世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

教育問題

アフリカ最大の遊牧民たちの文化を守るため、マイクロソフトが文字を開発【カンヌ2023受賞作より】

UnsplashのJames Wisemanが撮影した写真 ️ こんな時代こそ、多様性をお祝いして今年を締めたい このブログは、主にカンヌライオンズなど、西側で評価されたアイデアを紹介することに主眼があります。が、ここ最近の世界的な出来事で、世界のほんの一部(のモ…

【名作探訪 その8】学校の“とあるモノ”に目をつけて子供たちの衛生環境を改善したアイデア

UnsplashのJelleke Vanooteghemが撮影した写真 面倒臭い「石鹸での手洗い」を子供たちにどうやってもらうか 6月になり、いよいよ世界的クリエイティビティの祭典・カンヌライオンズ2023(6月19日-23日開催)が迫ってきました。3週間後には今年の最新の受賞…

【名作探訪 その3】女性の地位向上のため、アダルト雑誌をXXした取り組み

UnsplashのBrooke Larkが撮影した写真 訴えた?それとも…?答えは解説ビデオをご覧ください 名作探訪も第3弾となりました。今回は2019年の国際女性デーにポーランドにてマスターカードなど、複数の企業が力を合わせて行った、女性の地位を向上させるための…

教育を肩代わりすることで、インドの女の子たちに希望を与えた生理用品のキャンペーン【カンヌ2022より】

UnsplashのLoren Josephが撮影した写真 女の子たちの活躍を妨げる「恥」の意識 生理の話題をタブー視するインドでは毎年、2,300万人もの女の子が初潮の時期に、適切な教育を受けてないために学校をドロップアウトしてしまうようです。 生理はそもそも女性の…

テック分野に潜むジェンダーギャップをやっつけろ【カンヌ2022より】

UnsplashのThisisEngineering RAEngが撮影した写真 STEM分野に起きているジェンダー格差に迫ったキャンペーン 皆さん、STEM教育という言葉をご存知でしょうか?Science(科学)とTechnology(技術)、Engineering(エンジニアリング)とMathmatics(数学)の4…

パキスタンの「見えない子供たち」を救った通信会社の素敵な取り組み

Photo by Syed Bilal Javaid on Unsplash 出生登録されていない6,000万人の子供たち 今、世界には11億人もの「見えない人たち」がいると言われています。これらは正式な出生登録がなされていない人たちで、その3分の1に当たる3億6,600万人が子どもたちだそう…

学校閉鎖により奪われた「演じる喜び」を取り戻したアメリカでの素敵な試み

Photo by Dan Barrett on Unsplash 新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。9月に向けて各種学校が新学期を迎える中、お子様をお持ちの皆様の中には運動会や発表会、学習旅行など、子供たちが楽しみにしていた行事がどうなるか、気を揉んでいる方も多…

青少年の健全な成長のために。遺族とサッカー界がコラボした感涙アイデア

Photo by Abigail Keenan on Unsplash 2006の5月18日、英国サッカー界の未来に貢献することを大いに期待されていた15歳の少年Prince Kiyan君は学校の近くで若者同士の喧嘩の仲裁に入り、ナイフで胸を刺されて死亡してしまいました。 それから15年。生きてい…

より良い未来のために、LEGOがコロナ下のポーランドで行った教育的取り組み

Photo by Xavi Cabrera on Unsplash 今回は新型コロナウイルスの流行により対面での交流が著しく制限されている中、ブランドは世の中のために何ができるのか、ということの一例としてこの事例をご紹介したいと思います。 ポーランドでは、いまだに電力のおよ…

【ポッドキャスト・アーカイブvol.12】重い教科書が子供の心身にかける負担を、あえての角度から解決したフィリピン発のナイスアイデア(2015年3月6日のブログより)

anchor.fm 本ブログの、2015年の3月6日掲載分の記事を要約してポッドキャストにしました。週に一度、たった2分のアイデア復習。 上記ご聴取いただき、ご興味沸きましたらぜひ元記事もお読みください。 元記事へのリンク: wsc.hatenablog.com いやぁ、アイデ…

10代の映像作家がビリー・アイリッシュと組んで作った「いじめ撲滅ムービー」

Photo by Dee @ Copper and Wild on Unsplash 私欲のためにマウントを取ろうとする人が、チェック機能を欠く組織にいる限り、老若男女問わずいじめは構造的に無くなりません。そして、24時間繋がり続けることができるSNSの登場が、スマホとともに成長してき…

自分の立場からやれることを 〜 身近な新型コロナウイルス災禍対策

Photo by Akson on Unsplash 中国の武漢から始まり、今や世界中に猛威を振るう新型コロナウイルス。在宅勤務など、しかるべき対策をとり、その鎮静化に協力するのは当たり前のことですが、その過程で日常にはなかった問題がいくつか、世の中に出てきておりま…

