世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

海辺で飲みたいビールブランドによる、海辺を守るためのキャンペーン【カンヌ2022受賞作より】

UnsplashのAnastasia Palagutinaが撮影した写真

困った時の”ゲーミフィケーション

各種メディアの取り組みにより、海に投棄されるプラごみが今のペースで増えると、2050年には海に浮かぶプラごみの総重量が海に住む魚の総重量を上回ってしまう、ということを知っている人も増えてきました。

しかし、この問題の解決にはゴミを海に「捨てる」人を減らす努力と同時に、すでに海に漂っているプラごみを「拾う」人を増やす必要もあります。

今回は、その「拾う」人を増やすために拾う行為をゲーム化(ゲーミフィケーション)したアイデアです。

ちなみにこの取り組み、世界的クリエイティビィの祭典・カンヌライオンズ2022にて、ブランドエクスペリエンス&アクティベーション部門、アウトドア部門、SDGs部門で金賞を獲得しています。詳しくはぜひ、以下の解説ムービーをご覧ください。

「 Plastic Fishing Tournament

youtu.be

【雑和訳】漁師A「海は全てを与えてくれた」「なのに俺たちは海に、ゴミでお返ししているんだ」/文字: 毎年、1400万トンのプラスチックが海に投棄されている/ PENAオセアニアエステバン・ガルシア「この大量のゴミが海の生き物たちと漁師の暮らし、両方に影響を与えてしまっているのです」/  漁師B「海では魚よりプラスチックの方をよく見るよ」/

ABINBEVマーケティングVPのファビオ・バラチョ「Coronaビールは長年、海辺の暮らしとその保全に関わってきました。今回、私たちはその関わりをさらに深めることにしました」/ 街宣車コロナビールは、プラスチック・フィッシングトーナメントを開催します!」町のスピーカー「土曜日の朝9時」「海を掃除して、お金を稼ごう」/ ナレーション「私たちは、初めてのプラスチック・フィッシングトーナメントを開催しました。これは全世界レベルでの取り組みで、漁師たちは海のプラごみを捕獲することで報酬が得られるのです。採れば採るほど、儲かるという寸法です」/

漁師「行こうぜ!」/ 文字: 中国 1日で3.8トン/ 中国の漁師「海の掃除に貢献できて、誇らしいです」/  文字: イスラエル 1日で2.7トン/ イベント司会者「始めるよ〜」/ イスラエルの漁師「海がきれいになれば、魚が帰ってくるよ。そうなれば、俺たちの暮らしも楽になる」/

文字: 南アフリカ 1日で4.3トン/ 主催者「プラスチックなら、どんなゴミでもとって大丈夫です」/ 文字: ブラジル 1日で2.9トン/ ブラジルの漁師「プラスチックには散々な目にあってきたけど、今では追加の収入源になるんだよ」/ 文字: メキシコ 1日で8.6トン/

ナレーション「私たちは何百人もの漁師をリサイクル業者とつなげました。なのでこれから漁師たちは、魚だけでなく副収入源として、プラスチックを1年中採ることができるようになったのです。」ブラジルの漁師「プラスチックを採れば、もっと稼ぐことができるんだ」/

*各メディアの絶賛の声が表示される/ 漁師C「私の夢は、次の世代も魚を採れるようにするために、海をきれいにすることだったんだ」/ ブランドロゴ:コロナビール

「どこでもやっていること」も枠組み次第で際立った試みに

いかがでしたでしょうか?正直、海辺のゴミを拾う行為をゲーム化する、というイベントは日本でもたくさん行われているし、おそらく世界中で行われていることと思われます。

しかしそれを、海と関連性のあるブランド(今回の場合”Find Your Beach”をキャッチフレーズに、海辺で飲むイメージを打ち出しているコロナビール)の冠の下、グローバルに統一した取り組みとしてスケールアップさせることで、結果としてマスコミから注目を集める結果(合計20トンを超えるプラスチックごみを世界中から回収した、という事実)を成し遂げることができた、というのがこのアイデアの強いポイントです。

さらに、このイベントをきっかけに漁師とリサイクル業者を出会わせて、イベント後も漁師たちがプラスチックを業者に一年中売れるようにした、というのもイベントの弱点である「一過性」を解消するよいアイデアの加点ポイントだと思います。

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!

 

<おまけ:海のプラごみを扱ったアイデア過去記事集。気づけばめちゃくちゃ多い…>

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