世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

ウェブカムによる児童買春を世界中に認知させた「おとり捜査」

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このブログの第1弾は、先月行われたカンヌ国際クリエーティブ祭で全世界のクリエイターたちに衝撃を与えたこの作品「Sweetie」から。僕もこれを見ることで「ウェブカムによる児童買春(webcam child sex tourism)」なるものが存在することを知りました。容疑者の逮捕とイシューの認知向上を両立させた、圧倒的なアイデアです。

 


Gold Cyber Cannes Lions 2014 / Sweetie - YouTube

ビデオ和訳

「私はスウィーティ。10歳です。フィリピンにすんでいます。毎日私は、他の何万人もの子どもたちと同じようにウェブカムの前に座り、男の人たちと話さないといけません。男の人たちは服を脱ぐように言います。それから彼らは、彼ら自身で楽しみます。彼らは私たちにも、そうするように言ってきます。私がオンラインに来るとすぐ、彼らはやってきます。でも彼らは知りません。・・・私がリアルではないことに。私はこんなことをする男たちを特定するため、パーツ毎に作り上げられたコンピューターのモデルなのです」

ウェブカムによる児童買春は、伝染病のように広がっている新しい犯罪。豊かな国の男たちが、貧しい国の子どもたちにお金の力で、ウェブカムの前で性的な行為を要求する。我々はフィリピンだけでも、6歳児を含む何万人もの子どもたちがウェブカムの前でこのような虐待を受けていると推定している。しかし、何千何百ものおぞましい行為が横行しているのに、これまでに6人の男しか逮捕されていないのが現実だった。

 解決法:事前予防的監視

 男たちを止めるために、彼らが犯罪を犯すウェブカムをパトロールし、事におよんでいる彼らをつかむ事にした。我々は潜入調査を開始。チャットルームに10歳のフィリピン人少女を潜入させた。スウィーティは我々が創作した、まるで本当の少女のように動くコンピューターモデル。

「私はリアルではない」

男たちは彼女がフィリピンでウェブカムの前に座っていると思い込むが、実際はオランダの首都の倉庫で、我々が彼女を操作している。そしてわずか10週間で、我々は71カ国・1000人もの犯罪者たちを特定したのだ。あっという間に、スウィーティは世界のニュースになった。

(*以下「」内ニュース画面のコメント)

ウェブカムによる児童買春」

「操作チームは男たちのアドレスと写真を記録。データをインターポールに提出しました」

「彼女はオンラインでの買春ツアーに対抗する秘密兵器」

「46人のオーストラリア人が国際警察に通報されました」

「(欧州サイバー犯罪対策班のコメント)このような取り組みをしてくれたことにはとても感謝している」

10億人を超える人々がスウィーティによるこのキャンペーンを認知した。ウェブカムによる児童買春は現在、世界的に認知された犯罪となっている。しかし我々が誇りに思うことは、おぞましい男たちの行動が抑止されたこと。

「17人の英国人が逮捕されました」

そして、子どもたちが救われていることだ。

「6歳から15歳の、15人の少女が救助されました」

terre des homes

“子どもの搾取を止めよう”