世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

プラスチックごみによる海洋汚染、深海へ

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Photo by Uriel Soberanes on Unsplash

最近、このブログでも頻繁に取り上げている「プラスチックごみによる海洋汚染」。このままのペースで人々が投棄を続けていると、2050年には海にいる魚の量を、海に漂うプラスチックの量が上回ってしまうそうです。「そんなことがあったはならない!」と、すでにさまざまな市民団体や企業があの手この手で世界に訴え続けています(←本文のおしりにまとめてリンクを張っておきます)が、解決には人類全体の意識の底上げが不可欠で、まだまだ先は長いと言わざるをえません。

個人レベルで言えば例えば、SDGsを考える会議で「一人一人のアクションが大事」とか言いながら平気で使い捨てのプラスチックボトルの水が出てきたりします…。(これを読んでハッ、としたみなさんはぜひこの週末から、例えばマイボトルを使い始めるなど、自分なりのアクションを始めてくださいね!)

それはともかく、今年6月に開かれた世界のアイデアの祭典、カンヌライオンズでもこの問題についてまた一つ、WWF世界自然保護基金)による印象的な取り組みが高い評価を受けていました(ブランド体験&アクティベーション部門金賞)。まずはぜひ、その紹介ビデオをご覧ください。

【EURYTHENES PLASTICUS (ユーリシヌス・プラスティクス)

www.youtube.com

【雑訳】 深海に飛び込むと、誰も見たことのないものを発見することがある。幸運なことに、新種の生物を発見すれば、その名付け親になることができる。その名前は独自性があり、適切で、記憶に残ることが求められる。どのみちその名は、歴史に残ることになる。(文字)EURYTHENES PLASTICUS (ユーリシヌス・”プラスティク”ス)(文字)2020年3月5日、アラン・ジェイミーソン博士率いる科学的チームとのコラボレーションで発見した新種について、我々はその体内で発見されたプラスチック片にちなんだ名前をつけた。「科学者たちは深海7キロメートルで新種を発見しました。しかしその新種は、我々に警告を促すものだったのです」プラスチックごみによる海洋汚染の影響は、想像よりも遥か深海に及んでいた。この事実を世に知らしめるため、WWFドイツ支部は発見した新種の名前の中に「ユーリシヌス・”プラスティク”ス」とプラスチックにちなんだ要素を入れることでメッセージに変え、地球上に住む生物の公式な分類名として登録。この行為により、この発見は歴史的な出来事となった。わずか数時間のうちにこの話題は世界中の知るところとなり、メディア予算を一切使わずして40以上の国でプラスチックごみの影響の深刻さについての議論に火をつけた。この取り組みは議論だけでなく、人々のクリエイティビティにも火をつけた。名前の発表に続いて、我々はさまざまな分野でこの取り組みに関連した施策を実行。この問題に対する、法的拘束力を持つ国際的合意を求める国連への嘆願書を作り、人々に署名を促した。これらは全て、1年半に及ぶ科学的チームとのコラボレーションの成果である。新種は発見されたのち、プラスチックによる汚染を分析され、その後に命名された。この取り組みを可能にした広告と化学の融合は、ドイツのみならず、スミソニアン博物館に教育・教訓的価値があるものとして永久展示されるなど、世界のミュージアムとのパートナーシップを通じてより一般的なものとなった。アラン・ジェイミーソン博士「(この取り組みを通じて)我々はこの星の海が、未開拓のエリアから新種を発見したとしても、すでにプラスチックにより汚染されているような状況に陥っていることに意見表明をしているのです。」

いかがでしたでしょうか?まずは深海の生物にまでプラスチックによる影響が及んでいる、という事実に着目したこと自体がインパクトフルですし、そこに発見した新種の名前に課題そのもの(=プラスチック)を入れ込んでしまうという「ひとひねり」を加えることで、この取り組みのニュースバリューが何百倍もターボチャージされていると思います。紹介ビデオの中でも言っておりますが、まさに科学と広告(的コミュニケーション技法)の見事な融合だな、と思いました。

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それではみなさん、また来週!

 

*特別付録:夏休みの補習〜プラスチックゴミ問題・過去事例7選

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