世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

毒をもって毒を制す。炎上を操り、見事図書館を守り抜いたソーシャルキャンペーン:Book Burning Party- Troy Library

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誰もが(比較的)対等に意見をぶつけ合うことができる現代のデジタル社会。でもそれは同時に、ドナルド・トランプさんの事例を見れば分かる通り、知的な議論が極端だったり、粗暴だったりする論者たちによって妨げられ、論旨をすり替えられやすい社会でもあります。

では、声の大きなものによって論旨がすり替えられ、議論が本質的でなくなってしまった場合、私たちはどう立ち向かうべきでしょう。

ネットで巻き起こる論調には、ネットの話法で立ち向かうことが一番、ということで今回はアメリカミシガン州のトロイ市にて行われた「炎上覚悟」のソーシャルキャンペーンをご紹介します。

日本ではここまで露骨にやると逆炎上も起きそうですが、基本的なキャンペーンの構造は参考になると思いますよ。

An award-winning campaign which used social media in a very, very clever way to save a local public library in Michigan, USA. Facing a challenge from the “Tea Party” people who tried to close down the library, this library audaciously fought fire with fire. This case tells us a lot about how to survive in this digital age.  

<本燃やしパーティ-トロイ図書館:Book Burning Party- Troy Library>

vimeo.com

<ビデオ和訳>

ナレーション:かつて、図書館があった。そこは美しく賑やかで、賞を獲得するような素晴らしい場所だった。しかし不幸なことに、時代は厳しかった。ミシガン州のトロイ市には、その図書館を維持するだけの資金がなかった。そこで市は、維持するために税率のささやかなアップを人々に提案し、住民投票で決めることにした。

(文字:“税率0.7%上昇”)

これが「ティーパーティー(茶会党)」(保守派のポピュリスト運動のこと)と呼ばれる納税者グループの怒りに火をつけた。巧みに組織され、資金的にも潤沢な彼らは街中に「ノーと投票しよう」という看板を張り巡らし、フライヤーを送付し、街宣車を走らせた。これについての街の話題も彼らの意見が圧倒した。本来の論点である、図書館や本や読書の存続は、税金税金税金・・・というカネの話にすり替えられてしまった。

資金もなく、投票日までひと月を切った状況で、図書館は助けを求めていた。

彼らは「注意を引き」、「大胆で」、いうなれば「邪悪ですらある」アイデアを必要としていた。

そこで我々は、自分たちのグループを作ることにした。街中にこのような看板を張り巡らすことで。

「8月2日に、図書館を閉鎖するために投票しよう。“8月5日 本燃やしパーティ開催”」

本を燃やすというだけでも噴飯ものだが、それでパーティで行う、という暴挙が住民たちの堪忍袋を破裂させ、主催者のフェイスブックページにはたくさんの抗議の声が寄せられた。

市民の声A「あなたたちは病気だ」

市民の声B「最低だわ。こんなのに付き合わず、イエスと投票すべき。」

ナレーション:しかし我々はここで止まらなかった。我々はビデオを制作。

本燃やしパーティ「この2万倍の本を焼くぜ!最高だろ?」

ナレーション:ツイッターにも投稿。

本燃やしパーティ「トロイの図書館は資金はないかもしれないけど、燃やす本だけはたくさんあるよな」

ナレーション:オリジナルアイテムも販売。

本燃やしパーティ「本のバッグ。皮肉が効いてるだろ?」

ナレーション:さらに新聞にも開催告知を出し、会場予定地もシェア。フライヤーもばらまき(フライヤーの内容:本燃やしパーティに行く方、ベビーシッターします!)、余興のラインナップなども発表した。

市民C「バンドをよんだの?」

ナレーション:人々は激昂した。

市民たち「なんで本燃やすんだよ。間抜け。」「本当に最低!」「カスで低能。」「なんていうピー(放送禁止)なの?」などなど。

ナレーション:人々はリンクをポストし、友達にシェアした。そして図書館のあることのメリットや、本を燃やすことについての討論を繰り広げたのである。話はFacebookから市議会へ。新聞からテレビへ。ローカルから全国へ。そして世界的なニュースにまで拡散した。

