世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

葛藤を越えて − 言葉が分からない難民たちのためにドイツで行われたグッド・アイデア / Words of Welcome

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異国にいて、全く言葉がわからないことほど心細いことはありません。ましてや自分たちが、紛争により故郷を追い出された難民であったなら。…ということで今回ご紹介するのは、難民を異物として分け隔てたままにするのではなく、将来の仲間として受け入れるためにドイツの人たちが行なった、シンプルだけど非常に効果的な取り組みです。このようなテープが貼られた救援物資をもらったら、難民とボランティアとの会話も弾むでしょうし、それがまたドイツの人々と難民の心の距離を縮めていくような、好循環を生んでいくことが期待できます。This is the idea from Germany, the country where tries to integrate refugees from Syria into their society beyond many conflicts.

<難民を迎え入れるための単語システム / Words of Welcome>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

ナレーター:ドイツは紛争により住む場所を失った100万人以上のシリアからの難民を受け入れてきた。しかしドイツで働く能力を持たない亡命者たちは、生きるために援助や寄付に頼らなければいけない。

しかし、もしこれらの生活必需品が難民たちにとってより有意義な、新しい環境に溶け込んでいくためのきっかけに変えられるとしたらどうだろう?

そこで我々は、「難民を迎え入れるための単語システム」を開発した。

全ての救援物資を、難民がドイツ語の単語を覚えるためのレッスンに変えることができるデザインのシステムだ。

危険なシリアからの脱出の後、難民たちはドイツで新しいチャレンジに直面しなければならない。彼らの大多数がドイツ語も、英語も分からずアルファベットも読めないのだ。ドイツ政府も意味のあるサポートを行うには統合(への努力)と基本的なコミュニケーションは欠かせないと述べている。

我々はドイツ語とアラビアの文字を組み合わせたデザインコンセプトを開発。

もっとも必要とされる救援物資について音声的な翻訳を行なった。例えば、アラビア語で書いてある単語を音読すると、完全なドイツ語の「歯磨き粉」の発音[ザン・パスタ]になる、といった具合に。

こうして我々は、難民たちがより簡単に基本的な要求を表現できるようにサポートしたのだ。

難民1「(アラビア語を読んで、ドイツ語の発音で)歯磨き粉」

難民2「(アラビア語を読んで、ドイツ語の発音で)絆創膏」

難民3「(アラビア語を読んで、ドイツ語の発音で)歯ブラシ」

難民4「(アラビア語を読んで、ドイツ語の発音で)生理用ナプキン」

難民5「(アラビア語を読んで、ドイツ語の発音で)哺乳瓶」

難民6「(アラビア語を読んで、ドイツ語の発音で)ハンカチ」

難民7「(アラビア語を読んで、ドイツ語の発音で)バッテリー」 

「難民を迎え入れるための単語システム」はアラビア語の他にペルシア語、ウルドゥー語に対応。色についても28の必需品ごとに「衛生用品」に「赤ちゃん用品」、「食べ物」といったように異なる色を対応させた。

このシンプルなテープの活用によって、届けられた救援物資はボランティアや難民たちによって、その場で簡単に仕分けることが可能になった。

オンラインプラットフォームでは、この言葉のシステムを他の人々やブランド、企業に広めることに成功。テープの長さに換算すると、何千メートル分にもなるシェアが行われる過程で、新たなスポンサーの興味も引き出した。

そして、今日までに7万メートルに及ぶテープが活用された。この試みは全国から寄せられた何千何百もの救援物資の価値を倍増させたのだ。難民たちに「我々は歓迎されて、理解されている」という安心感を与えることによって。

<難民を迎え入れるための単語システム>