訴えた?それとも…?答えは解説ビデオをご覧ください
名作探訪も第3弾となりました。今回は2019年の国際女性デーにポーランドにてマスターカードなど、複数の企業が力を合わせて行った、女性の地位を向上させるための取り組みをご紹介します。
2019年のカンヌライオンズでチタニウムを1つ、グランプリを1つ獲得するなど、高い評価を得た取り組みです。それでは、解説ムービーをご覧ください。
「The Last Ever Issue / 完全なる最終号」
【雑和訳】ナレーション&文字要素:最新のジェンダー平等指数によると、ポーランドは他のEU諸国に比べて10ポイント低いことが判明しました / 文字要素:”欧州議会のポーランド人メンバーは「女性は弱く、小さくて知性も劣る」と主張 - ザ・ガーディアン紙” /
ナレーション&文字要素:私たちの伝統的文化では長い間、女性をモノ扱いし、のけ者にしてきました / 公的な性教育も行われていないため、あらゆる世代のポーランドの男性たちの女性に関する情報源は… / ナレーション:これ。”Your Weekend”。これはポーランドで一番長く続いてきた、最も象徴的なアダルト雑誌 です /
私たちはこの雑誌が提供してきた様々な歪んだ女性観について議論を始めたいと思いました / ナレーション&文字要素:なので、私たちはそれを買収しました /
ナレーション:2019年の国際女性デーに、私たちは”gazeta.pl”、”BNP PARIBAS”、”mastercard”といった、長きにわたり女性の活躍を後押ししてきたブランドとチームを編成、"Your Weekend -完全なる最終号-"を発行しました /
ナレーション&文字要素:これは、性差別や女性嫌悪主義に挑戦する一冊 / ナレーション:表紙には新進気鋭のライター(Orina Krajewska)、大物女優(Ewa Kasprzyk)、総合格闘技の世界王者(Joanna Jedrzejczyk)をフィーチャー / 中身については、元々の雑誌のセクションを活かしつつ、新たな視点でコンテンツを作り直しました /
ポーランドをリードする女性写真家たちが「女性であること」の多様性を、女性たちの姿を通して切り取りました / ストーリーやエッセイ、インタビューを通じて、ジェンダー平等について探求 /
統合型のキャンペーンによって、この雑誌の売り上げはオンライン、オフライン双方にて促進されました / 何百部もの雑誌をジャーナリストやインフルエンサーに送ることで徹底的な議論を巻き起こし、結果、この特集号は同紙の歴史上、過去10年で最も多くの部数を売り上げた号となりました /
文字要素:オーガニックリーチ450万・メディアインプレッション2500万 / (各ニュースメディアによる称賛の声が入る) / ナレーション:女性であることに恥の意識を持たせ、学校で性教育を行うことが危険すぎると見なされてきた社会で、議論が巻き起こったのです/
そして私たちは、雑誌のソーシャルプラットフォームを性やジェンダー問題に関する長期の教育プラットフォームへと変換させました / なぜならこれ以上、アダルト雑誌が女性に関する教科書になってはいけないからです
正解は、アダルト雑誌を”買収した”
いかがでしたでしょうか?正解は、その雑誌を敵対勢力として訴えたり、糾弾するのではなく、むしろ自分たちのメッセージを世間により強く訴えるためのメディアとして活用するために”買収した”、ということでした。
「押してダメなら引いてみる」に、「昨日の敵は今日の友」…。他者との関係において、知らぬ間に陥りがちな思い込みに捉われないためのいろんな格言が頭に浮かぶ、コラボレーションを考える皆さんにとっては特に参考になりそうな良い取り組みだと思います。
"Do I not destroy my enemies when I make them my friends?" - Abraham Lincoln
(敵と友達になれたら、それは彼らを滅ぼしたのと同じことでは?- by リンカーン)
いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!