世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

難病対策

意外になかった!子供には開けにくく、万人に開けやすいパッケージ【カンヌ2023受賞作より】

UnsplashのMediamodifierが撮影した写真 🏷️ 今回はすでに世に普及している、素晴らしいアイデアを 先日自宅のソファを手入れしようと海外物の液体ワックスを買ったのですが、そのボトルの蓋を開けようとしたところ、なぜか全く開かない…。調べたところ、子供…

マウスがうまく使えない人たちのために開発された”マウス”パッド【カンヌ2023受賞作より】

UnsplashのClem Onojeghuoが撮影した写真 ️ 今回はかなり良さげな発明品についてご紹介 トラックパッド付きのMacBookを使い始めてもう10数年、会社以外ではマウスを使う機会もだいぶ減りましたが、トラックパッドを使った長時間の作業となると手首などが痛く…

パーキンソン病患者たち共通の「悩み」を楽しみに変えたセラピー【カンヌ2023受賞作より】

UnsplashのVladimir Munが撮影した写真 ️ やりたくないことを、いかにやりたくするか やりたくないことを、いかにやりたくするか。これは私の人生後半戦の一大テーマです。 時間が無限にあるように思えた若い頃は、やりたくないことをやる余裕もありましたが…

ダウン症への理解促進と、歴史的事実を結びつけたシャルル・ド・ゴール空港【カンヌ2023受賞作より】

UnsplashのSimon Champagneが撮影した写真 (ちょっぴり良い)歴史的事実は、人の良心を惹きつける 大河ドラマが結構好きです。ひとつの大河だけでなく、何本も違う世界線の大河を見ることで、例えばある大河では信長が承認欲求の塊のように描かれていたかと…

人工音声の味気ない生成過程を、病に悩む人たちへの良い機会に変えたアイデア【カンヌ2022より】

UnsplashのWill Francisが撮影した写真 大手企業たちによる、素晴らしいパートナーシップ 皆さん、SDGsの最後の一つ(SDGs17)に「パートナーシップで目的を達成しよう」というものがあるのをご存知でしたか? 今の社会課題は、一握りの大金持ちからの施しや…

【カンヌ2022受賞作分析 第1弾!】「ポイ捨て」を善行にすり替えた見事なアイデア

Photo by John Cameron on Unsplash 今年のカンヌから、毎週ひとつずつアイデアをご紹介 さぁ、年に一度の世界的クリエイティビティの祭典、カンヌライオンズ2022が6月下旬に終わりました。それに関連する業務で時間が取れず、ブログの更新もしばらくストッ…

パーキンソン病患者への関心を集めた見事な「視覚化」

Photo by Tim Mossholder on Unsplash 当事者にしかわからない病気の症状 私もそろそろアラフィフに突入します。幸いなことに周りの人々に恵まれて精神的にはとても充実しているのですが、体は少し無理をするとピリリと痛みが入る年頃になりました。若い頃に…

コロナ克服を祈念して、2022年の執筆を開始します

Photo by Branimir Balogović on Unsplash 今年こそ、コロナの克服を 2020年からパンデミックにより、人々の暮らしはすっかり変わってしまいました。新しい株の出現により未だ克服はできてない状況ですが、冷静に考えればたった2年の間に有効なワクチンが開…

つい募金したくなる「人間心理」のスキを突いた見事なアイデア

Photo by Katt Yukawa on Unsplash 人は黄金を作ることはできないが、カネを生み出すことはできる 今、夢中になっている本があります。「Alchemy:The Magic of Original Thinking in a World of Mind-Numbing Conformity(邦題:欲望の錬金術 伝説の広告人…

スポーツの力をドナー数向上に結びつけた素晴らしい試み

Photo by Joshua Hanson on Unsplash 今日は、このブログですでに取り上げていたと思い込んでいて、実は紹介し忘れていたアイデアについてご紹介いたします。 先週、仕事の調べ物でポッと出てきまして、明日閉会を迎えるオリンピックのタイミングなども考え…