そして論争が盛り上がったところで私たちは、このキャンペーンの本当の狙いをタネ明かししたのだ。「図書館にノーということは、本を燃やすことに投票するようなものです」と。

人々は再び、この種明かしについてポストやツイート。メディアも再び取り上げた。私たちは遂には、世論の流れを完全に変えることに成功したのだ。税金税金税金・・・というカネの話から、図書館図書館図書館・・・という本来の話へ。

そして投票当日。このような投票にはあまり参加しないとされる図書館支持層が予想を342%超える投票を行い、圧倒的大差で図書館の存続が決まった。

受賞をするような素晴らしい図書館は、救われたのだ。

すべてのこのような図書館がハッピーエンドを迎えられるわけではない。しかし少なくとも、トロイの図書館は救われたのである。

薬物戦争に終止符を打つのは、受け入れること?世界の権威による衝撃的提言をムービー化したキャンペーン:Global Commission on Drug Policy - The War on Drugo

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国境や時空を越え、今も人々の暮らしを揺るがし続ける薬物問題ですが、今回は昨年のカンヌ国際クリエーティブ祭で初めて見た時、あまりに革新的な提言内容のため理解しきれなかった衝撃的なオンラインムービーを訳してみましたのでご紹介します。

これはドラッグ戦争に実際に直面してきたメキシコやコロンビアの元大統領から国連総長、そしてなぜかヴァージン・グループの創始者リチャード・ブランソンまで、22人の世界的指導者や知識人から構成される「薬物政策国際委員会」なる団体が作った架空の国の物語なのですが、とにかく美しくスケール感のあるアニメーションで、最後まで思わず見てしまう仕上がりです。

ドラッグ(薬物)をもじった「ドラッゴ」というドラゴンと、かつて薬物戦争を仕掛け、失敗した様々な国の政府を象徴する「王国」の戦いはどんな道筋をたどるのか。そして22人の世界的指導者が提言する「これからのあるべき対麻薬政策」とは?世界の薬物問題に対するこれからのスタンスをおさえておく上でも、必見の良作です。

This is an impressive mythological movie which implies the past failure of the government against drug problems and advocates a better way to take control of them. Not only I was astonished by a message of this story, but also I was attracted by the art direction of this movie a lot.

<ドラッゴ戦争 - The War on Drugo>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

ナレーション:

昔々、とても強力な権力で王国を統治している王がいた。

その国には「ドラッゴ」と呼ばれるドラゴンがいた。

王国の市民たちはしばしばドラッゴと遊びふけった。しかし、中にはドラッゴと遊ぶことで現実逃避し、仕事や家庭を顧みなくなる人たちもいた。王は、罪を負うべきはドラッゴだと結論づけ、その討伐に打って出た。

やがてドラッゴは、王国最大の敵と位置づけられ、森の奥へと潜むことを余儀なくされた。

しかしドラッゴと遊びたがる市民は増える一方。いつしかそれに目をつけた武装集団が結成され、彼らに金を払わない限りはドラッゴと会うことは不可能になってしまった。

覇権をめぐる武装集団による犯罪や賄賂、訴訟が続発し、市民のドラッゴとの接触を一切禁じる法案が可決された。違反者は逮捕され、洞窟には囚人が溢れかえった。そこではドラッゴに依存していた人々を含む、多くの囚人たちが非人間的に扱われた。

王は大量の国宝をつぎ込み、ドラッゴとの全面戦争に打って出た。

そしてその時、人々は強く理解したのである。ドラッゴと戦えば戦うほど、それが強大になり、ギャングたちも残忍になっていくことに。

王国は暴力的な争いに震え上がった。そしてそれはやがて、周りの王国をも巻き込んでいった。戦争は40年以上に及び、数多くの死や貧困、破壊をもたらした。そして、王国の指導者たちはタブーを破ることにしたのである。

