世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している「ジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index)」をご存知でしょうか?世界156カ国における「性別による格差」の少なさを示す指数なのですが、日本社会は毎年、G7の中でダントツの最低ランクを維持し続けています。
今年は120位…。去年よりも1ランクアップしたそうですが、2015年は101位だったことを考えると、世界が大きくジャンダーギャップの解消に向けて動く中、インパクトある動きもなく、ずるずるとランクを下げている傾向が伺えます。
そんな中、6月末に行われた今年のカンヌ国際クリエーティブ祭でも”ベスト・オブ・ザ・ベスト”に相当するチタニウムを受賞するなど、高く評価された生理用品ブランドBodyformによるムービーを今回はご紹介したいと思います。
女性の社会進出をもっと促すには、機会を与える(=多様性を促す)だけではもはや不十分で、彼女たちの日常的な苦しみをきちんと世の中に理解させる(=よりインクルーシブな社会環境を作る)ことが不可欠である、という意図の下、制作されたキャンペーンムービーです。それではご覧ください。
【雑和訳】喜び・痛み・愛、嫌悪。それは全くシンプルではない(It's never simple)。私たちの”#子宮のストーリー”を広めよう。(*Bodyformのロゴ入る)子宮のストーリーをシェアしていただいた皆様、ありがとうございました。恐れずに行こう。
生々しい表現が連続するこのムービー。性別問わず正直、ご覧になって違和感を感じられた方もいると思います。ですが、その違和感がジェンダー・ギャップ指数世界120位の国で培われたものである、ということを理解しておくと、自分たちの住む社会についてもより客観的な視点が培われるのかな、と思います。
また、このムービーの内容自体がよく理解できなかった男性の方も多いと思います。その場合は、こちらの本(↓)をお読みになると女性の体の基本的なメカニズムとそれにまつわる悩みを、女性の友達から聞く感覚で理解できると思います。このムービーのタグライン「It's never simple.(それは全くシンプルではない)」が身にしみてわかる内容です。
社会を完成されたものとして守るのではなく、不完全なものと理解し、積極的に変えていくことでより良い場所へとアップデートしていく、という世界の基本的なダイナミクスを感じとる上でも良い事例だと思います。
いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それではみなさん、また来週!