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世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

SNSの動画フォーマットを活用して「見えない貧困」を可視化したカナダ発のキャンペーン:Salvation Army - Facebook 360 Photo

ドネーション イシューの認知向上 貧困対策 行動喚起

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今回は、ブログをお休みしていた昨年末に見つけて紹介したいなぁ、と思っていたアイデアをご案内いたします。日本でいう救世軍、サルベーションアーミーのカナダ支部が行なった、Facebookの360度パノラマ画像機能を活用したキャンペーンです。

2年前に映画「スターウォーズ フォースの覚醒」のプロモーションコンテンツとしてこの機能(動画と静止画の違いはありますが)を体験して以来、それをうまく使ったキャンペーンが意外と少ない気がしたのですが、これは救世軍が伝えたいメッセージと機能がきれいにつながっていて、素敵だなと思いました。

This is an idea which was executed during the holiday season last year, by the Salvation Army Canada. It adroitly connects the unique visual format of Facebook – 360 photo, with the message they want to appeal especially in the holiday season. Though it might be a bit modest, I like this idea since there have been not so many good works using this visual format effectively except for the promotional content for Star Wars VII, which was launched 2 years ago - “A long time ago”, seriously.

 

救世軍:Salvation Army - Facebook 360 Video>

vimeo.com

<ビデオ英訳>

「このホリデーシーズン、救世軍は人々に、貧困は必ずしも目に見える形では現れないことを知らせたいと考えていた」

「そこで我々は、ホリデーシーズンの隠された一面を、Facebookの360度パノラマ映像機能を使って明らかにすることにした」

「私たちの投稿は一見、単なるホリデーを祝う家族の挨拶画像に見える」

「しかしユーザーがこの画像に触れると、全く違う側面が見えてくるのだ」

(ユーザーが360度の画像を見回して、挨拶画像を取り囲む家族の生活環境が、決して恵まれていないことが分かった後「貧困は目に見えにくい。特にホリデーシーズンは。」というキャッチコピーと救世軍のロゴが表示される。これがバージョン違いで何度か繰り返される。)

「貧困は目に見えにくい。特にホリデーシーズンは」                                 

「このシーズン、救世軍カナダのウェブサイトで募金にご協力ください」

タイトル:今日に希望を – 救世軍

 

ちなみに、このアイデアを基づいたテレビや、ポスターも制作されているようです。以下にリンクを貼っておきますが、強いアイデアはフォーマットに関わりなく、様々なメディアに転用しやすいものなのかもしれませんね。

You can also check the TV commercial and some poster visuals for this campaign from this Adweek article.

<出典元:The Salvation Army’s Clever Facebook 360 Photos Show Poverty Lurking Just Out of View>

http://www.adweek.com/creativity/salvation-armys-clever-facebook-360-photos-show-poverty-lurking-just-out-view-174789/

 

また、冒頭に触れたスターウォーズの記事もつけておきます。

<参考資料「スターウォーズ フォースの覚醒プロモーション用360度パノラマ動画>

www.facebook.com

 

 

この視点は斬新!本棚に加えたひとひねりで男女格差のリアルを明示したキャンペーン:The best Idea for International Women's Day 2017

女性の権利 低予算 イシューの認知向上

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去る3月8日は「国際女性デー」ということで、日本を含む世界各地で様々な取り組みが行われましたら、今回はその中で自分が一番感心したアイデアをご紹介します。

アメリカはオハイオにある、ローガンベリー(Loganberry)という古本屋さんで行われた取り組みだそうなのですが、とても低予算で、男女の労働における格差を見事に訴えることに成功しました。一体、何をしたのかというと。。

まずは以下のリンクをクリックして、記事の写真を見てください。一目瞭然とは思いますが、どんな低予算でも、普段当たり前だと思い込んでいるものの視点を少しずらすだけで、世界中で話題になるようなキャンペーンにできてしまう。その模範のような事例で、企画者としてとても励みになりますよ。

This is the best idea for International Women's Day 2017 personally. Please check the English article below.

www.adweek.com

 記事の写真、ご覧いただけましたでしょうか?そうなんです、この古本屋さんは様々なジャンルの本の「著者」についての男女格差を明示するために、男性が著者の本の背表紙をくるりと全部、裏返してしまいました。するとどうでしょうか、本棚のほとんどが裏返ってしまい、使い物にならないショッキングな状態に。

