世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

浜辺でビール!の裏にある課題に挑んだ、アメリカの小さなビール会社のグッドアイデア:Edible Six Pack Rings

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梅雨の先に待つ、浜辺の季節。浜辺でのプシュッ!にワクワクしている方も多いと思いますが、今回は缶ビールの6パックが引き起こしている環境問題の解決に乗り出した、小さなビール会社のアイデアをご紹介します。このアイデアはブランドとの親和性が高いだけでなく、ダビデゴリアテによく例えられますが、小さなブランドが自分を大きく見せるために「大手ブランドを同じ土俵に立たせる」というマーケティング手法にも則っていて、非常に効果的な企業キャンペーンにもなっていると思いました。日本のビールメーカーの6缶パックは紙製であることが多いのでこのような問題は起きにくいのですが、業種を問わず、企業がソーシャル・イシューに取り組む際の良いアプローチ事例ということでご参考いただければと思います。

This idea is super-clever. It is relevant to the brand, and at the same time, it makes this brand look bigger and nicer by calling other major beer brands to join their innovative attempt based on goodwill. Applause!

<食べられる6缶パックリング:Edible Six Pack Rings>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

ナレーション&タイトル:

アメリカ人は昨年、63億ガロンのビールを消費し、その半分は缶ビールだった。

その6缶パックを束ねるためのリングの多くは使用後、海を漂うことになる。

海洋生物学者「世界中でおよそ100万羽の海鳥や何千何百もの海洋性哺乳動物、ウミガメがリングにはまってしまったり、食べてしまったりして命を落としています」

漁師「リングを切れば十分だと思っている人が多いんだけど、結局鳥やカメは食べて死んじゃうんだよ」

ナレーション:海の命を救うために。我々は、我々のメインターゲットであるサーファーや漁師、海を愛する人々の心にも響く施策を始めることにした。

ソルトウォーター・ブルワリー提供:

<食べられる6缶パックリング>

海の生き物たちを殺してしまう代わりに、彼らの栄養になる6缶パックリング。我々はこれを、ビールの醸造過程で発生する大麦や小麦から製造し、プラスチックの代わりになるだけでなく、海の生き物たちが食べられるものに仕立てたのだ。

技術責任者「自然の力で100%分解可能で堆肥にもなり、食べられるだけでなく、同時に6缶の重さをしっかりとホールドし、持ち運べる強さも必要なのです」

ナレーション:我々はこの6缶パックのリングを、あらゆる小売の現場に展開した。

女性「いいビールだし、海にもいいし、素敵なブランドよね」

男性「こんなにいい取り組みをしてくれるなら、少しぐらい値上げしたとしても買い続けるよ」

男性「大手のビール会社もこの取り組みを見習うべきだと思う」

男性「俺が食えるなら、カメでも食えるってことなんだな」

男性「なぁベイビー、ビールを楽しんで、海を守れちゃうってことなんだぜ。フッフッフッ」

ナレーション&タイトル:

これはビール業界で初めて実施された、100%生物分解が可能で、しかも食べられる6缶パックリング。

この技術は、既存の6缶パックリングとかわらぬ耐久性をもつ、効率的なものだ。

もしこの技術を他のクラフトビールや、もっと大きなビール会社が採用したら、その製造コストは下がり、今の6缶パックにかかるコストと変わらない、とても競争力のあるものになることだろう。

しかもその結果は、海に住む何千何百もの動物の命を救うことにつながるのだ。

ソルトウォーター・ブルワリー ブランド責任者「これは僕らのようなサーファーや漁師、海を愛する人々に支持されているブルワリーには大きな投資でした」

ソルトウォーター・ブルワリー 社長「私たちは(この取り組みにより)大きなビールブランドに影響を与え、ある意味インスパイアすることで、「海の命を守る」という航海に共に繰り出せればと考えています」

“食べられる6缶パックリング”

<ソルトウォーター・ブルワリー>

 