デジタル技術の活用で、もっと「インクルーシブ」な社会へ

Photo by Nathan Anderson on Unsplash 昨今、日本社会でも嬉しいことにダイバーシティ(Diversity/多様性=異なる立場や価値観、LGBTQ+、文化的背景を持つ人々を受け入れること)の大切さが叫ばれるようになってきました。 しかし、多様性の面で先をいく世界…

ダウン症の人々の社会進出をポジティブに促す、楽しいメッセージムービー

Photo by Nathan Anderson on Unsplash 本日3月21日は「世界ダウン症の日」です。ダウン症候群の啓発と、ダウン症と共に生きる人々への理解促進を目的に2012年、国際デーのひとつとして国連に認められたこの日には、これまでも様々な取り組みが行われてきま…

【ポッドキャスト・アーカイブvol.8】あの人気キャラたちが応援!病気の子どもたちを励ますグッドアイデア(2014年10月6日のブログより)

anchor.fm 本ブログの、2014年の10月6日掲載分の記事を要約してポッドキャストにしました。週に一度、たった2分のアイデア復習。 上記ご聴取いただき、ご興味沸きましたらぜひ元記事もお読みください。 元記事へのリンク: wsc.hatenablog.com いやぁ、アイ…

11月はMovemberなので、あの人も髭を剃りました。

Photo by Josh Sorenson on Unsplash 「11月はNovemberだろ?」とお思いでしょう。確かに、英語のテストでMovemberと書いたらバツになります。ただし、覚えておいて決して損のない単語です。 MovemberのMoは”Moustache(くちひげ)”から来ています。そして、ピ…

かしこカワイイ!不良品のキャンディを社会貢献に結びつけた、スペインのお菓子会社のキャンペーン/ Broken Hearts

ロリポップキャンディ(以下ペロペロキャンディ)の製造過程でどうしても出てしまう不良品。スペインのお菓子会社FIESTAは、それを捨てるのではなく、そこにちょっとした意味を付け加えることでとても価値のある商品に変えてしまいました。 無駄をそのまま受…

論より証拠。ダウン症の子供を身ごもった親たちの不安に見事に答えたキャンペーン / Down Syndrome Answers

体の調子が悪い時、ふと症状が気になってGoogle検索をしたことがありますよね?ましてや自分の子供がダウン症かもしれないと診断された親たちは気も動転しているはずです。そんな時に運悪く、閲覧数目当ての誤った情報を目にしてしまったら…。将来後悔するこ…

え、こんな場所で!?アルツハイマーの症状を疑似体験させたエクアドル発のソーシャルキャンペーン:The Brilliant Idea to Make People Experience the Symptoms of Alzheimer’s Disease with Wow

今回ご紹介するのは少し昔、2011年の秋にエクアドルで行われたいわゆる「ドッキリもの」なのですが、この前たまたま見返す機会があり、いま見ても十分に驚きのある素晴らしいアイデアだなぁ、と思い翻訳してみることにしました。 人々の日常生活のルーチン上…

ジカ熱にも有効?タイのスラム発の蚊を寄せ付けないキャンペーン : Blow up Mosquitos! – A Clever Idea to Avoid Dengue and Zika Fever

昨年、国内でも感染が確認されたデング熱に続き、今年はジカ熱の拡大が懸念される状況ですが、両方の感染源として注目される「蚊」の撃退方法として、タイのスラム街で実施されたアイデアをご紹介します。 このアイデアでは、スラム中を自由に飛び回る蚊を追…

なるほど!理解されにくい難病の症状を可視化したソ−シャルキャンペーン:THIS BIKE HAS MS

あけましておめでとうございます。久しぶりの更新ですが、今回はオーストラリアでつい先日発表された、多発性硬化症の患者を支援するためのキャンペーンをご紹介します。多発性硬化症とは中枢神経に起こる病変により、体にしびれや歩行障害、視力の低下など…