「(女性たちの歴史月間でもあることにちなんで)女性の著者たちを讃える目的も兼ねて、男性の著者たちを黙らせて見ました」とは書店側のコメント。この取り組みがより大きな男女格差の問題についても深く考えるきっかけになれば、というのが書店側の思いだそうです。

ちなみに、男性風のペンネームを使っている女性の著作はそのままキープ。名前で判断できない場合は一人一人リサーチするなど、10万冊以上の古本屋、希少本を持つ古本屋だけに、必要最低限の手間はきちんとかけているようです。

「毎年何度も同じようなイベントをしても意味がないし、ただ問題に関連した本を読ませるだけでは不十分だと思いました」というのがこの企画の動機。健全な疑問を持つことで、制作費ほぼゼロのビッグアイデアにたどり着いてしまいました。実にあっぱれです。

 

<参考リンク>

手作り感が微笑ましいローガンベリーのFBページ(Loganberry’s Facebook page)

https://www.facebook.com/loganberrybooks/

こんなスローガンあり?〜人類共通のとある行動に目をつけたキャンペーン:The idea which changed the meaning of a “pee”

LGBT イシューの認知向上 コミュニティの改善・活性化 基本的人権 行動喚起

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去年の7月から久しぶりの更新です。仕事の拠点が東京からシンガポールに移ったのですが、異国での環境にも慣れましたし、世界情勢もかなり変わってしまいましたのでやはり「今こそアイデアの力だなぁ」ということでまた無理のない範囲でアップしていこうと思います。ブログ復帰の第一回目を飾るのは、毎度おなじみアメリカの大胆な意見広告です。いろいろ問題はありますが、意見が対立することを炎上という言葉でごまかさずにきちんとぶつかる文化、前向きです。

7 months have passed since I stopped this blog. During this period, the U.K. decided to move out of the EU and the Trump administration has started in the States. Aside from political opinions, everybody seems to feel that we need some fundamental changes in today’s world. This is the era that great idea is strongly needed and that’s the reason I restart this blog.

The first idea of my blog’s 2nd season is the one from the States. This idea tells us the importance of a slogan in social activities. Please enjoy and, pee.

 

<便座に座って、立ち向かおう。: Taking a seat, Making a stand.>

www.youtube.com

<以下和訳>

女性「テキサスの議会はSB6、トイレ法案を可決しようとしています。トランスジェンダーたちが、彼らのアイデンティティに合った性別のトイレを使うことを禁じる法案です」 

男性「この法案を食い止める方法はただ一つ」

男性「ソデをめくり上げて、パンツを下ろす。そしてLGBTと一緒にオシッコすることです」

 女性「便座に座ることで、この法案に立ち向かいましょう」

男性「おしっこシャー、が意思表明」

女性「なぜならこれは、プライバシーの問題でないからです」

女性「そして、自分たちでなんとかできる問題です」

教師「なぜならお金は子供たちがトイレでなく、学校に通えるように使われるべきだからです・・・ちょっと、廊下を走らないで!」

カウボーイ「それに法案を通すことは、フェミニンな仲間を差別することになっちまうからな」

男性「ボクみたいなね」

カウボーイ「その通り」

男性「SB6はテキサスのビジネスの脅威になります」

カウボーイ「そんで、しまいには(同じような法案を実際に通してビジネスが不調になったとみられる)ノースカロライナみたくなっちまうのさ」

みんな口々に:

「私はおしっこ、シャーします」

「シャーします」

「シャーします」

「シャーします」

男性「LGBTの人と一緒にね」

女性「なぜならおしっこしない人なんていないし、

誰にでも安全におしっこできる場所は必要だから」

 

タイトル:

それはプライバシーではなく、差別の問題。

 

一同「私はLGBTとシャーします。」

ロゴ<私はLGBTとシャーします。>

 

切り口いろいろ〜男女の賃金格差を訴えるソーシャルキャンペーン集:Clever ideas to appeal the gender pay gap

イシューの認知向上 女性の権利 行動喚起

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先日、世界中から素晴らしいアイデアが集まるカンヌ国際クリエーティビティ・フェスティバルに参加してまいりました。ほぼ一週間展示室にこもりきりで何百本ものアイデア紹介ビデオを見てまいりましたので、これからしばらくは、そこで発見した素晴らしい最新事例をご紹介できればと考えております。

I’ve just come back from Cannes lions – the Festival of Creativity in France. This year again, there were tons of thousands of great ideas from all over the world so, I’d love to show you some of them.

