世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

よりインクルーシブなスポーツ環境を実現すべく、ライバルたちを巻き込んだアディダス【カンヌ2023受賞作より】

UnsplashのCapstone Eventsが撮影した写真

🏷️ ニューロダイバーシティ(神経多様性)をスポーツにも

皆さん、ニューロダイバーシティという言葉をご存知でしょうか?詳しくは以下のリンクからご覧いただければと思うのですが…

ideasforgood.jp

この記事によるとニューロダイバーシティとはASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)などに起因する発達障害を神経や脳の違いによる「個性」だと捉える概念のことだそうで、日本語では、「脳の多様性」あるいは「神経多様性」などと訳されています。

この言葉自体がまだあまり普及していないことからも分かる通り、ニューロダイバーシティを持つ人の社会進出は(少なくとも日本では)まだあまり進んでいないように感じます。

そこで今回は、そんな彼・彼女たちの社会進出を促すべく、まずはスポーツの分野でアディダスが取り組んだ素晴らしいキャンペーンをご紹介しようと思います。

ちなみにこちらは今年のカンヌライオンズ、ダイレクト部門でグランプリを獲得、他にもPR部門で金賞を獲得するなど、非常に高い評価を受けたアイデアとなります。それでは以下の紹介ムービーをご覧ください。

🪧「Runner 321 / ランナー321番

youtu.be

【雑和訳】(アディダスのロゴから始まる)/ 文字要素: リオネル・メッシ >>> 10番 / ベーブ・ルース >>> 3番 / マイケル・ジョーダン >>> 23番 / 多くのスポーツには、子どもたちをインスパイアする番号があリます / しかし、それらの番号を、あなたとは全く違う人たちがつけていたとしたら、どう思うでしょうか? /

アディダス・アスリートのクリス・ニキック氏「私が小さかった頃、人気のスポーツ競技で私に似た人を見ることはほとんどありませんでした」/ 文字要素:どうしたら、彼らは自身の可能性を感じることができるのでしょうか? /

アディダスがお届けする、Runner 321 / ナレーション:321は、ダウン症を引き起こす染色体を象徴した数字です / 文字要素:トリソミー21* -ダウン症であることを示す染色体 (*トリソミー21とは21番目の染色体が(通常2本のところ)3本ある状態を示す、つまりはダウン症であることを示す用語です) / 321は象徴的であるだけでなく、インクルーシブな番号でもあります / テレビの解説者たちの声「アディダスはダウン症の人々のコミュニティを代表して、この番号を生み出したのです」/「今や、他のあらゆるスポーツと同じく、ランニングは象徴的な番号を手に入れました」/

文字要素:(この取り組みは)アディダス初の、ダウン症を抱えるアスリートによって立ち上げられました / 世界で最もアクセシブルなスポーツ、ランニングを通じて /

ナレーション:アディダスは、全ての主要なマラソン大会の主催者たちに向けて、321番のゼッケンをつけたビブスを、ダウン症の人々のために確保するようお願いしました / それらを着ることが、自ら(マラソン大会のような)メインストリームなスポーツでダウン症の人々を代表することになるのだ、ということがわかるように /

文字要素:我々のソーシャル・キャンペーンは、すべてのメジャーなマラソン大会に、ランナー321番を取り入れるように投げかけました / アディダスの公式アカウント ”ランナー321番が今や、あらゆるマラソン大会で現れています。@ボストンマラソン*さん、あなたも参加しますか?”(*投げかけ先のマラソン大会の名前がロンドン、ベルリン、東京、ニューヨーク、アテネへと変わっていく) /

一週間もたたず、反応が届き始めました /  ニュースキャスター「クリス・ニキックさんは10月のボストンマラソンでゴールすると、人々に大きな印象を残しました」/ ボストン・ヘラルド紙 ”ボストンマラソン、321番のビブスをニューロダイバーシティ(神経多様性)を持つアスリートに毎年供与することに” / ニュースの司会者「インスピレーションを与えてくれますね!」/

文字要素:オンライン上には、すべての大会でインクルージョンを求める声が続出 / (さまざまなマラソン大会に向けて、同様の取り組みを行うよう促すコメントが次々と映し出される) /

文字要素:しかし、問題がありました / ほとんどのマラソン大会は、私たちのライバル会社によってスポンサーされていたのです /

…そこで、奇跡が起きました / ナイキのシカゴマラソン レースディレクター、メアリー・ベス・ジョンソン氏「私たちは、私たちのすべてのレースで321番のビブスを用意することについて本当にワクワクしています」/

文字要素:世界の6大メジャーマラソン大会すべてに、ランナー321番が採用されることに /

ウェブサイトでは、マラソン大会の運営者用に、ランナー321番を実施するためのツールキットを提供しました / そして、ダウン症を持つ次世代のランナーたちをリクルーティング / "私もランナー321番になりたいです! 申し込み" / これまでに278人が応募、今も増加中 /  (さまざまなメディアの絶賛のコメントが次々と映し出される) /

ランニングに、最初の象徴的番号を創出 / さらにそれは、ダウン症のアスリートたちをインスパイアする、最初の象徴的番号となりました / アディダスのマーケティング&コミュニケーションVP、ジェイ・ホールダー「321番は、あらゆる世代にインスピレーションを与えるものになるでしょう」/

文字要素:今日までに、252のマラソン大会がランナー321番を採用している / (アディダスのロゴ+impossible is nothing.)