え、ソコ!?思いがけないところに潜む、女性への差別意識を明らかにしたキャンペーン /「世界を幸せにする広告」展より : ‪The Autocomplete Truth‬‬

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先日、私の会社の地下にあるアド・ミュージアム東京にて開催中の「世界を幸せにする広告」展に行ってまいりました。世界のソーシャルグッドな広告やキャンペーンおよそ80例を、「人権」や「医療」、「格差」などの7つに分類して和訳〜展示してくれているこの展示は、このブログをお読みいただいている皆様になら、きっとお役に立つこと間違いなし(しかも無料!)。しっかり見ると2~3時間はかかるので、お時間に余裕をもってぜひ足を運んでみてください。今回はその中からピックアップした、性格差解消のための国連機関、UNウィメンによる素晴らしいアイデアをご紹介します。彼らは私たちが日頃当たり前のように使っているグーグル検索のある機能に目をつけました。では、ご覧ください。

Last week, I paid a visit to Advertising Museum Tokyo at the basement of my office and found the special exhibition “Ads for a better society” truly worth watching. You can check almost 80 masterpieces of so-called ‘social good campaign’ from all over the world, which are all categorized into 7 areas like human rights, healthcare, inequality and so on. It will take 2~3 hours if you watch each case film one by one, but I promise you and your friends can enjoy here anyway because there are also many historically unique advertisements of Japan.

Here, I’d like to introduce a great campaign by UN women, which I found at this special exhibition.

<オートコンプリート機能の真実:‪The Autocomplete Truth‬‬>

www.youtube.com

<ビデオ概訳>

女性1「女性は出しゃばるべきではない」

女性2「奴隷であるべきだ」

女性3「女性は束縛される必要がある」

(中国語)タイトル:”女性は家にいるべきだ”

アラビア語?)

女性「今週始まった、UNウィメンによる新しい広告キャンペーンは、ここ何十年の世界的動きにもかかわらず変わらない事実を暴いています」

男性「女性への差別や偏見、性差による不平等は未だに存在しているのです」

女性「これは、(とある単語を打つと、それと組み合わされて検索されることが多い単語を自動的にいくつか表示してくれる)グーグル検索のオートコンプリートで実際に現れる、実際の文字列なのです。」

男性「それらの単語は、あたかも女性の口をふさぐようにレイアウトされています」

男性「オンラインでの検索が、この社会に住む私たちの問題について暴きだすかもしれません」

男性「グーグルで検索すると、あなた自身のスタンスが問われることになるのです」

タイトル:”女性は投票すべきでない” ”女性は容姿がすべてであり、意見は聞くべきでない”等

女性「これらは本当に表示されるものです…。作られたものではありません」

女性「人々は#womenshouldを立ち上げて、議論を繰り広げています」

男性「オンラインの世界はまさに、UNの白熱した公開討論の場と化しています」

女性「オートコンプリートの真実は世界中のヘッドラインをにぎわし、バイラルなセンセーションを巻き起こしています」

女性「人々や様々な組織が、広告にちなんだオリジナルバージョンを公開し始めています」

男性「性差別についての議論にまだ加わっていなかったとしても、(UNウィメンがキャンペーンの一環として作った)このウェブムービーを見れば、参加したくなるかもしれません」

女性「10歳と11歳の子供たちが教室で性差別についての討論を繰り広げています。教育の現場にも影響を与えている、といえるでしょう」

男性「これは本当にショッキングな出来事です。すべてが事実で、バイラルの発生源なのです」

タイトル:2013年に、最もシェアされた広告~ アド・ウィーク

男性「この広告はどんな形にも応用でき、どこにでも拡散できる画像でもあるのです。」

タイトル:ツイッター上のインプレッション 2億2,400万件

男性「これらは本当に素早く、人々に態度変容を促す試みです。素晴らしい…」

タイトル:全世界でのインプレッション 12億件

男性「これはUNウィメンという、1組織の単なる広告キャンペーンではありません。人々がお互いを理解しあうきっかけとなるもので、より大きく、力強い目的に貫かれた試みだといえるでしょう」

