全米でも深刻な、貧困を原因とする児童の不登校問題。今回はそれを解消すべく、家電ブランドのWhirlpoolが全米の小学校にシンプルなIOT(Internet of Things = モノにインターネットを組み入れることで、これまでにない活用法を可能にすること)を導入して取り組んだソーシャルキャンペーンをご紹介します。デジタル界では毎年、VRやドローンなどの新しい話題に事欠きませんが、課題解決のためにはテクノロジーの鮮度よりも、深いターゲットインサイトに立脚した着眼点が大事であることを改めて教えてくれる企画です。This is an idea for poor school children in the US, executed by Whirlpool to bring them back to school.
<ケア・カウントプログラム / Care Count by Whirlpool>
<ビデオ和訳>
女の子「朝起きて、汚れた服しかないことに気づくと、(恥ずかしくて)結局は家から出ないことなんかもよくあるんです」
スーパー:毎日、何千人もの児童たちが学校を休んでいる…清潔な服がないために。
男の子「ホームレスだった頃は汚れた服しかなくて、たまにお金がある時も、食べ物を買うのが精一杯でした」
スーパー:休みがちな児童は、学校をドロップアウトする確率が7倍も高い。
校長「学校を休んでしまうと、教育を受けられなくなる。教育を受けられないと、何もできない人になってしまいます」
発達心理学者「私たちは、毎日清潔な服が着れることと、登校率の改善の間に因果関係があるかどうかをはっきりとさせる必要があった。それがケア・カウントプログラムの狙いです」
スーパー:ケア・カウントプログラム by Whirlpool
技術監督「私たちは洗濯乾燥機を、全米エリアの課題を抱える学校に設置しました。データを集めるデバイスを開発して、それぞれの学校のそれぞれの洗濯機にインストールしておき、児童たちが服を洗うたびに、学籍番号を入力してもらうようにしました。それにより洗濯の度に、どの学校で、いつ洗濯されたのかをトラッキングして、リアルタイムでクラウド上のデータベースに送れるようにしたのです」
校長「これは本当に胸踊る取り組みで、聞いた時に20人ぐらいの生徒が頭に浮かんで、あぁ、これなら彼らに良い変化をもたらすことができるかも、と感じたんです」
教師A「このプログラムが始まってから、私の(クラスの)出席は安定しています。目標は90%、いつも90%以上の出席を確保しています」
教師B「この取り組みを最初聞いた時は、“洗濯乾燥機を導入するなんてバカじゃないの?”と思ってましたが今や結果を見る限り、成果が上がっていると思います」
スーパー:ケア・カウントプログラムにより、参加児童の90%以上が登校傾向を改善した。そして、89%が授業への出席を増加した。
キャスターA「今日のニュースの中では、このプロジェクトが一番印象的でした」
キャスターB「洗濯乾燥機が児童たちの人生を成功に導くなんて、少し奇妙に聞こえるかもしれませんが、スタッフたちはそれが効果的であり、実際子供たちの人生を変えていると言っています」
スーパー:トゥデイ「学校の不登校問題への答え — 洗濯機」
男の子「汚れのない服を着て友達と遊んでいると、なんでもできるような自信が湧いてくるんです」
スーパー:参加校 47 稼働数12,000回以上
スーパー:2017年は、1,000を超える学校がこのプログラムへの参加を希望している
<ケア・カウントプログラム by Whirlpool>