルで行われた「人気キャラを活用した」ソーシャル…

寄付をしたくてたまらなくなる!?カードを使ったドイツの楽しいキャンペーン

「寄付することはいいことだとは思うけど、窓口が分からない」 「手続きが面倒くさそう」「偽善っぽくて気恥ずかしい」 今回はそんな言い訳をすべて吹き飛ばしてしまうほど、クレジットカードで寄付したくてたまらなくなるキャンペーンをご紹介。クレジット…

ウェブカムによる児童買春を世界中に認知させた「おとり捜査」

このブログの第1弾は、先月行われたカンヌ国際クリエーティブ祭で全世界のクリエイターたちに衝撃を与えたこの作品「Sweetie」から。僕もこれを見ることで「ウェブカムによる児童買春(webcam child sex tourism)」なるものが存在することを知りました。容…