タイトル:今年一番のソーシャルグッド・キャペーン ~ アド・カウンシル

“オートコンプリート機能が暴く真実 ~ 議論の扉は開け放たれた”

<UNウィメン>

 

「世界を幸せにする広告」展の開催期間は、2016年7月30日(土)までです。

“Ads for a better society” at Advertising Museum Tokyo will end on July 30, 2016.

http://www.admt.jp/exhibition/program/2016_forgood.html

毒をもって毒を制す。炎上を操り、見事図書館を守り抜いたソーシャルキャンペーン:Book Burning Party- Troy Library

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誰もが(比較的)対等に意見をぶつけ合うことができる現代のデジタル社会。でもそれは同時に、ドナルド・トランプさんの事例を見れば分かる通り、知的な議論が極端だったり、粗暴だったりする論者たちによって妨げられ、論旨をすり替えられやすい社会でもあります。

では、声の大きなものによって論旨がすり替えられ、議論が本質的でなくなってしまった場合、私たちはどう立ち向かうべきでしょう。

ネットで巻き起こる論調には、ネットの話法で立ち向かうことが一番、ということで今回はアメリカミシガン州のトロイ市にて行われた「炎上覚悟」のソーシャルキャンペーンをご紹介します。

日本ではここまで露骨にやると逆炎上も起きそうですが、基本的なキャンペーンの構造は参考になると思いますよ。

An award-winning campaign which used social media in a very, very clever way to save a local public library in Michigan, USA. Facing a challenge from the “Tea Party” people who tried to close down the library, this library audaciously fought fire with fire. This case tells us a lot about how to survive in this digital age.  

<本燃やしパーティ-トロイ図書館:Book Burning Party- Troy Library>

vimeo.com

<ビデオ和訳>

ナレーション:かつて、図書館があった。そこは美しく賑やかで、賞を獲得するような素晴らしい場所だった。しかし不幸なことに、時代は厳しかった。ミシガン州のトロイ市には、その図書館を維持するだけの資金がなかった。そこで市は、維持するために税率のささやかなアップを人々に提案し、住民投票で決めることにした。

(文字:“税率0.7%上昇”)

これが「ティーパーティー(茶会党)」(保守派のポピュリスト運動のこと)と呼ばれる納税者グループの怒りに火をつけた。巧みに組織され、資金的にも潤沢な彼らは街中に「ノーと投票しよう」という看板を張り巡らし、フライヤーを送付し、街宣車を走らせた。これについての街の話題も彼らの意見が圧倒した。本来の論点である、図書館や本や読書の存続は、税金税金税金・・・というカネの話にすり替えられてしまった。

資金もなく、投票日までひと月を切った状況で、図書館は助けを求めていた。

彼らは「注意を引き」、「大胆で」、いうなれば「邪悪ですらある」アイデアを必要としていた。

そこで我々は、自分たちのグループを作ることにした。街中にこのような看板を張り巡らすことで。

「8月2日に、図書館を閉鎖するために投票しよう。“8月5日 本燃やしパーティ開催”」

本を燃やすというだけでも噴飯ものだが、それでパーティで行う、という暴挙が住民たちの堪忍袋を破裂させ、主催者のフェイスブックページにはたくさんの抗議の声が寄せられた。

市民の声A「あなたたちは病気だ」

市民の声B「最低だわ。こんなのに付き合わず、イエスと投票すべき。」

ナレーション:しかし我々はここで止まらなかった。我々はビデオを制作。

本燃やしパーティ「この2万倍の本を焼くぜ!最高だろ?」

ナレーション:ツイッターにも投稿。

本燃やしパーティ「トロイの図書館は資金はないかもしれないけど、燃やす本だけはたくさんあるよな」

ナレーション:オリジナルアイテムも販売。

本燃やしパーティ「本のバッグ。皮肉が効いてるだろ?」

ナレーション:さらに新聞にも開催告知を出し、会場予定地もシェア。フライヤーもばらまき(フライヤーの内容:本燃やしパーティに行く方、ベビーシッターします!)、余興のラインナップなども発表した。

