街がハロウィンに染まりはじめる今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。さて今回は、昨年のハロウィンシーズンにSNS上で起きた炎上騒動に見事に対応することで、当時西アフリカで猛威を振るっていたエボラ出血熱の拡大阻止に貢献したアメリカ発のキャンペーンをご紹介します。
国を問わず、毎日のようにSNS上で繰り広げられる炎上合戦。変に萎縮するのではなく、このように立ち回ることでみんなを幸せにしてしまう結果を手繰り寄せることができるのもやはり、アイデアの力だと思います。今の時代ならではのリアルタイムなアクションと、コンパクトな展開で鮮やかに目的を果たしたこの取り組み、詳しくは以下のビデオをご覧ください。
<More Than a Costume/コスチューム以上のものを>
<ビデオ和訳>
タイトル:2014年、ハロウィンの季節に議論を呼ぶニュースが飛び込んだ。
キャスターA:エボラ出血熱の防護服風コスチュームがオンライン販売されています。
お店の人「結構売れてまして、もう2回ほど仕入れてます。」
キャスターA:取扱説明書には「今年最も感染力の高いコスチューム」などというメッセージが書いてあります。
キャスターB:販売会社を、多くの人がツイッターで非難しています。
販売者「死ぬほど驚くコスチュームですよ。ハハハ!」
ナレーション:アメリカで偽のコスチュームが話題の中、「世界の医療団」は西アフリカの人々を救うために、本物の防護服を必要としていた。ハロウィンはもうすぐ。我々は急ぐ必要があった。
タイトル:「作戦:2014年、最も議論を呼んでいるハロウィンのコスチュームを、寄付のツールに変えてしまう。」
ナレーション:私たちはメディアをハイジャック。ハロウィンでエボラ出血熱の防護服風コスチュームを着る人たちに、本物にも寄付してくれるようお願いしたのだ。
キャスターC:人道団体「世界の医療団」からのコメントが届いています。「どうぞコスチュームを着てください。ただし、本当にそれを必要としている人にも寄付してください。」
ナレーション:人々は偽のコスチュームを買う代わりに、本物の防護服や医療器具に寄付ができるサイトを訪れた。
コメディアン「なんてこった(ピー!)」
ナレーション:トラフィックを加速するため、我々はソーシャルメディア上でもセレブから防護服のコスチュームを着たセルフィーの投稿者まで、関心を持つすべての人に向けたキャンペーンを実施。
これらをサポートするために、トラディショナルな告知や、印刷メディアでの記事などを展開した。
人々はすぐに我々の側につき、周囲に寄付を呼びかけてくれた。これらの効果はあきらか。
タイトル:72時間で、定期の寄付者が2倍に。SNS上でのフォロワーは45%増加。2億1500万のメディアインプレッションを記録した。経費は0。
ナレーション:我々は世間の議論に対して見事に立ち回ることで、わずか7日間の間に、西アフリカでエボラと戦う4600人以上の医師たちに、十分な装備を支給する資金を集めることができたのである。
どうもありがとう。(※以下要約文省略)
以上、いかがでしたでしょうか?よく考えるとエボラしかり、MERSしかり、そして毎年話題になる鳥インフルエンザしかり。20世紀に何度か発生したような危険な病気の世界的感染拡大を防ぐために、お医者さんや研究者たちは今日も地球のいろんなところで、懸命の努力を続けています。彼らの努力を無駄にせぬよう、正しい情報と正しい対策で健康を保ち、各自がそれぞれの持ち場で社会にお返しできれば素晴らしいな、と思います。
ということで皆さま、この秋冬も体に気をつけて、すこやかに頑張ってまいりましょう!
This is a social campaign which was executed in the Halloween season last year in the U.S. It turned a controversial issue on the social media into the campaign to donate to the doctors who fought against Ebola in the West Africa at that time. How clever it is!