🏷️ 巻き込まれて気持ちよければ、ライバルも巻き込まれる

いかがでしたでしょうか?

この紹介ムービーからも分かるとおり、この取り組みの素晴らしさにさらに拍車をかけているのはナイキやニューバランスなど、ライバル各社がこの取り組みに喜んで参加している、という部分です。

SDGsの17個目のゴール(パートナーシップで目標を達成しよう)にもある通り、これからはより良い社会を作るためには、敵味方や利害などの既存の枠組みを超えた協力や協働、コラボレーションが欠かせません。

紹介ムービーのラストのアニメーションでも表現されている通り、321という番号が実はアディダスのロゴの「3本線」をさりげなく象徴しているところなど、組む側からすると若干エグい部分はあるのですが、それでも低コストで行えてイメージアップに効果があるなど、ライバルが組みやすく、組んで気持ちの良い仕組みを編み出したアディダスにまずは敬意を評したいですし、同様に彼らとのコラボを受け入れたライバルメーカーたちにも「あっぱれ」を差し上げたいと思いました。

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!

 

EV車の充電所不足を発想の転換で解決したルノー【カンヌ2023受賞作より】

UnsplashのCHUTTERSNAPが撮影した写真

🏷️ 2021年に引き続き、ルノーがEV車でまたやった!

さて、今回も先週のアン・ド・ゴール空港に引き続き、フランスで行われたソーシャルキャンペーンをご紹介いたします。フランス車メーカー、ルノーによるEV車普及のための取り組みなのですが、この原稿を書いている途中「あれ?ルノーって前にも同じ目的で素敵な取り組みしてなかったかしら?」と思い出しました。

過去を振り返ると↓こんなことをしておりました。

wsc.hatenablog.com

こちらはEV車=不便という思い込みを払拭するために、暮らしに不便の多い田舎の村人たちの車を全部EV車に変えることで「EV車がいかに不便でないか」を証明した、という大胆な企画でした。

この取り組みは「世界的クリエイティビティの祭典」カンヌライオンズ2021のアウトドア部門でグランプリに輝いたものなのですが、今回これからご紹介する取り組みも今年(2023年)のカンヌライオンズ、クリエイティブ・ストラテジー部門でグランプリを獲得、クリエイティブ・ビジネス・トランスフォーメーション部門やモバイル部門で金賞を獲得するなど、非常に高い評価を受けたアイデアとなります。

はたして今度はどのようなアイデアで世界をアッといわせたのでしょうか?それでは以下の紹介ムービーをご覧ください。

🪧「Renault - Plug-inn / ルノー - プラグ民宿

vimeo.com

【雑和訳】ナレーション:フランスにおける電気自動車(EV車)のリーダー、ルノーはビジネス上の難問に直面しています / すでにフランスの街には100万台のEV車が走っているのに、公共の充電所は8万箇所に過ぎないのです / しかも、地方に設置されているものはごくわずか。これは、EV車の普及を妨げている大きな課題です /

世界が深刻な環境問題に直面する中… / ニュース番組のテロップ:EUは2035年までにガソリン車とディーゼル車を禁止 / ニュースキャスター「欧州議会は、2035年からガソリン車とディーゼル車の販売を禁止することにGoサインを出しました」/

コメンテーター「EV車の大きな問題は充電所が十分にない、ということだといえるでしょう」/ SNS投稿者の声「問題なのは、充電所が見つからない、ということです」/ 「インフラが追いついてないんですよね」/

ナレーション:ルノーは”Plug-inn(プラグ民宿)”というアプリを提供 / これは、プラグのためのairbnbのようなものです / レポーター「Plug-innはEV車のドライバーに人々の家庭用充電器を紹介する、ピア・ツー・ピア型のアプリなのです 」/

ナレーション:これにより人々はここでも、ここでも、ここでも充電ができるようになりました / なぜなら、マッツュアやナディシュ、ジュベールのように、家での充電器を持っている人々はフランスには68万人以上いるからです / Plug-innがあれば、ドライバーたちは旅行を計画し、(走行ルートの付近で)使用可能な家庭用充電器を見つけ、事前に予約。リーズナブルな値段で充電することが可能になりました /

