いやぁ、寒いですね。寒い冬は、献血する人が減る傾向にあるそうです。ということで今回はブラジルで行われた、とても効果的な献血促進キャンペーンをご紹介します。針に刺されて、時間もかかる‥ということでどうしても「気乗りのしない作業」として位置づけられてしまいがちな献血。しかしこのキャンペーンでは暮らしの中でもっとも不毛な時間に目をつけ、そこに献血の機会を持ち込むことで「ならやってみようかしら」と人々の心と体を動かしました。解説ビデオを見て「これなら自分もやるかも」と思った皆さま、このアイデアに免じて献血に出かけてみてはいかがでしょうか?
This is a smart idea from Brazil. They’ve created a new and intriguing channel for a blood donation in one of the most wasteful scenes of our life, a queue. This idea can be adapted anywhere in the world. Very effective and practical, isn’t it?
<連帯の行列:Solidarity Queue>
<ビデオ和訳>
市民「献血はしないわねぇ、時間がないから。」
市民「毎日忙しいから、献血する暇がないんです。週末でもね。」
ナレーター:これらは献血をしない人たちの、典型的な言い訳。そしてこれが献血をしない理由だとしたら、サンパウロの街は、解決の糸口となりうる課題を抱えていた。人口2000万人というこのブラジル最大の都市にはレジャーが少なく、それを楽しむためには長い行列に並ばなければならなかった。
キャスター「ラ・ティン・バン城展への行列がぐるりと会場を取り囲んでいます。」「かなりの忍耐が必要だったようです。」
市民「2時間並んだわ!」
ナレーター:そこで我々が考案したのが「連帯の行列」。
<ピカソ展 2時間待ちの行列>
ナレーター:行列に並ぶ無駄な待ち時間を、献血にあててみようというアイデアだ。
スタッフ「すみません。献血しませんか?」「場所はおさえてます。いかがですか?」「こちらへおこしを。」「献血されますか?どうです?」「では行きましょう。」
ナレーター:献血をしている間は、ボランティアたちが代わりに並ぶ。
シャツの文字:<ここの人は今、献血をしています。私は代わりに、その人の場所をおさえています。>
ナレーター:献血は、行列のもととなっている会場に設置された移動式ユニットの中で行われた。
関係者「素晴らしいです。行列には代わりの人が並んでくれて、その間に献血ができるんです。」
利用者「献血はだいぶ前にしたことがあったんですが、それからは時間がなかったり、スケジュールが合わなかったりでなかなかできなかったんです。これは実施する価値のある、すばらしいアイデアですね。」
利用者「(このアイデアなら)時間を無駄にすることなく、しかも誰かの命を救うことができるかもしれないんですよ。たとえどれだけ多くの人が献血を必要としていてもね。」
ナレーター:かくして我々は、行列待ちの人たちの献血促進に成功。しかし何より重要なことは「行列」という、この街でおなじみの文化的光景に、献血のチャネルを創り出したこと。
キャスター「今後も何度も展開してほしい、素晴らしいアイデアですね。」
リポーター「こんにちは。多くの人命を救うことになるかもしれない、シンプルですけど素晴らしいアイデアだと思いませんか?」
ラジオ「連帯の行列、です。行列に並んでいる時の時間を、献血に利用できるんです。」
<アーンドメディアでの露出 120万リラ>
ナレーター:「連帯の行列」により、我々は時間の有効活用ができるだけでなく、人々に生きるチャンスを与えることができるのです。
また、行列つながりでこんなアイデアもありました。和訳はつけませんが、アトラクションの長〜い待ち時間に、スマホでその行列専用のゲームを楽しんでもらう、というシンプルなアイデアです。スコアがいいと、ファストパスで早く乗れる、というのがミソですね。
And, this is another idea making better use of a queue.
<楽しい行列:The Fun Queue>