人々はついに、力や争いでは、ドラッゴを止めることができないことを理解しはじめたのだ。態度を変え、王国に受け入れることにすると、ドラッゴは昔の大きさに戻った。ギャングは影響力を失い、武器を置いた。

人々は恐怖に怯えることのない生活を取り戻した。ドラッゴを退治するために終わりのない戦争に巻き込まれていくよりも、ドラッゴに関するルールを守りながら生きていくほうが賢い選択であることを理解しながら。

この物語はここで終わらないし、また、全ての人が幸せに暮らしたわけでもない。ただ王国は気づいたのだ。ドラッゴのいない世界は絵空事かもしれないが、より暴力や犠牲の少ない世界は実現できることに。

<薬物政策国際委員会>

え、こんな場所で!?アルツハイマーの症状を疑似体験させたエクアドル発のソーシャルキャンペーン:The Brilliant Idea to Make People Experience the Symptoms of Alzheimer’s Disease with Wow

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今回ご紹介するのは少し昔、2011年の秋にエクアドルで行われたいわゆる「ドッキリもの」なのですが、この前たまたま見返す機会があり、いま見ても十分に驚きのある素晴らしいアイデアだなぁ、と思い翻訳してみることにしました。

人々の日常生活のルーチン上にある、思いもよらないところにサプライズを仕掛けることでメッセージを伝える…という手法には、5年を経てなおさまざまなヒントが隠されていると思います。

This idea was executed in Equador in 2011. Though this work is a little bit old one, it still has a lot of hints when it comes to coming up with something new and surprising.

Bubblegum on a shelf of sashimi. Raw beef next to Kleenex… If you were a customer in this place, I promise you would almost exactly experience what the patients of Alzheimer’s disease feel.

アルツハイマー体験-Alzheimer Experience>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

“2011年9月21日 朝6時

“国際アルツハイマーデーにちなんで”

“スーパーマーケット「ラ・エスパニョーラ」にて”

“私たちは、全ての商品を別の場所に置きかえた”

“お客さんが、いつもの場所に目当てのものを買いに行くと…”

“見つからない”

“我々はお客様に、アルツハイマーの症状を疑似体験してもらったのだ”

“そしてレジで種明かし。同時に、団体への寄付を募った”

“ただお金を集めるだけでなく”

“我々は何千もの人々に、この病気について立ち止まり、考えさせることに成功した”

女A「レジで説明してもらって、アルツハイマー症についてもっと知ってもらうために、財団が仕掛けたドッキリだということを知ったわ。アルツハイマーになるとどんな風になるかを理解できる、とても素晴らしい取り組みだと思います」

女性B「途方にくれたり、混乱したり、かかると実際に何がキツいかが体験できました」

女性C「素晴らしい取り組みだし、早く治療法が見つかればいいのに、と思います。みんなが力を合わせれば、きっとなんとかなると思います。」

エクアドル アルツハイマー財団>

「寛容」の素晴らしさを伝えるオーストラリアの大学の胸熱ムービー: A Compelling 90-Second Story from the University in Australia.

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実際に在学した、卒業生の入学にいたるまでの壮絶な人生を描いた実話をシンプルかつ、心が震える演出で描いた90秒の映像作品。世界中で知性が陵辱されていく中、知性の持つ前向きな力を、大学がこのような形で表明するのはとても心強く思います。厳密にいうと大学のPR用のコンテンツなので、このブログの趣旨からは外れた企画なのですが、このような気持ちを掻き立てるストーリーの活用も、社会を動かすには有効な手段ということで紹介させていただきます。

Based on a true story.