そして充電器を貸し出す側は、アプリについている金銭取引の安全が確保されたシステムで、電気をお金に変えることが可能になりました / これはフランス中で利用可能で、このような辺境の田舎でも使えるのです /

このようにして私たちは、ビジネス上の課題を新しいビジネスモデルに変換させました / Plug-innは、(フランスで)最も早く成長している充電ネットワークになりました / そして、まもなくすべての国においてもそうなることでしょう / ルノーがEV車への移行におけるリーダーであることを証明しながら /

(各種メディアの様々な声が映し出される) / 文字要素:ユーザー数・31,000 / 1億4,000万インプレッション / アーンド・メディアでの露出・70万ユーロ相当 /

ナレーション:では今度、最寄りの充電所はどこですか?と聞かれたら? / ”あらゆるところ”と答えましょう / (Plug-innのロゴ入る) 

🏷️ ネットの進化とともに進むインフラの”再定義”

いかがでしたでしょうか?

ルノーは今回、田舎を使うことで漠然とした「不便さ」を払拭した2021年の取り組みに比べ、充電所不足という、より具体的な課題に取り組みました。

私たちはインフラというとつい「道路」や「発電所」、「給油施設」など、豊かな暮らしをする基本としてある「べき」もの、という考え方をしがちですが(しかもそれはほぼ正しいのですが)、その考え方に縛られ過ぎているとある「べき」ものが満たされない場合、すぐ政府などに「ねだる」という思考に行きがちです。

今回の取り組みの素晴らしい点は、最新のデジタル技術を取り入れてみんなで繋がれば、ある「べき」なのに間に合っていないインフラだって今や自分たちで「創る」ことができる、という事実を世に示した点です。

そしてさらに時代だな、と感じたのは「充電所不足」という問題を、電力会社でもなんでもない自動車メーカーが解決しようとしている点。

このように今や一企業やNPOなど、組織ができることの選択肢はどんどん広がっています。

それを面倒だととるか、面白いととるかで世の中に与える価値の総量は大きく異なるものになることでしょう。

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!

 

ダウン症への理解促進と、歴史的事実を結びつけたシャルル・ド・ゴール空港【カンヌ2023受賞作より】

UnsplashのSimon Champagneが撮影した写真

(ちょっぴり良い)歴史的事実は、人の良心を惹きつける

大河ドラマが結構好きです。ひとつの大河だけでなく、何本も違う世界線の大河を見ることで、例えばある大河では信長が承認欲求の塊のように描かれていたかと思うと、別の大河では単なる筋肉の塊のように描かれていたりと、同じ歴史的資料に基づいた創作でも、光の当て方でその姿形はここまで変わるのか、という奥深い面白みがあります。

歴史の教科書に載っているような史実をいろんな形で映し出してくれる大河も好きですが、その一方で、歴史バラエティなどで人々を惹きつけるのは歴史的人物の、教科書には載らないような”ちょっといいエピソード”です。(例えば坂本龍馬の実姉に書いた手紙なんかは実に愛嬌があって、親しみと共に彼への興味が高まったりします。)

さて、今回はフランス20世紀の英雄、シャルル・ド・ゴールのそんな、教科書には載っていない”ちょっと素敵な事実”を活かしてダウン症の人々への理解促進を促した、実に素晴らしい取り組みをご紹介します。

ちなみにこの取り組み、「世界的クリエイティビティの祭典」カンヌライオンズ2023の非営利団体に贈られるGrand Prix for Goodを獲得、さらにはダイレクト部門、ヘルス&ウェルネス部門、アウトドア部門で金賞を受賞するなど高い評価を受けたアイデアとなります。

それでは早速、以下の紹介ムービーをご覧ください。

「Anne de Gaulle / アン・ド・ゴール」

youtu.be

【雑和訳】ナレーション:世界中の誰もがシャルル・ド・ゴールを知っています。彼は、第二次世界大戦におけるフランスの国民的英雄。アイコンとして彼の名は通りや駅、公共の場、そしてヨーロッパ最大の空港にまで刻まれています。

しかし、アン・ド・ゴールを知っている人はいるのでしょうか?シャルル・ド・ゴールの最愛の娘はダウン症と診断され、彼は彼女のための財団を作っていました。しかし、2022年の12月3日まで、誰も彼女のことを知らなかったのです /

文字要素:アン・ド・ゴール財団提供 / "パリ、アン・ド・ゴール空港” /

アン・ド・ゴール財団会長 ジャン・ヴァンルー氏 「ヨーロッパ最大の空港が改名するのです」/ 「これは本当に力強い、象徴的な活動です」/「ド・ゴール将軍が彼の娘、アンのために道を開いたのです」/

