世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

大ピンチを、大チャンスに。英国ビッグイシューのLinkedinを活用した見事なアイデア

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Photo by Thomas Kelley on Unsplash

2年ぶりにカンヌ国際クリエイティブ祭が開催されました!これは毎年6月に南仏カンヌで開催される、世界中の企業が最新のマーケティング事例を競う賞レースなのですが、オンラインによる開催ではあったものの、今回は素晴らしいソーシャル・キャンペーンの実践事例がてんこ盛りでした。今から毎週、これらを皆様に紹介できるのかと思うと喜びでいっぱいです。

今回はそのトップバッターとしてふさわしい、英国ビッグイシューのアイデアをご紹介します。日本でも都市部を中心に販売されている雑誌ビッグイシュー。恵まれない境遇の人たちに売り子として職の機会を与えつつ、街の人にインスパイアリングな記事をお届けするというビジネスモデルそのものが素晴らしいこの雑誌ですが、パンデミックの影響により街から人が減り、創業以来の危機に瀕していました。このピンチを解決するだけでなく、なんと恵まれない境遇の人たちの未来へのチャンスをも広げてしまった、そんなポジティブな姿勢が大好きな取り組みです。是非、以下の紹介ムービーをご覧ください!www.youtube.com

【雑和訳】ビッグイシューのララさん「ビッグイシューは恵まれない境遇の人たちに物乞いではなく、街で売り子になってもらうことで復帰のきっかけを提供している英国の雑誌です。我々は社会の彼・彼女たちに対する視線をよりポジティブなものにしたいと願っています。…しかし、全てが変わってしまいました」アンカーパーソン「ビッグイシューは存続の危機に立っています」 売り子のポールさん「いつも買ってくれたお客さんが恋しいです。彼らはプロのビジネスパーソンたちで…でも、全てがダメになってしまいました。街から人が消えてしまったのですから」 ララさん「売り上げは毎週8万部から、0になってしまいました。明らかに大きな変革が必要でした」 スーパー”プロファイルを向上させる〜ビッグイシューリンクトイン” スーパー”社会の貧困に苦しむ人たちへの認識を変える…ソーシャルメディアを活用して” ララさん「我々はオンライン上で、売り子と買い手の関係を再構築することにしました。リンクトインを選んだのは、そこに以前の買い手であるビジネスパーソンたちの70%のアカウントがあると分かったからです。ロケーションデータなどにより以前、売り子がビッグイシューを売っていた場所の付近で働いていたビジネスパーソンたちをピックアップし、デジタル上で売り子と買い手の関係性を復活させました。かつて実際の街角で毎日、声をかけていたように、売り子がオンライン上で買い手とコミュニケーションが取れるようなネットワークを築いたのです」 スーパー”リンクトイン・トレーニングプログラム 第1週、2週、3週…” リンクトインのトレーナー「リンクトインのトレーニングプログラムにようこそ。これから、リンクトインのベストな活用方法についてご紹介してまいります」 ララさん「ソーシャルメディアは人々の関係に民主化をもたらします。人々の他者への評価は、何をシェアするかによって変化するのです。なので売り子たちも、単純に路上で声をかけるのとは異なり、リンクトインビッグイシューの記事に関する内容などをシェアするようになりました。売り子は個人用のeコマース用リンクを持っているので、買い手とメッセージを交換している時、いつでも彼・彼女たちをそこに誘導することができます」 スーパー”デジタル購読は325%の向上” "雑誌の売り上げは400%向上" ララさん「この取り組みは我々のビジネスを完全にシフトしました。以前は街角で50人に声をかけて1冊売れる、という成約率でしたが、今ではリンクトイン上で、10人に声をかければ1冊は売れるようになりました。けれど一番根本的な変化は、人々の売り子たちへの認識が変わったことだと思います。彼らもリンクトインに相応しいプロフェッショナルたちなのだ、という風に」 ポールさん「以前は街角の一部分にしか私の声は届きませんでした。けれど今では、私の声を世界中に届けることができるのです」 スーパー”プロファイルを向上させる〜ビッグイシューリンクトイン

いかがでしょうか?単純に雑誌が売れなくなった状況を改善しただけでなく、これからの時代を生き抜くのに必須であるデジタルの活用術(しかも職を得るのに最も相応しいSNSであるリンクトインの!)をトレーニングや実践を通じて身につけてもらうことで、恵まれない境遇の人たちの未来の可能性を広げる「教育的効果」をも併せ持っていることが、この取り組みをより光り輝くものにしています。実に神々しい。。。やべ、涙が出てきた。

(ちなみにカンヌでこの取り組みは、クリエイティブeコマース部門のグランプリに輝いたそうです。ビッグイシューと売り子の皆さん、おめでとうございます!)

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!