まず今回は、男女の賃金格差についての課題を扱ったニュージーランドの金融機関ANZと、アメリカの女性サポート団体AAUWからの事例をご紹介します。

First, the online films about “the gender pay gap” from New Zealand and the US. Please have a look.

<ポケットマネー:Pocket Money>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

#公平な未来

女の子A「もし私が総理なら、違法にするけど…」

タイトル:子供たちはお手伝いを頼まれた。

タイトル:そして女の子たちには、男の子より安いお駄賃が渡された。…まるで今のビジネス界と同じように。

女の子B「なんでこの子が5ドルもらえるの?」

大人「そういうものだから」

女の子C「(10ドルをもらった男のを横目に)…7ドル?」

タイトル:でも、これって公平?

女の子A「このままでいいわけないと思う、真剣に。変なことを言っているつもりでもないけど」

男の子A「男の子と女の子は同じ金額を渡されるべきだと思いました。50:50で…または、60:60。お駄賃が120ドルの場合はね」

女の子D「(金額は)どれぐらい頑張って働いたかによるべきだわ」

女の子C「同じ仕事をしたなら、同じ金額がもらえるべきだと思う」

女の子A「男の子のほうが、女の子よりもたくさんお金をもらえるなんてことは、公平でないと言いたいです」

女の子E「男の人も、女性よりも多くの金額をもらっているという事実に気づいているのだとしたら、声を上げるべきだと思います」

男の子A「大きくなったら、(この悪習を)変えてみせるつもりです。…もし覚えてたら」

女の子A「…あまりにおかしな話で言葉もないです」

タイトル:変革のために立ちあがろう。#公平な未来

ロゴマーク:<ANZ

 

<#新しい10ドル:#TheNew10>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

タイトル:

2020年、アメリカ財務省は女性の肖像を使った10ドル紙幣を発行するという。

財務省は人々に「#TheNew10(新10ドル)」というハッシュタグでデザインを募った。

すべては、100年に渡る性の平等を祝うために。

しかしアメリカの白人女性は未だ、男性の78%の賃金しか支払われていない。

アフリカ系女性は、63%。ラテン系に至っては、54%だ。

はたしてこれが平等といえるのだろうか?

#TheNew10(新10ドル)という象徴的な変化以上を求めよう。

FightForFairPay.org(賃金の平等のための闘争.org)

<AAUW>

ちなみにAAUWは、男女の賃金格差を「労働時間」におきかえた、こんな面白いムービーも作っています。和訳はつけませんが、ニュースキャスターも同じギャラなら男は先に帰っちゃうよ、ということです。

AAUW has also made another interesting online movie as below.

<男女賃金格差の悪いニュース:Bad News about the Gender Pay Gap>

www.youtube.com

一番評価が高く、受賞なども多数していたのは冒頭のANZの物でした。それはともかく、同じ課題に対して子供の口に語らせたり、お札で表現したり、または時間に置き換えたり。過去にも何度か書いてますが、やはり「アイデアは無限」ですね。そう考えると、自分でも何かいいアイデアが出せるのではないかと、前向きな気持ちになってきます。

From the perspective of winning awards, “Pocket Money” was more highly evaluated compared to the other AAUW works. However, these content proves that there are almost infinite ways of appealing even on the same subject. So, all we have to do is just to find a more effective-and -efficient way to appeal the message. Sounds simple and easy, isn’t it?

 

浜辺でビール!の裏にある課題に挑んだ、アメリカの小さなビール会社のグッドアイデア:Edible Six Pack Rings

イシューの根本的解決 イシューの認知向上 動物愛護 環境問題

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梅雨の先に待つ、浜辺の季節。浜辺でのプシュッ!にワクワクしている方も多いと思いますが、今回は缶ビールの6パックが引き起こしている環境問題の解決に乗り出した、小さなビール会社のアイデアをご紹介します。このアイデアはブランドとの親和性が高いだけでなく、ダビデゴリアテによく例えられますが、小さなブランドが自分を大きく見せるために「大手ブランドを同じ土俵に立たせる」というマーケティング手法にも則っていて、非常に効果的な企業キャンペーンにもなっていると思いました。日本のビールメーカーの6缶パックは紙製であることが多いのでこのような問題は起きにくいのですが、業種を問わず、企業がソーシャル・イシューに取り組む際の良いアプローチ事例ということでご参考いただければと思います。

This idea is super-clever. It is relevant to the brand, and at the same time, it makes this brand look bigger and nicer by calling other major beer brands to join their innovative attempt based on goodwill. Applause!