ナレーション:手荷物のタグにも、カートにも、行列にも、搭乗券にも / 入国、出国ターミナルのすべてのディスプレイにも / そして、道路表示にまで /

情報番組の出演者たち「空港のあらゆるところにアン・ド・ゴールの名前が表示されたのです」/「”アン・ド・ゴール空港へようこそ”と、この試みを世界にお披露目したのです」/ 「空の上では、搭乗員が新しい空港名をアナウンスしました」 / 客室乗務員「パリ、アン・ド・ゴール空港へようこそ」/

ナレーション:そして、この卓越した空港の象徴的な表玄関に記された巨大な文字とともに、1週間に渡り、100万人以上の旅行者がアン・ド・ゴール空港を利用しました / (*海外の空港利用者がこの取り組みをシェアしている映像が挿入される) /

ナレーション:そして、(ダウン症なのはアンだけではなく)彼女の後ろには、ゴルチェ、フェリペーン、ロア、リアもいます。私たちは彼ら、財団の居住者たちを空港に迎え入れることにしました / テレビのコメンテーター「体が不自由な方もいましたし、財団のメンターや、シャルル・ド・ゴール空港のスタッフたちも参加していました」/

ナレーション:パブリックスペースでの障がいを持つ人たちへのおもてなしを改善するための取り組み。そして、私たちの気持ちは(フランスの)交通相本人や、何百万もの人々に届きました /

様々なTV番組のキャスターたち「シャルル・ド・ゴール空港がその名前を変えました」 / 「アン・ド・ゴール空港に名前が変わったのです」/  「期間は一週間」/ 「名前は”アン・ド・ゴール空港”です」/「アン・ド・ゴール空港へようこそ!」/「これは、歴史的なイベントです」/

文字要素:13カ国で、200以上の記事化 / トータルリーチは5,000万 / アーンド・メディアでの露出は100万ユーロ超に相当 / 財団のロゴ:アン・ド・ゴール財団 〜 私たちの社会で、障がいのある場所を前進させる〜

公共物とのコラボレーションにも、ストーリーが重要

いかがでしたでしょうか?

あのシャルル・ド・ゴール空港をここまで本格的かつ大々的に改名した、というのは本当に驚きで、表玄関の名前まで変えてしまったことや、さらには交通機関のサインまで変えてしまったところに1財団の想いを超えた、国ぐるみでの本気度が窺われます。

これも今も変わらぬフランス人のド・ゴール将軍への想いと、そんな彼の人柄が窺える、娘とのストーリーの共感性がなせる技なのだろうと思いました。

しかし日本でも、このような”都市のアイコン”とのコラボレーションは結構行われています。

例えば10月1日の「ピンクリボンデー」では、東京タワーをはじめとする、たくさんの街のランドマークがピンク色の照明で彩られています。

こちらも通勤帰りなどに気づきを与える、素晴らしい取り組みだと思います。

例えばこういった取り組みにさらに、今回の企画が持つストーリー性 ー シャルル・ド・ゴール空港の名前の元となったド・ゴール将軍はダウン症の人たちへの偏見なき理解者だった ー  の要素、つまりそれぞれの街のランドマークとピンクリボンをつなげる何らかの興味をひくストーリーが追加されると、さらに多くの人の賛同を得ることができるのではないかなぁ、などと考えたりします。

こんな風に、アイデアの発見だけでなく、すでに行なっていることの「改善」のために海外の取り組みを参考にする。そんな用途にも、このブログを利用いただけますと幸いです。

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!

 

今後の緊急事態に、自分が何ができるか準備するためのヒント【カンヌ2023より】

UnsplashのJacek Dylagが撮影した写真

組織や社会の強さは、緊急事態にこそ現れる

結構な時間を生きてきて、最近は組織や社会における一個人は、細い糸のようなものだと考えるようになってきました。それぞれの糸が自らの意思で縦と横に組み合い、しなやかな布となり困っている人を包み、癒して応援する。そして時には応援される。そんな個人の優しさに根差した助け合い精神の有無や濃淡が、最終的にはそれぞれの組織や社会の「強さ」を決めるのかな、と思います。

もちろん人間という糸は間違いなく愚かですから、余裕がある時は良心よりも政治や打算で組み合い、結果その因縁や癒着でがんじがらめになって助けるべき人を助けられなくなってしまうのですが、この世の中面白いな、と思うのは、そういう状況の場所にはほぼ必ず「思いもよらない災難」が起きて、人々にちゃんと反省の機会が訪れるのです。

みなさん、思い当たる事件や事故、たくさん思い出しますよね…。

と、ちょっぴり脱線してしまいましたが、今回は「ウクライナからの難民の急増」という緊急事態に、ポーランド社会における誠実な「一本の糸」として素早く関係各位と組み合い、素晴らしいソリューションを開発、難民の皆さんに提供した現地マスターカードの素晴らしい事例をご紹介します。