市民C「バンドをよんだの?」

ナレーション:人々は激昂した。

市民たち「なんで本燃やすんだよ。間抜け。」「本当に最低!」「カスで低能。」「なんていうピー(放送禁止)なの?」などなど。

ナレーション:人々はリンクをポストし、友達にシェアした。そして図書館のあることのメリットや、本を燃やすことについての討論を繰り広げたのである。話はFacebookから市議会へ。新聞からテレビへ。ローカルから全国へ。そして世界的なニュースにまで拡散した。

そして論争が盛り上がったところで私たちは、このキャンペーンの本当の狙いをタネ明かししたのだ。「図書館にノーということは、本を燃やすことに投票するようなものです」と。

人々は再び、この種明かしについてポストやツイート。メディアも再び取り上げた。私たちは遂には、世論の流れを完全に変えることに成功したのだ。税金税金税金・・・というカネの話から、図書館図書館図書館・・・という本来の話へ。

そして投票当日。このような投票にはあまり参加しないとされる図書館支持層が予想を342%超える投票を行い、圧倒的大差で図書館の存続が決まった。

受賞をするような素晴らしい図書館は、救われたのだ。

すべてのこのような図書館がハッピーエンドを迎えられるわけではない。しかし少なくとも、トロイの図書館は救われたのである。

薬物戦争に終止符を打つのは、受け入れること?世界の権威による衝撃的提言をムービー化したキャンペーン:Global Commission on Drug Policy - The War on Drugo

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国境や時空を越え、今も人々の暮らしを揺るがし続ける薬物問題ですが、今回は昨年のカンヌ国際クリエーティブ祭で初めて見た時、あまりに革新的な提言内容のため理解しきれなかった衝撃的なオンラインムービーを訳してみましたのでご紹介します。

これはドラッグ戦争に実際に直面してきたメキシコやコロンビアの元大統領から国連総長、そしてなぜかヴァージン・グループの創始者リチャード・ブランソンまで、22人の世界的指導者や知識人から構成される「薬物政策国際委員会」なる団体が作った架空の国の物語なのですが、とにかく美しくスケール感のあるアニメーションで、最後まで思わず見てしまう仕上がりです。

ドラッグ(薬物)をもじった「ドラッゴ」というドラゴンと、かつて薬物戦争を仕掛け、失敗した様々な国の政府を象徴する「王国」の戦いはどんな道筋をたどるのか。そして22人の世界的指導者が提言する「これからのあるべき対麻薬政策」とは?世界の薬物問題に対するこれからのスタンスをおさえておく上でも、必見の良作です。

This is an impressive mythological movie which implies the past failure of the government against drug problems and advocates a better way to take control of them. Not only I was astonished by a message of this story, but also I was attracted by the art direction of this movie a lot.

<ドラッゴ戦争 - The War on Drugo>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

ナレーション:

昔々、とても強力な権力で王国を統治している王がいた。

その国には「ドラッゴ」と呼ばれるドラゴンがいた。

王国の市民たちはしばしばドラッゴと遊びふけった。しかし、中にはドラッゴと遊ぶことで現実逃避し、仕事や家庭を顧みなくなる人たちもいた。王は、罪を負うべきはドラッゴだと結論づけ、その討伐に打って出た。

やがてドラッゴは、王国最大の敵と位置づけられ、森の奥へと潜むことを余儀なくされた。

しかしドラッゴと遊びたがる市民は増える一方。いつしかそれに目をつけた武装集団が結成され、彼らに金を払わない限りはドラッゴと会うことは不可能になってしまった。

覇権をめぐる武装集団による犯罪や賄賂、訴訟が続発し、市民のドラッゴとの接触を一切禁じる法案が可決された。違反者は逮捕され、洞窟には囚人が溢れかえった。そこではドラッゴに依存していた人々を含む、多くの囚人たちが非人間的に扱われた。

