世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

ニッポンよ、これが街おこしだ!アメリカの個人商店を救ったソーシャルキャンペーン

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皆さまこんにちは。11月に入り、忘年会やクリスマスに向けて色々と買いだすものも増えていく季節ですが、皆様は買い物というとどんな場所を思い出しますか?デパートやアウトレット、ショッピングモール、といった大型施設を思い出す人がほとんどだと思いますが、一方で中小規模の個人商店の人たちは、客足の鈍化に悩まされつづけています。

そしてそれはアメリカも同じ。ということで、今回は時を超えて今もなお、私が素晴らしい取り組みとして記憶している企業発のソーシャルキャンペーンをご紹介しましょう。アメリカのクリスマス商戦(ホリデーシーズン)の幕開けを告げる11月の第4金曜日、みんなが大型施設に買い物に出かけるブラックフライデーにうま〜く乗っかり、その翌日を「個人商店で買い物する日」として定着させてしまった見事すぎるアイデアです。それでは早速、以下の解説ビデオをご覧ください。 

<Small Business Saturday スモールビジネスサタデー>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

タイトル:“アメリカの大統領が、特定のアイデアについてつぶやくことはそんなにない。”

バラク・オバマのツイート:今日は、地元のお気に入りの個人商店で買い物して、街のスモールビジネスをサポートしましょう。>

タイトル:“それは、こうして実現した。”

ナレーション:2010年、アメリカン・エキスプレス社はクリスマスの一ヶ月前、アメリカで最も盛り上がる買い物シーズンの幕開けを告げる「グラックフライデー」の翌日に「スモールビジネスサタデー」を開始した。

スモールビジネスサタデーは、不況に悩む個人商店に客足を取り戻すための試みだった。

そして2年目となる2011年の目標は、この一日をホリデーシーズンのオフィシャルな「個人商店買い物デー」として定着させること。

しかしアメリカン・エキスプレス社が一社で押し進めるのは難しいので、個人商店や消費者、行政などにサポートを呼びかけた。

まずアメリカン・エキスプレス社は個人商店のオーナーのために、手軽に活用できる販促ツールを提供した。

スローガン「SHOP SMALL」を記した缶バッヂやポスター、それにソーシャルマーケティングツールなど、彼らの商売のサポートとなるものを提供。

このデジタルツールキットでは、個人商店のオーナーが自分で広告を作るYouTubeの動画作成ツールが入っている。さらに、Facebookページ制作ツール。そしてfoursquareに、オンラインショップ情報を流せるツールも提要した。これらは50万人以上もの個人商店のオーナーに利用された。

次に、アメリカン・エキスプレス社は行政に働きかけた。アメリカ全土の自治体や州政府がこの運動に支持を表明した。さらに米議会上院でも「スモールビジネスサタデー」を公的な日として認める決議が採択された。・・全会一致で!

さらにアメリカン・エキスプレス社は何百万人もの消費者たちに呼びかけ、個人商店で買い物をするという誓いを立ててもらった。

少年「僕はここ、ビッグトップキャンディ店で買い物することを誓います。

男性A「アレンのブーツ屋で買います」

妊婦「ジュノのベビー店で買うわ」

男性B「個人商店で買うことを誓います。」

少女「買って〜。」

男性C「スモールビジネスサタデーに、個人商店で買い物しよう」

ナレーション:で、その反響は?

オーナーA「売上が20%も増えたよ」

オーナーB「30%ぐらいかな。」

オーナーC「去年に比べて、166%も増えました!」

ナレーション:Twitterでは、年間トレンドワードの総合トップ10にラインクイン。Facebookページも昨年の2倍以上となる、270万もの「いいね!」が集まった。しかし最も重要なことは、カリフォルニアからワシントンD.C.まで、アメリカ中の1億300万人もの人々が、個人商店で買い物したということ。

バラク・オバマ「スモールビジネスサタデーだから、今日はスモールビジネスを応援させてもらうよ」

ナレーション:以前にはなかった「スモールビジネスサタデー」は、今ではホリデーシーズンの中でも大切な買い物デーとして定着したのである。また来年!

皆様、いかがでしたでしょうか?日本でも企業がPRのために「ナントカの日」を作ることは多いですが、ここまで説得力を持ち、社会全体を変えてしまったものはないのではないでしょうか?そしてこの企画がさらに素晴らしいのは、これが普及した暁には、アメリカン・エキスプレス社に加盟する個人商店もきっと増えている、ということ。このソーシャルキャンペーンは、日本のシャッター商店街もよいアイデアがあればきっと救える!という希望と可能性を示しているといえるでしょう。

 (スモールビジネスサタデーについて、より詳しく述べているブログを見つけました。こちらを読むと改めてこのキャンペーンの仕組みの巧みさに、もっとうっとりします。)

ameblo.jp

年末に向けてワクワクしてくる11月。皆さまも近所の個人商店で、買い物してみてはいかがでしょうか?

In this article, I featured a legendary-successful social campaign by American Express, “Small Business Saturday”. This idea is a beautiful example of so called “win-win” situation between the credit card brand and small business owners. 5 years have passed since the campaign began but, it is still new and shining.