ハロウィン万歳!エボラから人々を救った見事なソーシャルキャンペーン

街がハロウィンに染まりはじめる今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。さて今回は、昨年のハロウィンシーズンにSNS上で起きた炎上騒動に見事に対応することで、当時西アフリカで猛威を振るっていたエボラ出血熱の拡大阻止に貢献したアメリカ…

これは明快!カンヌ国際クリエーティブ祭 ライオンズヘルス審査レポート vol.7

【写真キャプション】授賞式後、会場外で行われた懇親会での一コマ。今回ご紹介したアイデアを担当したコスタリカのクリエイター(左から二人目)と偶然、出会うことができました。私も受賞を後押ししたことを伝えたら、とてもとても、喜んでいました。でも…

カンヌ国際クリエーティブ祭 ライオンズヘルス審査レポート vol.3

みなさんこんにちは。私が審査員を務めたカンヌ国際クリエーティブ祭ライオンズヘルス、ヘルス&ウェルネス部門の中でも特に評価が高かった作品をご紹介する特集の第3弾。今回は昨年のカンヌでも他部門で高い評価を得ていたオーストラリア発・乳がんの早期…

カンヌ国際クリエーティブ祭 ライオンズヘルス審査レポート vol.2

みなさんこんにちは。カンヌから無事、Wifi環境の整った日本に戻ってまいりましたので大船に乗った気持ちでこのブログを再開したいと思います。ライオンズヘルス特集の第2回目となる今回は、前回お伝えした生理用品always(日本でいうウィスパー)の「デリケー…

カンヌ国際クリエーティブ祭 ライオンズヘルス審査レポート vol.1

皆さまこんにちは。ただ今カンヌのとてつもなく弱いWifi環境からこのレポートをお送りしています。さて私、カンヌ国際クリエーティブ祭の前哨戦ともいえるライオンズヘルスに審査員として参加してまいりましたので、今回からはそこで見つけた素晴らしいソー…

きれいごとでごまかさない。自分自身が試される、HIV感染者への差別防止ポスター

みなさんこんにちは。さて、今回はタイトルの通り、差別に関するポスターを使ったソーシャルキャンペーンをご紹介します。日本だとこの手のポスターは、きれいごとやありがちなスローガンだけでお茶を濁すようなモノも多いのですが、ブラジル発のこのアイデ…

GW後半記念特集!青空の下で子供を守るソーシャルキャンペーン

さて皆さん、いよいよGWも後半。連休をどう過ごそうかとワクワクしている方も多いかと思いますが、今回は力を抜いて、思わず新緑の中に駆け出したくなるような、スウェーデン発の明るく楽しいナイスアイデアをお届けします。休暇中の旅先で、自宅のリビング…

SXSW報告最終回:「永遠の命」の叶え方

さて、これまで4回にわたって繰り広げてまいりましたSXSW2015の事例紹介ですが、その最終回として今回は、斬新な方法で永遠の命を可能にしようとしているバイオテクノロジー会社United TherapeuticsのCEO、マーティン・ロスブラット氏のキーノート(基調講演…

SXSW報告その3:今世紀中にカラダの障害はなくなるか?

皆さんこんにちは。今回も前回に引き続き、テキサス州オースティンでさる3月に開催された「世界最大級の技術と映像・音楽のコンベンション」SXSW2015で学んだ事例をご紹介しようと思います。今回ご紹介するのは、技術を進化させることでこの世からカラダの…

これは賢い!ツイッターでがんの恐怖を再現したソーシャルキャンペーン

今回はツイッターを使ったコロンビア発の効果的なソーシャルキャンペーンをご紹介します。がんの進行を、ツイッターを使って疑似体験させた試みです。通常スマホ施策を考える場合「どんなアプリを作ろうか…」などと、つい手段ありきで考えてしまいがちですが…

あの人気キャラたちが応援!病気の子どもたちを励ますソーシャルキャンペーン

運動会シーズン真っ盛り。元気な子どもたちの姿を見るのはいつでもうれしいものですが、今こうしている間にも、小さい体で病気と闘っている子どもたちがいます。今回はそんな子どもたちを励ますためにブラジルで行われた「人気キャラを活用した」ソーシャル…