世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

大統領選挙を町の話題にした米国セブンイレブンのグッド・アイデア

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Photo by Arnaud Jaegers on Unsplash

皆さん、来月11月3日は4年に一度の世界の節目、アメリカ大統領選挙の投票日です。現職の大統領が選挙で負けても権力移譲は保証しないとほのめかす(←文字にするとその凄さが分かりますね。。)など、気づけばアメリカの民主主義もすごいことになってしまっていますが、今回はまだ、国民の間で建設的な議論が成立していた頃の同国で行われていたユニークな試みをご紹介します。

米国セブンイレブンでは、2000年から2016年にかけての大統領選挙で毎回、人々の間に選挙への関心や、議論を深めるために、以下のような取り組みを行っていました(ムービーをご覧ください)。

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そうです。ホットコーヒーの購入者に向けて、それぞれ共和党と、民主党の大統領候補の名前を記した紙カップを用意。「セブンの選挙」と銘打ち、支持する側のカップを選んでもらうことで、そのはけ具合から選挙の結果を予測していたのです(もちろん、決めていない人や、明らかにしたくない人のための普通のカップも用意しつつ・・・)。

思えば町のコンビニエンスストアは、地域住民が集まる場でもあります。そこでそれぞれが支持する候補のコーヒーカップを手に、自由に意見し、政治談義に花を咲かす。選挙に興味のない人たちも、コーヒーのカップをきっかけに投票しなきゃ、と思い出す。そんな風景が見られたとしたら素敵ですよね。

そして素晴らしいのが、2000年のブッシュから2012年のオバマにかけてこの「バーチャル選挙」の結果が実際と一致しただけでなく、2004年と2008年については実際の得票との誤差がわずか1%以内だった、ということ。これはセブンイレブン・ブランドにとっても、「アメリカの普通の人々の暮らしとともにある」ということを示す、大きなPRバリューがあったものと思われます。

残念ながら2016年の選挙では結果を外してしまい、また対立の激化や政治思想のカルト化によりまともな議論が成立しなくなった、という社会的情勢もあるのでしょう。今のところ今回の選挙でこの試みが行なわれている、という話はきこえてきません。

我らが日本の選挙も毎回、低い投票率に悩んでいます。とはいえ住民の一票が暮らしをまるで変えてしまう、ということはアメリカの現状が示している通り。人気タレントを使ったポスターなどの広報活動も効果的ですが、時にはこのように、何かを体験させて興味を持たせる、という施策を取り入れても効果的なのかもしれません。

いやぁ、アイデアって本当にいいものですね。それでは皆さん、また来週!