<食べられる6缶パックリング:Edible Six Pack Rings>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

ナレーション&タイトル:

アメリカ人は昨年、63億ガロンのビールを消費し、その半分は缶ビールだった。

その6缶パックを束ねるためのリングの多くは使用後、海を漂うことになる。

海洋生物学者「世界中でおよそ100万羽の海鳥や何千何百もの海洋性哺乳動物、ウミガメがリングにはまってしまったり、食べてしまったりして命を落としています」

漁師「リングを切れば十分だと思っている人が多いんだけど、結局鳥やカメは食べて死んじゃうんだよ」

ナレーション:海の命を救うために。我々は、我々のメインターゲットであるサーファーや漁師、海を愛する人々の心にも響く施策を始めることにした。

ソルトウォーター・ブルワリー提供:

<食べられる6缶パックリング>

海の生き物たちを殺してしまう代わりに、彼らの栄養になる6缶パックリング。我々はこれを、ビールの醸造過程で発生する大麦や小麦から製造し、プラスチックの代わりになるだけでなく、海の生き物たちが食べられるものに仕立てたのだ。

技術責任者「自然の力で100%分解可能で堆肥にもなり、食べられるだけでなく、同時に6缶の重さをしっかりとホールドし、持ち運べる強さも必要なのです」

ナレーション:我々はこの6缶パックのリングを、あらゆる小売の現場に展開した。

女性「いいビールだし、海にもいいし、素敵なブランドよね」

男性「こんなにいい取り組みをしてくれるなら、少しぐらい値上げしたとしても買い続けるよ」

男性「大手のビール会社もこの取り組みを見習うべきだと思う」

男性「俺が食えるなら、カメでも食えるってことなんだな」

男性「なぁベイビー、ビールを楽しんで、海を守れちゃうってことなんだぜ。フッフッフッ」

ナレーション&タイトル:

これはビール業界で初めて実施された、100%生物分解が可能で、しかも食べられる6缶パックリング。

この技術は、既存の6缶パックリングとかわらぬ耐久性をもつ、効率的なものだ。

もしこの技術を他のクラフトビールや、もっと大きなビール会社が採用したら、その製造コストは下がり、今の6缶パックにかかるコストと変わらない、とても競争力のあるものになることだろう。

しかもその結果は、海に住む何千何百もの動物の命を救うことにつながるのだ。

ソルトウォーター・ブルワリー ブランド責任者「これは僕らのようなサーファーや漁師、海を愛する人々に支持されているブルワリーには大きな投資でした」

ソルトウォーター・ブルワリー 社長「私たちは(この取り組みにより)大きなビールブランドに影響を与え、ある意味インスパイアすることで、「海の命を守る」という航海に共に繰り出せればと考えています」

“食べられる6缶パックリング”

<ソルトウォーター・ブルワリー>

 

え、ソコ!?思いがけないところに潜む、女性への差別意識を明らかにしたキャンペーン /「世界を幸せにする広告」展より : ‪The Autocomplete Truth‬‬

イシューの認知向上 低予算 基本的人権 女性の権利 教育問題 行動喚起

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先日、私の会社の地下にあるアド・ミュージアム東京にて開催中の「世界を幸せにする広告」展に行ってまいりました。世界のソーシャルグッドな広告やキャンペーンおよそ80例を、「人権」や「医療」、「格差」などの7つに分類して和訳〜展示してくれているこの展示は、このブログをお読みいただいている皆様になら、きっとお役に立つこと間違いなし(しかも無料!)。しっかり見ると2~3時間はかかるので、お時間に余裕をもってぜひ足を運んでみてください。今回はその中からピックアップした、性格差解消のための国連機関、UNウィメンによる素晴らしいアイデアをご紹介します。彼らは私たちが日頃当たり前のように使っているグーグル検索のある機能に目をつけました。では、ご覧ください。

Last week, I paid a visit to Advertising Museum Tokyo at the basement of my office and found the special exhibition “Ads for a better society” truly worth watching. You can check almost 80 masterpieces of so-called ‘social good campaign’ from all over the world, which are all categorized into 7 areas like human rights, healthcare, inequality and so on. It will take 2~3 hours if you watch each case film one by one, but I promise you and your friends can enjoy here anyway because there are also many historically unique advertisements of Japan.