<デング・シアク・アダット 無限の決意 - Deng Thiak Adut Unlimited> 

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

ウェスタンシドニー大学が誇りとともに送る>

デング・アダット

卒業生

“6歳の頃、母親から引き離された”

“エチオピアまで33日、歩き続けた”

“反乱軍として戦わされた”

“12歳の時、背中を撃たれた”

スーダンから脱出”

国連が保護”

“ウエスタンシドニーが引き受けた”

“15歳の時に、文字を学んだ”

“自由を望み、車で暮らすことを選んだ”

“法律の学位は、彼に他人を守る力を与えた”

“デングの戦いは終わらない”

“デング・アダット 難民”→“デング・アダット 難民弁護士”

ウェスタンシドニー大学 無限の決意、楽天性、勇気>

 

ジカ熱にも有効?タイのスラム発の蚊を寄せ付けないキャンペーン : Blow up Mosquitos! – A Clever Idea to Avoid Dengue and Zika Fever

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昨年、国内でも感染が確認されたデング熱に続き、今年はジカ熱の拡大が懸念される状況ですが、両方の感染源として注目される「蚊」の撃退方法として、タイのスラム街で実施されたアイデアをご紹介します。

このアイデアでは、スラム中を自由に飛び回る蚊を追い出すために、同じくスラム中を自由に駆け回る「あるもの」を利用してしまいました。有効性についてはホントかなぁ?と思う点もあるものの、発想としてはかなりアリだと思います。

How to avoid mosquitos is becoming people’s common concern as dengue and zika fever spread all over the world. And this idea from Thailand, successfully blew up mosquitos by developing a tiny but clever device.

<MOTO虫よけ剤: MOTO REPELLENT>

vimeo.com

<ビデオ和訳>

タイトル:

“725,000人が毎年命を落としている。”

“蚊が原因で。”

“タイのスラム – 蚊の天国”

“今年はデング熱の患者が、207%上昇”

“効果的な予防策はあるが、すべての地域を網羅できない”

“では、何に頼る?”

バイクだ”

“まるで蚊のように、バイクもスラム中を駆け回る”

“紹介しよう”

“世界初・バイク用蚊フィルター <モト虫よけ剤>”

“この小さな装置には”

“天然の虫よけオイルが詰め込まれている”

“排気口に装着”

“排気熱により作動”

“効能半径:3メートルまで”

“今やバイクが走るところは、蚊がいないところとなった”

スラムのコミュニティ・コーディネーター:

「この装置はコミュニティの暮らしを変える可能性があります。

有毒性もなく、バイクはスラム中をどこでも走り回るわけですから。

このアイデアはまたすべての人に、コミュニティをよりよくする

チャンスを与えている、ともいえます。」

コミュニティの人々:

「クールだよ、効果もあるしね。」

「蚊の数も減ったわよ。」

「蚊が減ってホッとしています」

“スラムの2,000㎡をカバー”

“80,000以上の人々を守った”

“ひと乗りするだけの人命救助”

“<モト防虫剤>”

<ドアン・プラティープ財団>

蚊の撃退といえば、以下の2作品も参考になります。ぜひご覧ください。

Talking about blowing up mosquitos, these ideas are also unique and effective. Please have a look.

<Dengue Bottle‪>

こちらはペットボトルに入れた水に砂糖とイーストを入れることで蚊が好きな二酸化炭素を発生させて、蚊をおびき寄せる安価なキットを提供したフィリピン発の企画。

www.youtube.com

<SP Lager Mozzie Box> 

こちらは過去にもご紹介した、たき火のそばでビールを楽しむパプアニューギニアの人たちをマラリアから守るために、ビールの梱包用段ボールに虫除けの薬剤を吹き付けた企画(焚き火にくべて、虫よけにするというアイデアです)。

vimeo.com

いやはやアイデアは、無限ですな。

There is no limit in coming up with ideas!