王は大量の国宝をつぎ込み、ドラッゴとの全面戦争に打って出た。

そしてその時、人々は強く理解したのである。ドラッゴと戦えば戦うほど、それが強大になり、ギャングたちも残忍になっていくことに。

王国は暴力的な争いに震え上がった。そしてそれはやがて、周りの王国をも巻き込んでいった。戦争は40年以上に及び、数多くの死や貧困、破壊をもたらした。そして、王国の指導者たちはタブーを破ることにしたのである。

人々はついに、力や争いでは、ドラッゴを止めることができないことを理解しはじめたのだ。態度を変え、王国に受け入れることにすると、ドラッゴは昔の大きさに戻った。ギャングは影響力を失い、武器を置いた。

人々は恐怖に怯えることのない生活を取り戻した。ドラッゴを退治するために終わりのない戦争に巻き込まれていくよりも、ドラッゴに関するルールを守りながら生きていくほうが賢い選択であることを理解しながら。

この物語はここで終わらないし、また、全ての人が幸せに暮らしたわけでもない。ただ王国は気づいたのだ。ドラッゴのいない世界は絵空事かもしれないが、より暴力や犠牲の少ない世界は実現できることに。

<薬物政策国際委員会>

え、こんな場所で!?アルツハイマーの症状を疑似体験させたエクアドル発のソーシャルキャンペーン:The Brilliant Idea to Make People Experience the Symptoms of Alzheimer’s Disease with Wow

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今回ご紹介するのは少し昔、2011年の秋にエクアドルで行われたいわゆる「ドッキリもの」なのですが、この前たまたま見返す機会があり、いま見ても十分に驚きのある素晴らしいアイデアだなぁ、と思い翻訳してみることにしました。

人々の日常生活のルーチン上にある、思いもよらないところにサプライズを仕掛けることでメッセージを伝える…という手法には、5年を経てなおさまざまなヒントが隠されていると思います。

This idea was executed in Equador in 2011. Though this work is a little bit old one, it still has a lot of hints when it comes to coming up with something new and surprising.

Bubblegum on a shelf of sashimi. Raw beef next to Kleenex… If you were a customer in this place, I promise you would almost exactly experience what the patients of Alzheimer’s disease feel.

アルツハイマー体験-Alzheimer Experience>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

“2011年9月21日 朝6時

“国際アルツハイマーデーにちなんで”

“スーパーマーケット「ラ・エスパニョーラ」にて”

“私たちは、全ての商品を別の場所に置きかえた”

“お客さんが、いつもの場所に目当てのものを買いに行くと…”

“見つからない”

“我々はお客様に、アルツハイマーの症状を疑似体験してもらったのだ”

“そしてレジで種明かし。同時に、団体への寄付を募った”

“ただお金を集めるだけでなく”

“我々は何千もの人々に、この病気について立ち止まり、考えさせることに成功した”

女A「レジで説明してもらって、アルツハイマー症についてもっと知ってもらうために、財団が仕掛けたドッキリだということを知ったわ。アルツハイマーになるとどんな風になるかを理解できる、とても素晴らしい取り組みだと思います」

女性B「途方にくれたり、混乱したり、かかると実際に何がキツいかが体験できました」

女性C「素晴らしい取り組みだし、早く治療法が見つかればいいのに、と思います。みんなが力を合わせれば、きっとなんとかなると思います。」

エクアドル アルツハイマー財団>

「寛容」の素晴らしさを伝えるオーストラリアの大学の胸熱ムービー: A Compelling 90-Second Story from the University in Australia.

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実際に在学した、卒業生の入学にいたるまでの壮絶な人生を描いた実話をシンプルかつ、心が震える演出で描いた90秒の映像作品。世界中で知性が陵辱されていく中、知性の持つ前向きな力を、大学がこのような形で表明するのはとても心強く思います。厳密にいうと大学のPR用のコンテンツなので、このブログの趣旨からは外れた企画なのですが、このような気持ちを掻き立てるストーリーの活用も、社会を動かすには有効な手段ということで紹介させていただきます。

Based on a true story.

