先日、今年のノーベル平和賞に国連世界食糧計画(WFP)が選ばれたことが話題になりました。「世界各地で飢餓と闘い、平和実現のための条件改善に貢献した」(BBCより)ということがその受賞理由だそうですが、人類の飢餓との戦いはニュー・ノーマルになっても残念ながら、まだまだ続きそうです。
そんな中、ペルーのリマに本拠を置き、耕作に向かない土地に栄養豊富なじゃがいもを普及させることで飢餓をなくそうと取り組んでいる「インターナショナル・ポテト・センター」がその可能性を世界に知らしめるべく、とてもチャレンジングな企画に挑戦しました。以下の紹介ビデオをご覧ください。
そうです。彼らはどんな土地でも比較的育てやすいじゃがいもの「生命力」を証明すべく、NASAとのコラボレーションで気圧や温度、土壌などが火星と同じ環境を再現。そこでじゃがいもを育て上げることで、世界中の耳目を集めることに成功したのです。「科学者たちが、火星でもジャガイモが育つことを証明した」というニュースは世界を駆け巡り、その発芽の様子をとらえたムービーは1億回以上の再生回数を記録。
この取り組みによって彼らは、これまで脚光を浴びることのなかったじゃがいもの生命力について「火星でさえ育つ→いわんや地球をや」という意識を人々に受け付け、彼らの活動に追い風となる世論を形成することに成功しました。
そして彼らがこの取り組みのために品種改良を行った”火星でも育つ”じゃがいもは、実際にバングラデシュの飢餓に苦しむ地域に送られ、活用されたそうです。
火星でじゃがいも栽培、というと映画「インターステラー」でのマット・デイモンを思い出す方も多いでしょうが、ある意味ハリウッドのSF映画よりも先を行くこの試み、じゃがいもという、暮らしに溶け込みすぎてあまり注目されないものを一気にマジカルなものに変えてしまった、という点で素晴らしいと思いました。
いやぁ、アイデアって本当にいいものですね。それでは皆さん、また来週!