広がるおもちゃの多様性〜レゴとバービー、そして「ヒジャビー」:Toys and Diversity - Lego, Barbie and "Hijarbie"

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さる1月27日、子供たちに大人気のレゴブロックが「車椅子に乗った少年」の人形が入ったブロックのセットを夏に発売することを発表しました。以下の公式ファンサイトによると、このようにハンディキャップを持つ人がレゴの人形として販売されるのは初めてだそうです。

これは、おもちゃを通じて障害を持つ子供たちに自尊心を持ってもらおうと活動している民間団体「Toy Like Me」の問いかけに答えたものだそうで、記事には「世界的おもちゃメーカーとして、(世界に1億5千万人いるといわれる)障害を持つ子供たちの存在をポジティブに商品へ反映させることが大事だと考えた」という趣旨のコメントが記されています。

On January 27, Lego posted on their fansite that they would release their first wheelchair-using minifigure this summer. They decided to take this step to comply with a request from a social online campaign group, “Toy Like Me”.

bricksfans.com

「おもちゃの人形に自分に似たキャラクターを反映させることで、子供たちが遊びながら自尊心をもてるようにしよう」という流れは世界的潮流となっているようで、バービー人形で有名なマテル社も今年は、これまでの「白い肌・八頭身&ブロンド」というワンパターンをやめ、世界の多種多様な人種、スタイルを反映した23種類のバービー人形を発売することを発表しました。

In addition to this Lego’s case, it is now becoming this year’s trend for toy manufacturers to bring diversity into their products, aiming sound growth of self-confidence in children’s mind. Have a look at the case of Barbie dolls below.

www.adweek.com

上の記事によると、この新しいバービー人形は8種類の皮膚の色、14種類の顔の作り、22種類のヘアスタイル、23種類の髪の色、そして18種類の瞳の色を使っていて、身長にも差があるようです。そして特筆すべきは、足首も曲げられるようになった、という点。つまり販売開始から56年、バービー人形はついにヒールのない靴でも履けるようになったのです!(詳しくは子供向けの以下のムービーをご覧ください)。

From a YouTube movie below, you can check amazing figures of “Barbie 2016”. They are finally allowed to "move their ankles and wear flats!"

www.youtube.com

そしてちょうど、このバービー人形のニュースに前後してインスタグラムで話題になっているのが、ナイジェリアの女性医学者ハニーファ・アダムさんが立ち上げたアカウント「@Hijarbie (ヒジャビー)」での試み。ヒジャブをファッショナブルに着こなすバービー人形の素敵な写真を次々アップしています。異教徒からは女性抑圧の象徴とも捉えられがちなヒジャブですが、彼女曰く、多くの女性にとってヒジャブは自分のアイデンティティを示すものであり、この試みを通じて、イスラムの女性に対するいくつかの間違った見方をポジティブに変えていきたい、ということです。

Talking of Barbie dolls, I strongly recommend that you also check the instagram account “hijarbie”. You will see hundreds of exotic pictures of Barbie with a hijab on her head. This “Muslim Barbie” was created by a Nigerian medical scientist, Haneefa Adam and she wants to correct “some misconceptions” about Muslim women in the world, by showing an attractive side of Hijab.

うん、確かに素敵です。

Check beautiful pictures of “Hijarbie” below.

www.buzzfeed.com

よく考えるとおもちゃはまだまっさらな子供の心に、世の中の見方を最初にインストールする、大切な存在です。堅苦しいメッセージを頭で考えないとわかってくれなくなる前に、世の中を楽しく見るためのメッセージをおもちゃにさりげなく込めるのも、長期的に見ればかなり効果的な手法だと思いました。

日本のおもちゃメーカーがこれらの動きにいつ・どう乗るのか、はたまた乗らないのか。しばらく興味深く見てみようと思います。

Playing with toys gives a lot of viewpoints about the world to children. I’d love to welcome these toy makers' efforts  to bring diversity into their product lineup.