ちなみにこの取り組み、「世界的クリエイティビティの祭典」カンヌライオンズ2023のSDGs部門でグランプリを受賞、他にもダイレクト部門、PR部門で金賞を受賞するなど高い評価を受けたアイデアとなります。

それでは早速、以下の紹介ムービーをご覧ください。

「Where to settle / 安住の地」

vimeo.com

【雑和訳】文字要素: 2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻しました / 一ヶ月のうちに、ウクライナ国民の4分の1が命を守るために避難 /

ワルシャワ市長 ラファウ・トゥジャスコフスキ氏「これは第2次世界大戦以降、最大の移民流入クライシスになります。30万人がひとつの街に押し寄せました。これは市当局のサービスにとてつもない負荷を与えています」/ 文字要素: 何百万もの人々がポーランドの大都市に流入し、大部分がワルシャワにたどり着きました /

しかし、安全の確保はただの始まりに過ぎません / 人道的なクライシスが / 住居や / 雇用の面で(避難民たちに)襲いかかりました /

あらゆる人々への経済的なインクルージョン(包摂性)の必要性を信じるブランドとして / マスターカードはこの課題に足を踏み入れました /

私たちのデータは、より小さなポーランドの街の方が、より多くの機会を提供できることを示していました / 女性の声「より小さな街の方が、より多くの宿泊地や、より多くの職など、より多くの可能性があります」/

文字要素:そこで私たちは速やかに”wheretosettle(安住の地)”を立ち上げました / マスターカードの取引データを、ポーランド統計局の賃金情報と相互参照 / さらにそれを、ポーランド最大の不動産情報プラットフォームや、求職情報のポータルサイトと組み合わせました /

利用者の声「(これを使えば)出費や税金の目安がわかり、どこに身を落ち着けたいか、自分で検討することができるのです」/

文字要素:私たちはそれぞれの家庭に、どこで暮らしを再開するのが適切かを可視化(*画面上のスマホには"住み、働くのにベストな場所を比べてみましょう"、"街:レグニカ"、"産業:金融…"などの情報がディスプレイされている)/ それぞれに最適な仕事や住居を提示しました(*画面上のスマホには”レグニカで金融業界で働き、暮らした場合の平均収入と支出"、"収入の50%が支出になります”などの情報がディスプレイされている) /

文字情報:家を、仕事を見つけるために / 暮らしを再び始めるためのお手伝い / gdziezamieszkac.com.en (安住の地ドットコム) / Mastercard、プライスレス

緊急事態が起きない世の中は永遠にやってこない

いかがでしたでしょうか?

ちなみにこちらのウェブサイト、実際のぞいてみましたが今も稼働していて、ブラウザの自動翻訳機能を使えば日本語で大体の内容を把握することができます。

以下のリンクからご覧いただき、その出来栄えに感銘すると同時に、「もし今後、日本で同じような事態が起きたら、私は、または私の組織はどのように動くべきなのだろうか」を考えておくのも良いかもしれません。

gdziezamieszkac.com

緊急事態は人類がこの世にある限りいつでも、予想外の形でやってきます。

だからこそ、頭は自由に、心は優しく、そして命を大事に。

いつでも、誰とでも組み合えるように備えておきましょう。

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!

 

手をこまねいているうちに、ツバルは沈む【カンヌ2023より】

UnsplashのMarkus Spiskeが撮影した写真

東京も気候変動を実感する猛暑です

8月も目前ですが、暑いですね…。そしてここ2〜3年はいよいよ、夏になる度に平均気温上昇の影響を日本のあちこち、世界のあちこちで実感するニュースが増えている気がします。

しかし、アラフィフの私が10代の頃から危機を叫ばれ続けつつ、根本的な対策が取られないまま消滅に向かっている海洋国家があります。

今回はその国家、ツバルについて、あらためて世界の注目を集めるべく行われた取り組みをご紹介したいと思います。

ちなみにこの取り組み、「世界的クリエイティビティの祭典」カンヌライオンズ2023の中でも特に革新的で、社会的インパクトの強いアイデアに与えられる「チタニウム」カテゴリーのグランプリを受賞するなど、地球の今、そして2023年の世界を象徴するアイデアとなります。

それでは早速、以下の紹介ムービーをご覧ください。

「The First Digital Nation / 世界初の”デジタル”国家」

youtu.be【雑和訳】サイモン・コフェ大臣「責任ある立場にいる皆様、名誉あるゲストの皆様、温暖化進む太平洋の国ツバルからご挨拶させていただきます」/

文字要素:あと数十年で、海面上昇はツバルを消滅させることになります / COP27の席で、ツバルのサイモン・コフェ大臣は自国のサバイバル計画を発表しました /

大臣「世界で初めてのデジタル上の国家になることしか、我々には打つ手がないのです」/ ナレーション:COP27で、アクセンチュアは太平洋の国ツバルとパートナーとなり、ツバルをメタバース上にリロケーションすることを発表しました /

