世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

アド・ミュージアム東京「D&AD賞2014」展で見つけたアイデア【前編】

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唐突ですが皆さん、東京は汐留の電通本社ビル地下にある「東京アド・ミュージアム」はご存知でしょうか?江戸時代から現在までの日本の代表的な広告を展示しているミュージアムなのですが、今回はそこで3月1日までに開かれている「D&AD賞2014」で展示されていたすばらしいアイデアをご紹介します。このブログを見て興味がわいたらぜひ足をお運びください。

ちなみに「D&AD賞」とは、世界のクリエーティブ産業を支援しているイギリスの非営利団体「D&AD」による賞で、過去にはAppleのデザインチームが受賞する等、世界中のクリエイターの憧れになっている賞です。

同賞のトロフィーは上の写真にあるように「鉛筆」をモチーフにした可愛いものなのですが、本ブログでは今回・次回の2回に分けてその中から同賞のグランプリにあたる「ブラックペンシル」に輝いたものをお届けします。それではまず、鉄道の利用客たちの不便を解消した以下の作品から。

 

<電車のプラットフォームにおける安全と利便性向上の取り組み>

 

vimeo.com

<ビデオ要訳>

語り手「駅で見ていると、間違った場所で電車を待ってる人っていますよね。だから電車が来てから慌てて乗降口に駆け込んで空席をさがすはめになったり。どこで待てばいいのか分からないんですよ。だから電車がくる前に、どこで待てば良いのか分かるようにしました」

『最新の情報伝達方法のテスト』

「ホームに沿って設置した横長のLEDディスプレイが、電車が着く10〜15分前に電車の停車位置や乗降口の場所、乗車率を表示します。赤は乗車率100%、オレンジは混雑、グリーンは空席ありを示しています。車いすや自転車を乗せられる車両も分かるんですよ。結果、乗客たちも自分が乗りたい車両のドアが来る場所で、きちんと待つことができるようになりました。」

「外国の人々含め、みんなこのプロジェクトに関心を持ってくれています。地下鉄とか、いろんな場所に転用することができますからね。」

 

人々があきらめすぎて、不便にも思っていなかった不便を解消してあげるという、イノベーションの本質をつきまくったいい試みだと思いました。他にもブラックペンシルに輝いたいくつかのものは、過去の本ブログでも取り上げていますので以下にリンクを貼っておきますね。どれも圧倒的なものばかりです。

 

 <Sweetie>

ウェブカムによる児童買春を世界中に認知させた「おとり捜査」 - 世界のソーシャルキャンペーン

 

 <最もパワフルな腕(The most powerful arm ever invented)>

氷水をかぶるだけじゃない!世界のALS・筋ジストロフィーキャンペーン - 世界のソーシャルキャンペーン

 

さすが世界中のクリエイターが憧れる賞ですね。Appleが受賞したことが示すように、広告会社や、どこかの組織に属していないと応募できないものではないので、誰もがいつか獲れるといいな、と目標にできる賞だと思います。目標にしつつ、名誉も得つつ社会も良くなる。そんなことができたら最高ですよね。

 

それでは今週も、みんなでがんばっていきましょう!