スマホをお持ちの皆様、なんとなーく、ガラケーを下に見たりしてませんか?ところがどっこい、「ガラケースマホ」なんていうものが注目されるぐらい、ガラケーにはまだまだ可能性があるんです。電池も長持ち、安くて、軽くて、操作も簡単etc...。そこで今回は、スマホに夢中になることでみんなが見失ってしまっていた「盲点」を突いたアイデアをご紹介したいと思います。それでは以下、フィリピンで行われたこのソーシャルキャンペーンをご覧ください。
<SMART TXTBKS(スマートなテキストブック)>
<ビデオ和訳>
フィリピンの学校では、教科書が重荷となっている。
先生A「教科書が重たくて、背筋が曲がってしまうんです」
先生B「学校につく頃には疲れてしまい、授業に集中できないのです」
先進国ではこういった問題をタブレットや電子図書で解決しているが、こうした家族の場合、廉価版でも月収を超えてしまう。実際、彼らが持っているのは、ショートメッセージのやり取りだけのために使われるような、古くてアナログなガラケーだ。
そこで我々が考えたのは「もし、もう使われることのない古いガラケーがこれまでにない形の教科書として活用できたらどうなるか」ということ。
かくして国内通信会社の最大手SMARTは、未だかつてないほど軽量で使いやすい教科書を作る、という挑戦に取り組み「SMART TEXTBOOKS」を開発した。
半年にわたり、著名な教科書の出版社とコラボレーション。授業で使うレッスンのガイドから宿題までを、160文字のテキストメッセージに再構成した。
SMARTはそれを何千枚ものSIMカードにプログラミングして、「スマートな」教科書として配給したのだ。
我々はこれを最も必要とするパートナー校にて配付。このシンプルでローテクなソリューションは、効果的かつ持続的インパクトを生徒たちに与えた。
このアイデアは、古くて使い道のないガラケーを新しい形の電子図書に作り替え、昔のSIMカードを、新しい教科書に作り替えた。
これにより、教科書を運び、維持する負担も減少。何より学習効果が改善した。
タイトル:「ランドセルの重さが50%低減」「テストの平均点が90%向上」「出席率が95%改善」
学校や教育セクターの人々からの好評を受け、「SMART TEXTBOOKS」の取り組みはさらに拡大。科目や学年ごとのテキストの開発が始められ、学校や子どもたち自身でもテキストが無料で作れる仕組みも開発された。そしてなにより、この取り組みはフィリピン全体に広がりつつある。
SMARTの担当者A「我々はいつも、特に、意義のあるイノベーションの先頭にいたいと思います。我々はこの取り組みを前向きに展開していきたいと思います」
SMARTの担当者B「最終的には、すべての子どもたちにタブレットを支給したい。でもまずは、今できることからはじめました。今のところ、最高のスタートですよね」
8歳の子ども「全部の本がこうなれば、もう重い荷物を背負わなくていいんです」
全ての教科書を、あらゆる生徒たちにとって軽く、簡単にしたいという、スマートなミッション達成を目指して。
<SMART TXTBKS(スマートなテキストブック)>
いかがでしたでしょうか?アイデアを考えるにあたっては、トレンドに飛びつくことも大切ですが、時には飛びつくことで見失ってしまったものに目を向けてみる事の大切さをこの事例は教えてくれます。
この素晴らしい事例の足下にも及びませんが、例えばあえてのチリ紙交換とコラボレーションしたコマーシャルソングの開発、今だからこそ、ハラ落ちする理由でファミコンソフトをリリースしてみる・・等々。やり方は無限にありそうです。
この視点、アイデアに詰まったときにはぜひ、試してみてくださいませ。