大臣は、ツバルの一番最初にデジタル化される部分ーつまり、一番最初に温暖化により完全に消滅してしまう地点からスピーチを発表しました / このスピーチを見た人々は、この取り組みへのサポートを表明することができるランディングページへといざなわれました /

ツバルはもはや、できるだけ多くの自国の情報をカタログ化し、地図を残し、記録し、保存するところにまで来ているのです / 歴史的文書 / 文化的慣習の記録 / 家族のアルバム / 伝統的な歌などは、メタバースに移されるものの一部に過ぎません / これらの移管は、時間はかかりますが避けては通れないプロセスの最初の第一歩となります /

アクセンチュアANZ ヘルス&パブリックサービス部門シニア・マネージングディレクターJohn Vidas氏「デジタライゼーションという言葉があらゆる場所で語られていますが、このプロジェクトは、それを最も純粋な形で追求したものだと言えます」/ 「通常、陸地や人々、文化により定義される国という概念を、デジタル上の存在へとトランスフォームさせるのです」/

アクセンチュアANZ メタバース・コンティニウム マネージングディレクターDawid Naude氏「この取り組みの狙いは、国というスケールの大きなものをメタバースに移動させることにあります」/ 「これは技術的な能力も不可欠な、とても野心的な試みで…」/ 「その実現には、クリエイティブ・シンキングや感情に訴えるストーリーテリングも不可欠なものとなります」/ 「私たちはツバルとパートナーになり、9つある島のうちのひとつのデジタルツインを作り出しました。これはツバルを保存するための第1歩となります。その文化やアイデンティティをメタバース上に残すための…」/ 「私たちの大きな目標としては、ツバルのすべての人々が実際に故郷のように感じることができる、デジタル上の国家を創り出すことです」/

アクセンチュアソング サステナビリティスタジオ グロース&ストラテジー マネージャー Lucy Sundburg氏「私たちは、ツバルの人たちが気候変動による人々への影響を伝える活動をサポートしています。それはつまり、影響力を持つ人たちに、ツバルへのサポートを促すことでもあります。ツバルのデジタル化は、気候変動への適応事例でもあります。…最悪のケースに備えるための。しかし、まだツバルがデジタル上でしか存在しない国になるのを食い止めるための希望は残されています。ただし、それは我々グローバル・コミュニティの努力にかかっています」/

サイモン・コフェ大臣「共存共栄に向けた全世界規模での良心の発露やコミットメントがなければ、(海面上昇による)陸地の消滅は進み、他の多くの国々も我々に続き、デジタル上の存在へとなっていくことでしょう」/ 「(*マオリ語で)どうもありがとうございます。ツバルに神のご加護を」文字要素:リアルなツバルを救ってください / TUVALU.TVにアクセスを / ツバルのメッセージは900万人を超える人々にリーチしました / 118の国の人々(今なお集計中)がTUVALU.TVでツバルの嘆願書に参加してくれました / アクセンチュア ー変化を創り出そう

デジタルアーカイブは解決ではない

いかがでしたでしょうか?

この世の中の「なくなってしまいそうなもの」について、デジタルアーカイブをとっておくという行為自体は決して斬新なものではなく、むしろデジタルができることの代表的な特長のひとつだと思います。(最近では去年のカンヌ受賞作であるBackup Ukraine/バックアップ・ウクライナが記憶に新しいです。ご興味ある方は以下のリンクからご覧ください。)

wsc.hatenablog.com

ただし、大事なのはデジタルアーカイブは本質的なソリューションではない、ということです。データをとっておくことは、迫り来る危機に対して文化や伝統を守るための備えにはなりますが、データをいくらたくさんとっても心安らぐ実家の建物や住民の命、そして生態系は一度失われてしまったら、二度と戻ってきません。

気候変動を食い止めるために私たちが個人レベルでできることといったら、できるだけ環境負荷の少ない交通機関を選ぶ・使い捨てのものをなるべく減らす…といったあまりに小さなアクションでいつも情けない気持ちにもなるのですが、結局は一人一人の小さな努力の総和が地球の危機を救うのだ、と信じて最後まで絶望せず、暮らし続けることが大切なのだと思います。

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!

