世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

「母親になる自由を!」全ての女性アスリートのために立ち上がったアメリカ陸上界の女王

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Photo by Matt Lee on Unsplash

気づけば2010年ごろとは社会が様変わりし、一人一人が、ソーシャルメディアなどを駆使して自分らしさを発信することが普通の社会になりました。

 

それはアスリートにとっても同じこと。例えばオリンピックなどの国際的な試合でも最近の選手、特にスケードボードなど、新しい種目の選手の中には「国の威信をかけて戦う」という意識よりも「自分らしく戦う」という意識でベストを尽くす選手が増えてきているように感じます(かくいう私は超・運動音痴なのであくまでも主観にすぎませんが…)。

 

そんな中、東京オリンピックを通じて見事に自分のメッセージを表明し、女性アスリートに対する不平等解決のために立ち上がったアメリカの陸上選手、アリソン・フェリックス選手の見事な活動を今回はご紹介したいと思います。

 

ご存知の方も多いと思いますが彼女は過去のオリンピックで金メダルを何度も獲得したアメリカを代表する陸上競技選手で、ナイキとスポンサー契約を結んでいました。

 

しかし以下の記事によると、彼女は妊娠休養中の2018年にナイキから大幅に減額された契約料を提示され、さらに出産前後の数か月は成績が振るわなくても金銭的なペナルティーは科さないでほしい、という要望についても難色を示されてしまったそうです。(引用元:ナイキが妊娠した選手に対する方針改善へ、サポート減額に批判

 

上記記事の見出しの通り、批判を受けて方針を改善したナイキも素晴らしいのですが、ナイキと袂を分かったアリソンさんはさらに「女性アスリートが抱える不平等」解消のために、オリンピック直前になんと自分自身のシューズブランド「Saysh」を立ち上げました。

 

そのブランドムービーをご覧ください。

www.youtube.com

【雑和訳】ほとんどの人々がそうだったように、私も立場をわきまえろと言われ続けきた。だけどここに、私は、女性たちによって、女性たちのためにデザインされたブランドを立ち上げようと思う。母親になり、子を育ててきたこれまでの経験が、私の本当の競争相手が「不平等」であることを教えてくれた。私は、私の声で女性のため、母親たちのため、そして、母親になりたいすべての女性たちのために変化を生み出したいと思う。だから私はここにいる。私は立つべき場所にいる。Saysh

 

このブランドのローンチを発表したのが今年の6月下旬。そして8月、Sayshブランドのスパイクを履いて新国立競技場に登場した彼女は見事女子400メートルで銅メダル、4x400メートルリレーで金メダルを獲得。これで彼女の生涯を通じての金メダル通算獲得枚数は11枚となり、なんとあのカール・ルイスさんが持つ10枚の記録を塗り替えてしまいました。

 

世界最高の舞台で競技上の結果だけでなく、彼女のスパイクの性能もしっかりと示したアリソン選手。さらに彼女は、このスパイクをNFT(Non-Fungible Token/偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ)付きでオークションにかけ、その利益を女性アスリートの子育てのための支援団体に寄付することを発表しています。

 

しっかりとしたパーパス(存在理由)と自身が持つ社会的価値に立脚し、巧みなPRで女性アスリートを取り囲む理不尽を突き破っていくアリソン選手と、その新たなシューズブランドのこれからに期待と、惜しみない拍手とエールを送りたいと思います。

 

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それではみなさん、また来週!

 

 

PS. ちなみに今回の記事の参照元と、Saysh のかっこいいブランドサイトへのリンクもここに貼っておきますね。 

adage.com

saysh.com