<デング・シアク・アダット 無限の決意 - Deng Thiak Adut Unlimited> 

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

ウェスタンシドニー大学が誇りとともに送る>

デング・アダット

卒業生

“6歳の頃、母親から引き離された”

“エチオピアまで33日、歩き続けた”

“反乱軍として戦わされた”

“12歳の時、背中を撃たれた”

スーダンから脱出”

国連が保護”

“ウエスタンシドニーが引き受けた”

“15歳の時に、文字を学んだ”

“自由を望み、車で暮らすことを選んだ”

“法律の学位は、彼に他人を守る力を与えた”

“デングの戦いは終わらない”

“デング・アダット 難民”→“デング・アダット 難民弁護士”

ウェスタンシドニー大学 無限の決意、楽天性、勇気>

 

ジカ熱にも有効?タイのスラム発の蚊を寄せ付けないキャンペーン : Blow up Mosquitos! – A Clever Idea to Avoid Dengue and Zika Fever

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昨年、国内でも感染が確認されたデング熱に続き、今年はジカ熱の拡大が懸念される状況ですが、両方の感染源として注目される「蚊」の撃退方法として、タイのスラム街で実施されたアイデアをご紹介します。

このアイデアでは、スラム中を自由に飛び回る蚊を追い出すために、同じくスラム中を自由に駆け回る「あるもの」を利用してしまいました。有効性についてはホントかなぁ?と思う点もあるものの、発想としてはかなりアリだと思います。

How to avoid mosquitos is becoming people’s common concern as dengue and zika fever spread all over the world. And this idea from Thailand, successfully blew up mosquitos by developing a tiny but clever device.

<MOTO虫よけ剤: MOTO REPELLENT>

vimeo.com

<ビデオ和訳>

タイトル:

“725,000人が毎年命を落としている。”

“蚊が原因で。”

“タイのスラム – 蚊の天国”

“今年はデング熱の患者が、207%上昇”

“効果的な予防策はあるが、すべての地域を網羅できない”

“では、何に頼る?”

バイクだ”

“まるで蚊のように、バイクもスラム中を駆け回る”

“紹介しよう”

“世界初・バイク用蚊フィルター <モト虫よけ剤>”

“この小さな装置には”

“天然の虫よけオイルが詰め込まれている”

“排気口に装着”

“排気熱により作動”

“効能半径:3メートルまで”

“今やバイクが走るところは、蚊がいないところとなった”

スラムのコミュニティ・コーディネーター:

「この装置はコミュニティの暮らしを変える可能性があります。

有毒性もなく、バイクはスラム中をどこでも走り回るわけですから。

このアイデアはまたすべての人に、コミュニティをよりよくする

チャンスを与えている、ともいえます。」

コミュニティの人々:

「クールだよ、効果もあるしね。」

「蚊の数も減ったわよ。」

「蚊が減ってホッとしています」

“スラムの2,000㎡をカバー”

“80,000以上の人々を守った”

“ひと乗りするだけの人命救助”

“<モト防虫剤>”

<ドアン・プラティープ財団>

蚊の撃退といえば、以下の2作品も参考になります。ぜひご覧ください。

Talking about blowing up mosquitos, these ideas are also unique and effective. Please have a look.

<Dengue Bottle‪>

こちらはペットボトルに入れた水に砂糖とイーストを入れることで蚊が好きな二酸化炭素を発生させて、蚊をおびき寄せる安価なキットを提供したフィリピン発の企画。

www.youtube.com

<SP Lager Mozzie Box> 

こちらは過去にもご紹介した、たき火のそばでビールを楽しむパプアニューギニアの人たちをマラリアから守るために、ビールの梱包用段ボールに虫除けの薬剤を吹き付けた企画(焚き火にくべて、虫よけにするというアイデアです)。

vimeo.com

いやはやアイデアは、無限ですな。

There is no limit in coming up with ideas!