 

フランスで国会議員の悩みに応えた、NPO団体によるナイスアイデア【カンヌ2023より】

UnsplashのJoakim Honkasaloが撮影した写真

国会議員=敵対するもの、という思い込みからの見事な脱却

アラフィフになってみて思うことは、敵を作ることは損でしかない、ということです。一旦敵になってしまうと、相手の悪い面しか見えなくなります。でも世の中、悪い面だけの人はそんなにいません。相手が本当の悪党でもない限り、結局自分の見る世界が歪み、正確な判断ができなくなり、損をするのは自分なのです。

リンカーンも言っていますが「敵と友人になれたら、それは敵を滅ぼしたことと同じなのでは?(Do I not destroy my enemies when I make them my friends?)」ということです。合わない人を「あいつは敵だ!」と決めつける前に「あいつがあなたにとって嫌な奴なのは、あいつなりの理由があるのでは?」と考え、その理由を見つけ、それがなくなるよう知恵を巡らす。場合によっては積極的に、そいつが抱える問題の解消のために一肌脱ぐ。(そしてあわよくば友達になってしまう…。)そんな地道で丁寧なコミュニケーションの繰り返しが、結局はより良い人生へと自分を導く王道なのかな、と思います。

今回はそんな考えを思い起こさせてくれた、フランスの環境系NPO団体による国会議員に向けたソーシャルキャンペーンを紹介させていただきます。

彼らは気候変動に対するフランスの動きの遅さに腹を立て、国会議員たちを糾弾すべき「敵」としてしまう前に、国会がそうなってしまっている理由に目をつけ、その解消に立ち上がりました。

ちなみにこの取り組み、「世界的クリエイティビティの祭典」カンヌライオンズ2023の複数部門(ダイレクト部門、プリント&パブリッシング部門、SDGs部門)で金賞を獲得するなど、非常に高く評価されたアイデアになります。

それでは早速、以下の紹介ムービーをご覧ください。

「Pret a Voter(Ready to Vote)/ 投票促進キット」

youtu.be

【雑和訳】ニュースキャスター「フランスの裁判所は、気候変動に対する無策の責任がフランス政府にあると裁定しました」/ レポーター「活動家たちと法律の専門家たちが非常事態を訴えるのには理由があります」/ 活動家「政府の気候変動に対する無策は、私たち全員にとっての死刑宣告なのです!」/

B.ピカルド氏(探検家・環境に関する国連大使)「気候変動に関する新しい法律を(国会が)採決するためには、時間がかかりすぎます」/文字要素:ソーラーインパルス財団がお届けします / なぜ、新しい法律を待たなければいけないのでしょうか?自分たちでも作ることができるのに / ナレーション:Pret a Vorer(プレ・タ・ボーテ)、すぐに投票できる、新法の草案を載せた本 /

環境系NPO団体であるソーラーインパルス財団は、気候変動に対する50のエコなイノベーションに着目 / 弁護士や法学者のサポートを受け、それぞれを(国会で)すぐに投票・採択できるよう、50の法律草案を作り上げました / そして、それを”Pret a Vorer(プレ・タ・ボーテ)、Ready to Vote(投票促進キット)”として一冊の本にまとめたのです /

577冊が印刷され、フランスの国会に送られました / これらは577人の国会議員一人一人に配布され、彼らに記載のどの法律の草案でも良いので投票にかけるよう、お願いしました /  B.ピカルド氏「この取り組みの目的は、通常4〜5年かかってしまう(新法可決の)過程を、議員たちが2〜3ヶ月でできるよう手助けすることです」/

ナレーション:このキャンペーンは、一般人々の関心を集めました / ( B.ピカルド氏がさまざまな場でPret a Vorer(プレ・タ・ボーテ)について映る場面が映し出される)/ 気球の上のB.ピカルド氏「私は国のリーダーに向けて、”今すでにあるソリューションに目を向けてください”と訴えたいのです」/ アンカー「この本には素晴らしい数の法案が載っています。そしてあなたは、それを国会の面々に提供したのです」/

ナレーション:3つの法案が選ばれ、投票が行われました / 報道官「国会議員たちは、再生可能なエネルギーを促進すべく、法案について投票を行います」/ ナレーション:そしてついに… / 国会議長「国会は、この法案の草案を採択しました」/ ナレーション:3つの法案が採択 / ひとつは地熱発電 / ひとつは浮動式ソーラーパネル / そしてもうひとつはサステナブルな農業を通じた発電 /

今、9つの法案が審議の過程にあり / EU版のPret a Vorer(プレ・タ・ボーテ)も準備中です / (様々なメディアの賛辞の声が入る)/ ナレーション:Pret a Vorer(プレ・タ・ボーテ)。気候変動と戦うための戦いを、加速させるための本

役割が押し付けてくる「枠」から自由になってみる

いかがでしたでしょうか?