葛藤を越えて − 言葉が分からない難民たちのためにドイツで行われたグッド・アイデア / Words of Welcome

異国にいて、全く言葉がわからないことほど心細いことはありません。ましてや自分たちが、紛争により故郷を追い出された難民であったなら。…ということで今回ご紹介するのは、難民を異物として分け隔てたままにするのではなく、将来の仲間として受け入れるた…

全米の小学校で家電メーカーが取り組んだ、IOTのちょっと素敵な活用法 / Care Counts

全米でも深刻な、貧困を原因とする児童の不登校問題。今回はそれを解消すべく、家電ブランドのWhirlpoolが全米の小学校にシンプルなIOT(Internet of Things = モノにインターネットを組み入れることで、これまでにない活用法を可能にすること)を導入して取…

論より実行。街の死角を見事に“再開発”したタイ発のキャンペーン –The Unusual Football Field

環境の変化もありしばらくブログの更新も滞りがちだったのですが、読者の方からご声援をいただき、やる気がまた出てきました。読んでる人はどんどん声をかけてくださいね。調子に乗せていただければ、更新頻度もまた上がるかもしれません(笑)。 今回は今年…

あの死から23年。アイルトンセナ財団が見せる、アスリートによるソーシャルグッドの可能性:Ayrton Senna Foundation - New Way of Social Good by a Legendary Athlete

1994年5月1日。イモラのタンブレロコーナーで34歳の人生を終えたアイルトン・セナ。年代的にも自分の生き方に大きな影響を与えてくれた人物ですが、死後23年を経て、彼のブランドやレガシーは遺族によるNGO団体、アイルトンセナ財団によって今もブラジルの子…

悲しい誤解を解くために。セサミストリートのキャラクターに自閉症の女の子が登場!〜A new friend with autism comes to Sesame Street!

先日、セサミストリートの新キャラクターに自閉症の女の子が登場したというニュースがBBCのウェブサイトに掲載されていました。この子とセサミストリートの仲間たちとの交流を通じて、自閉症の子供たちについての誤解を解いていこうというアイデアです。 バ…

え、ソコ!?思いがけないところに潜む、女性への差別意識を明らかにしたキャンペーン /「世界を幸せにする広告」展より : ‪The Autocomplete Truth‬‬

先日、私の会社の地下にあるアド・ミュージアム東京にて開催中の「世界を幸せにする広告」展に行ってまいりました。世界のソーシャルグッドな広告やキャンペーンおよそ80例を、「人権」や「医療」、「格差」などの7つに分類して和訳〜展示してくれているこ…

毒をもって毒を制す。炎上を操り、見事図書館を守り抜いたソーシャルキャンペーン:Book Burning Party- Troy Library

誰もが(比較的)対等に意見をぶつけ合うことができる現代のデジタル社会。でもそれは同時に、ドナルド・トランプさんの事例を見れば分かる通り、知的な議論が極端だったり、粗暴だったりする論者たちによって妨げられ、論旨をすり替えられやすい社会でもあ…

広がるおもちゃの多様性〜レゴとバービー、そして「ヒジャビー」:Toys and Diversity - Lego, Barbie and "Hijarbie"

さる1月27日、子供たちに大人気のレゴブロックが「車椅子に乗った少年」の人形が入ったブロックのセットを夏に発売することを発表しました。以下の公式ファンサイトによると、このようにハンディキャップを持つ人がレゴの人形として販売されるのは初めてだそ…

亡命者の未来に希望を。‪韓国発の心温まるケータイアプリ

皆さん今日は。東京はすっかり秋めいてまいりましたがいかがお過ごしでしょうか?今回は、先月にわかに緊迫した朝鮮半島の隣国・韓国発の心温まるアプリのアイデアをご紹介いたします。朝鮮戦争の後、分断されたままの南北。そこには意外なコミュニケーショ…

SXSW報告その4:サウジの女性を勇気付ける起業家 リーマ王女

さて、パン屋さん、自動車、生体工学と続き今回4回目を迎えた「世界最大級の技術と映像・音楽のコンベンション」SXSW2015の事例紹介ですが、今回はサウジアラビアで女性の権利拡大に尽力しているリーマ王女のキーノート(基調講演)をご紹介します。アメリ…

スマホじゃなくてもOK!ガラケーで教育を改善したフィリピン発のソーシャルキャンペーン

スマホをお持ちの皆様、なんとなーく、ガラケーを下に見たりしてませんか?ところがどっこい、「ガラケースマホ」なんていうものが注目されるぐらい、ガラケーにはまだまだ可能性があるんです。電池も長持ち、安くて、軽くて、操作も簡単etc...。そこで今回…

子どもを貧困から救う!本のチカラを体現したドバイ紀伊国屋のキャンペーン

読書の秋。皆さん、読書してますか?今回はドバイの紀伊国屋で行われた、子どもを貧困から遠ざけるための「本を活用した」ドネーションキャンペーンをご紹介します。実はこの企画、てっきり日本で行われたものだとばかり思っていたんですが、今回訳してみて…