 

 

これなら行くかも。献血促進のため「行列」に目をつけたブラジル発のソーシャルキャンペーン:Solidarity Queue

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いやぁ、寒いですね。寒い冬は、献血する人が減る傾向にあるそうです。ということで今回はブラジルで行われた、とても効果的な献血促進キャンペーンをご紹介します。針に刺されて、時間もかかる‥ということでどうしても「気乗りのしない作業」として位置づけられてしまいがちな献血。しかしこのキャンペーンでは暮らしの中でもっとも不毛な時間に目をつけ、そこに献血の機会を持ち込むことで「ならやってみようかしら」と人々の心と体を動かしました。解説ビデオを見て「これなら自分もやるかも」と思った皆さま、このアイデアに免じて献血に出かけてみてはいかがでしょうか?

This is a smart idea from Brazil. They’ve created a new and intriguing channel for a blood donation in one of the most wasteful scenes of our life, a queue. This idea can be adapted anywhere in the world. Very effective and practical, isn’t it?

<連帯の行列:Solidarity Queue>

vimeo.com

<ビデオ和訳>

市民「献血はしないわねぇ、時間がないから。」

市民「毎日忙しいから、献血する暇がないんです。週末でもね。」

ナレーター:これらは献血をしない人たちの、典型的な言い訳。そしてこれが献血をしない理由だとしたら、サンパウロの街は、解決の糸口となりうる課題を抱えていた。人口2000万人というこのブラジル最大の都市にはレジャーが少なく、それを楽しむためには長い行列に並ばなければならなかった。

キャスター「ラ・ティン・バン城展への行列がぐるりと会場を取り囲んでいます。」「かなりの忍耐が必要だったようです。」

市民「2時間並んだわ!」

ナレーター:そこで我々が考案したのが「連帯の行列」。

ピカソ展 2時間待ちの行列>

ナレーター:行列に並ぶ無駄な待ち時間を、献血にあててみようというアイデアだ。

スタッフ「すみません。献血しませんか?」「場所はおさえてます。いかがですか?」「こちらへおこしを。」「献血されますか?どうです?」「では行きましょう。」

ナレーター:献血をしている間は、ボランティアたちが代わりに並ぶ。

シャツの文字:<ここの人は今、献血をしています。私は代わりに、その人の場所をおさえています。>

ナレーター:献血は、行列のもととなっている会場に設置された移動式ユニットの中で行われた。

関係者「素晴らしいです。行列には代わりの人が並んでくれて、その間に献血ができるんです。」

利用者「献血はだいぶ前にしたことがあったんですが、それからは時間がなかったり、スケジュールが合わなかったりでなかなかできなかったんです。これは実施する価値のある、すばらしいアイデアですね。」

利用者「(このアイデアなら)時間を無駄にすることなく、しかも誰かの命を救うことができるかもしれないんですよ。たとえどれだけ多くの人が献血を必要としていてもね。」

ナレーター:かくして我々は、行列待ちの人たちの献血促進に成功。しかし何より重要なことは「行列」という、この街でおなじみの文化的光景に、献血のチャネルを創り出したこと。

キャスター「今後も何度も展開してほしい、素晴らしいアイデアですね。」

リポーター「こんにちは。多くの人命を救うことになるかもしれない、シンプルですけど素晴らしいアイデアだと思いませんか?」

ラジオ「連帯の行列、です。行列に並んでいる時の時間を、献血に利用できるんです。」

<アーンドメディアでの露出 120万リラ>

ナレーター:「連帯の行列」により、我々は時間の有効活用ができるだけでなく、人々に生きるチャンスを与えることができるのです。

また、行列つながりでこんなアイデアもありました。和訳はつけませんが、アトラクションの長〜い待ち時間に、スマホでその行列専用のゲームを楽しんでもらう、というシンプルなアイデアです。スコアがいいと、ファストパスで早く乗れる、というのがミソですね。

And, this is another idea making better use of a queue.

<楽しい行列:The Fun Queue>

www.youtube.com