このアイデアの素敵なところは、冒頭に触れた通り、「政治家=悪いやつら」という思い込みに囚われることなく、「政治家の中にはサステナビリティを推進したい人もそれなりにいるが、彼らも法案成立に時間がかかりすぎて困っているのだ」という事実を冷静に見て、誠実に彼らへのソリューションを作り、提案した点にあります。

(結果3つの法案がすでに採択された、という事実が、政治家もそんなにワルばかりではないことの証明でしょう。)

社会のデジタル化により情報と交流のミックスが地球レベルで加速し「俺たちはみんな〇〇だ」、「あいつらはみんなXXだ」、というようなレッテルがイノベーションを妨げる足枷でしかなくなっています。

今回の取り組みを行ったNPO団体のように、時には自分自身や、自分が所属するコミュニティが押し付けてくる「枠」から自由になって考えてみることが、課題解決につながるビッグアイデアにつながることも今の時代はたくさんあるのだと思います。

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!

 

韓国警察庁が110番に追加した、素晴らしい新機能【カンヌ2023より】

UnsplashのJenny Ueberbergが撮影した写真

時代に合わせたバージョンアップで、被虐待者の保護に貢献

夏になりました。久しぶりに街に人が溢れている昨今、日本でも物騒な事件が増えているように感じます。ということで今回は、お隣の国・韓国の警察庁が今の時代に対応すべく、その緊急呼び出し番号である112番(日本でいう110番)に加えた小さな、でも偉大なるひとひねりをご紹介したいと思います。

カンヌライオンズ2023の、女性の権利拡張を目指すアイデアを評価するグラス部門でグランプリ、他の部門でも金賞以下を多数獲得するなど、非常に高く評価された取り組みです。

それでは早速、以下の紹介ムービーをご覧ください。

「Knock Knock / トントン」

youtu.be

【雑和訳】文字要素:韓国では過去8年間、ドメスティック・バイオレンスが718%増加しました / しかしその2%しか警察に報告されていません / なぜ、そんなに報告が少ないのでしょうか? / 被害者は伝えられないのです / なぜなら、加害者と同じ場所にいるから… /

では、どうしたら警察は話せない被害者を救うことができるのでしょう? / タイトル:静かな緊急呼び出し”Knock Knock(トントン) /

文字要素:112番(訳註:日本でいう110番)をダイヤルします / そして、どの番号でも良いので同じ番号を2回押すだけ / 何も言わず / 警察はそのタップ音を聞くと / それが静かな緊急呼び出しかどうかを確認 / 発信者にリンクが送られます / それにより、発信者のカメラを通じて警察は現場の状況を把握することができるのです /

また、リンクにより発信者の場所もトラックすることが可能に(LBSリクエストなしのトラッキングが可能)/ そして、隠密にチャットができるモードも開発しました(Google検索をしているだけのように見えるチャットウィンドウを採用)/すべては、警察が現状をリアルタイムに判断できるようにするため / そして、迅速に対応するためです /

この新しい緊急呼び出し方式は / 韓国全域、4,800人の警察の電話交換手に導入されました / そして、一般に告知されました / ビューティー関連のチャンネルや / ネイルサロンやヘアサロン / その他、女性がよく訪れる場所を通じて /

ニュースキャスター「警察への、新しい緊急呼び出し方法が開発されました」/ さまざまな人たち「Knock Knock(トントン)」/ メディアで大きな話題に(全域放映すべてのニュースチャンネルがフィーチャー)/ 2億3千7百万(ソーシャルからトラディショナルメディアまでのメディアインプレッション) / (様々なメディアの称賛の声が入る)/

聾唖の女優 リー・ソビュル「これはとても重要な発明です。障害を持つ人や、社会的弱者にとっても」/ この取り組みが始まって以来、緊急対応室の交換手に5,749の通知が寄せられました / そしてKnock Knock(トントン)は、正式に韓国の緊急呼び出し方法になったのです / 声を出さずに、あなたの声を警察に / 韓国警察庁

意外とある、身近すぎて昔のままになっているもの

いかがでしたでしょうか?

このアイデアの素敵なところは、110番のような、当たり前すぎて前世紀から何も更新されてこなかった仕組みに「スマホの普及」という社会の側の変化をフィードバックし、進化させたことにあると思います。

考えてみれば他にも、郵便ポストやマンホールなど、世の中がこれだけ進化しているのに、子供の頃から何もかわっていないものは本当にたくさんあります。

それらが知らぬ間に我々に押し付けている不便はないでしょうか?

さらにはそれらがもたらす制約の中で、知らずと諦めてしまっているより良い可能性や、選択肢はないでしょうか?

誰もが日々の中で見逃してしまっているそういった「問い」を見つけ、それらにきちんと向き合う力が、この韓国警察庁のアイデアのように、世の中をより良い方向へと変えるソリューションを生み出す原動力となるのだと思います。

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!