Here, I’d like to introduce a great campaign by UN women, which I found at this special exhibition.

<オートコンプリート機能の真実:‪The Autocomplete Truth‬‬>

www.youtube.com

<ビデオ概訳>

女性1「女性は出しゃばるべきではない」

女性2「奴隷であるべきだ」

女性3「女性は束縛される必要がある」

(中国語)タイトル:”女性は家にいるべきだ”

アラビア語?)

女性「今週始まった、UNウィメンによる新しい広告キャンペーンは、ここ何十年の世界的動きにもかかわらず変わらない事実を暴いています」

男性「女性への差別や偏見、性差による不平等は未だに存在しているのです」

女性「これは、(とある単語を打つと、それと組み合わされて検索されることが多い単語を自動的にいくつか表示してくれる)グーグル検索のオートコンプリートで実際に現れる、実際の文字列なのです。」

男性「それらの単語は、あたかも女性の口をふさぐようにレイアウトされています」

男性「オンラインでの検索が、この社会に住む私たちの問題について暴きだすかもしれません」

男性「グーグルで検索すると、あなた自身のスタンスが問われることになるのです」

タイトル:”女性は投票すべきでない” ”女性は容姿がすべてであり、意見は聞くべきでない”等

女性「これらは本当に表示されるものです…。作られたものではありません」

女性「人々は#womenshouldを立ち上げて、議論を繰り広げています」

男性「オンラインの世界はまさに、UNの白熱した公開討論の場と化しています」

女性「オートコンプリートの真実は世界中のヘッドラインをにぎわし、バイラルなセンセーションを巻き起こしています」

女性「人々や様々な組織が、広告にちなんだオリジナルバージョンを公開し始めています」

男性「性差別についての議論にまだ加わっていなかったとしても、(UNウィメンがキャンペーンの一環として作った)このウェブムービーを見れば、参加したくなるかもしれません」

女性「10歳と11歳の子供たちが教室で性差別についての討論を繰り広げています。教育の現場にも影響を与えている、といえるでしょう」

男性「これは本当にショッキングな出来事です。すべてが事実で、バイラルの発生源なのです」

タイトル:2013年に、最もシェアされた広告~ アド・ウィーク

男性「この広告はどんな形にも応用でき、どこにでも拡散できる画像でもあるのです。」

タイトル:ツイッター上のインプレッション 2億2,400万件

男性「これらは本当に素早く、人々に態度変容を促す試みです。素晴らしい…」

タイトル:全世界でのインプレッション 12億件

男性「これはUNウィメンという、1組織の単なる広告キャンペーンではありません。人々がお互いを理解しあうきっかけとなるもので、より大きく、力強い目的に貫かれた試みだといえるでしょう」

タイトル:今年一番のソーシャルグッド・キャペーン ~ アド・カウンシル

“オートコンプリート機能が暴く真実 ~ 議論の扉は開け放たれた”

<UNウィメン>

 

「世界を幸せにする広告」展の開催期間は、2016年7月30日(土)までです。

“Ads for a better society” at Advertising Museum Tokyo will end on July 30, 2016.

http://www.admt.jp/exhibition/program/2016_forgood.html

毒をもって毒を制す。炎上を操り、見事図書館を守り抜いたソーシャルキャンペーン:Book Burning Party- Troy Library

イシューの根本的解決 コミュニティの改善・活性化 教育問題 行動喚起

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誰もが(比較的)対等に意見をぶつけ合うことができる現代のデジタル社会。でもそれは同時に、ドナルド・トランプさんの事例を見れば分かる通り、知的な議論が極端だったり、粗暴だったりする論者たちによって妨げられ、論旨をすり替えられやすい社会でもあります。

では、声の大きなものによって論旨がすり替えられ、議論が本質的でなくなってしまった場合、私たちはどう立ち向かうべきでしょう。

ネットで巻き起こる論調には、ネットの話法で立ち向かうことが一番、ということで今回はアメリカミシガン州のトロイ市にて行われた「炎上覚悟」のソーシャルキャンペーンをご紹介します。

日本ではここまで露骨にやると逆炎上も起きそうですが、基本的なキャンペーンの構造は参考になると思いますよ。

An award-winning campaign which used social media in a very, very clever way to save a local public library in Michigan, USA. Facing a challenge from the “Tea Party” people who tried to close down the library, this library audaciously fought fire with fire. This case tells us a lot about how to survive in this digital age.  

