世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

本名から「本当の自分」の名前へ。マスターカードが取り組んだ素敵な試み

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Photo by Markus Winkler on Unsplash

自分も含め、当事者でない限り気づきにくい悩みが、LGBTQ+の人たちにはたくさんあります。その悩みのひとつが、クレジットカードによる買い物。

皆様、その理由がなぜかわかりますか?

今回は種明かしをする前に、その悩みの解消のためにマスターカードが取り組んだ勇気ある取り組みをご紹介します。以下のムービーをご覧ください。

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<雑訳>トランスジェンダーの人の声「トランスジェンダーの人たちにとって「安全な支払い」というのは、自分のカードで他人にスニーカーなどを買われてしまう不安がない、ということではない。トランスジェンダーの人たちにとって安全な支払いとは、見下されたり、質問されたり、鼻で笑われたり、侮辱されたり、嫌がらせされたり、時には殴られたり…。カードの名前が見た目と違うというだけの理由で、そんな目に合わないことだ。大事なのは、カードが安全であることだけじゃない。カードを使う我々を守ってくれること。それも大事なことなんだ。…マスターカードの”True Name(本当の名前)カード”。そのほうが自分らしいから、と自分で選んだ名前で使える、初めてのカード。」

そうなんです。言われてみないと気づきませんが、これまでは自分が女性の気持ちを持っている、と気づいた「太郎さん」という男の人が女性名を使い、女性として生きることに決めても、クレジットカードの名前は本名の「太郎さん」のままで買い物しなくてはいけませんでした。そうなった場合の、”もと”太郎さんが買い物のたびに感じる心理的負担はいかばかりか…。

そこでマスターカードは、戸籍などに登録された本名の代わりに、自分のアイデンティティに紐づいた「本当の自分」らしい名前で使えるカードを開発した、ということになります。

その背景をより詳細に説明したムービーも以下に置いておきますので、ご興味のある方はぜひ、ご覧ください。*字幕の設定を日本語にしてご覧いただけます。

www.youtube.com

ムービーによると最初は、このカードの取り扱いについて全く乗り気でなかったシティバンクなどの金融機関も、人々やメディアの反響を受けて取り扱うことに決めたとか。

イデアが一時的な賑やかしだけでなく、業界自体の常識を変えた、というところがまた、このアイデアの圧倒的に素晴らしいところだと思いますし、アイデアが社会にもたらす善の可能性を信じている身としては、勇気づけられる事例です。

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それではみなさん、また来週!