世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

お見事!森林をプリントアウトから守るドイツのソーシャルキャペーン

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 皆様ご機嫌いかがでしょうか?様々なすばらしいアイデアが連日、世界中でシェアされている昨今ですが、今回は私が過去に見て今でも「うまい!」と思う名作をお届けします。紙のプリントアウトによる森林資源の減少を食い止めるべく、ドイツのWWFが行ったすばらしい取り組みです。これ、考えた人は本当に偉いですね…

WWFでセーブしよう>


WWF "Save as WWF" - YouTube

<ビデオ和訳>

WWFは世界で最も重要な環境保護団体のひとつ。WWFが50年間追い求めて来たこと。

それは熱帯雨林を救うこと。どのようにしたらこの目的に対し、世界的に取り組めるのか。

熱帯雨林では毎年、何百万平方メートルもの森林が紙のために失われている。

そして紙は、世界中のオフィスで無駄にプリントアウトされている。

私たちはこの無駄なプリントアウトを食い止め、世界中の人々に無駄な

プリントアウトによる森林破壊に気づいてもらう必要があると考えた。

そこで我々は、世界初の環境に優しいファイル形式「WWF」を考えたのだ。

この特徴は単純に「プリントアウトができないファイル形式」ということ。

私たちのメッセージは「WWFでセーブして、森林を救おう」というシンプルなものだった。

WWFは森林を破壊して作られるたくさんの紙の代わりとなるものであり、

このファイルがあるだけで、森林を救う効果があるのだ。WWFはあらゆる個人、会社、組織が

使用することができる。あらゆるセーブされたWWF、メールで送られたWWF

サイトでクリックされたWWFにより、WWFは世界中に拡散していった。

このような簡単な方法で誰もが環境保護に積極的に貢献できる。WWFは印刷に代わる手段として

ネットで話題となり、そのウェブサイトには開始からわずか4週間で183カ国から、20万もの人々が訪問。

同時にWWFは3万回以上のダウンロードを記録した。このキャンペーンが始まって数日後、WWF

世界中のニュース、ツイッター、ブログで話題となった。

しかしこれは始まりにすぎない。今すぐ森林を守る活動を始めよう。<WWF

 いかがでしょうか?この取り組みは過去にも話題になったので知っている方も多いと思いますが、私がこのソーシャルキャンペーンの中で特にすごいと思うポイントは、キャッチコピーやデモンストレーションではなく、「ファイル形式のルール」でWWFのメッセージを伝えてしまったところです。昔モノの本で読んだのですが、都市を創るゲーム「シムシティ」の作者は、「都市には公園が必要である」というメッセージを伝えるためにそのゲームを作ったといいます。フィルムや文章の中のストーリーではなく、ゲームやファイル形式などのルール設定でメッセージを伝えてしまうのは、とても賢く、受け手も納得しやすい手法だと思いました。

皆様も、ぜひ参考にしてみてくださいね。それではまた〜!