<本燃やしパーティ-トロイ図書館:Book Burning Party- Troy Library>

vimeo.com

<ビデオ和訳>

ナレーション:かつて、図書館があった。そこは美しく賑やかで、賞を獲得するような素晴らしい場所だった。しかし不幸なことに、時代は厳しかった。ミシガン州のトロイ市には、その図書館を維持するだけの資金がなかった。そこで市は、維持するために税率のささやかなアップを人々に提案し、住民投票で決めることにした。

(文字:“税率0.7%上昇”)

これが「ティーパーティー(茶会党)」(保守派のポピュリスト運動のこと)と呼ばれる納税者グループの怒りに火をつけた。巧みに組織され、資金的にも潤沢な彼らは街中に「ノーと投票しよう」という看板を張り巡らし、フライヤーを送付し、街宣車を走らせた。これについての街の話題も彼らの意見が圧倒した。本来の論点である、図書館や本や読書の存続は、税金税金税金・・・というカネの話にすり替えられてしまった。

資金もなく、投票日までひと月を切った状況で、図書館は助けを求めていた。

彼らは「注意を引き」、「大胆で」、いうなれば「邪悪ですらある」アイデアを必要としていた。

そこで我々は、自分たちのグループを作ることにした。街中にこのような看板を張り巡らすことで。

「8月2日に、図書館を閉鎖するために投票しよう。“8月5日 本燃やしパーティ開催”」

本を燃やすというだけでも噴飯ものだが、それでパーティで行う、という暴挙が住民たちの堪忍袋を破裂させ、主催者のフェイスブックページにはたくさんの抗議の声が寄せられた。

市民の声A「あなたたちは病気だ」

市民の声B「最低だわ。こんなのに付き合わず、イエスと投票すべき。」

ナレーション:しかし我々はここで止まらなかった。我々はビデオを制作。

本燃やしパーティ「この2万倍の本を焼くぜ!最高だろ?」

ナレーション:ツイッターにも投稿。

本燃やしパーティ「トロイの図書館は資金はないかもしれないけど、燃やす本だけはたくさんあるよな」

ナレーション:オリジナルアイテムも販売。

本燃やしパーティ「本のバッグ。皮肉が効いてるだろ?」

ナレーション:さらに新聞にも開催告知を出し、会場予定地もシェア。フライヤーもばらまき(フライヤーの内容:本燃やしパーティに行く方、ベビーシッターします!)、余興のラインナップなども発表した。

市民C「バンドをよんだの?」

ナレーション:人々は激昂した。

市民たち「なんで本燃やすんだよ。間抜け。」「本当に最低!」「カスで低能。」「なんていうピー(放送禁止)なの?」などなど。

ナレーション:人々はリンクをポストし、友達にシェアした。そして図書館のあることのメリットや、本を燃やすことについての討論を繰り広げたのである。話はFacebookから市議会へ。新聞からテレビへ。ローカルから全国へ。そして世界的なニュースにまで拡散した。

そして論争が盛り上がったところで私たちは、このキャンペーンの本当の狙いをタネ明かししたのだ。「図書館にノーということは、本を燃やすことに投票するようなものです」と。

人々は再び、この種明かしについてポストやツイート。メディアも再び取り上げた。私たちは遂には、世論の流れを完全に変えることに成功したのだ。税金税金税金・・・というカネの話から、図書館図書館図書館・・・という本来の話へ。

そして投票当日。このような投票にはあまり参加しないとされる図書館支持層が予想を342%超える投票を行い、圧倒的大差で図書館の存続が決まった。

受賞をするような素晴らしい図書館は、救われたのだ。

すべてのこのような図書館がハッピーエンドを迎えられるわけではない。しかし少なくとも、トロイの図書館は救われたのである。