世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

果物の廃棄部分を見事にアップサイクルしたDoleの取組み【カンヌ2022より】

UnsplashPineapple Supply Co.が撮影した写真

リサイクルから、アップサイクルへ

思えば6月末に開かれた世界的クリエイティビィの祭典・カンヌライオンズ2022から既に3ヶ月が経ちました。あらゆる受賞作がインフレ的に評価される祭りの喧騒から離れ、落ち着いて受賞作の数々を見てみると改めて、今後の社会が進むべき方向性が見えてくる感じがします。

ということで今回は、ただ一度使ったものをリサイクルするだけではなく、これまで何の疑問も持たずに廃棄されてきた物に価値をつけて活用するという「アップサイクル」を、世界一のパイナップル生産業者として行ったDoleの取り組みをご紹介します。

ちなみにこの取り組み、カンヌライオンズ2022のクリエイティブ・ビジネス・トランスフォーメーション部門でグランプリを獲得するなど、大変高い評価を得たアイデアです。詳しくはぜひ、以下の解説ムービーをご覧ください。

「Pinatex / ピナテックス

youtu.be

【雑和訳】文字: 石油業界に次いで、皮革業界は最も(環境に)有害な産業のひとつである by UNIDO / パイナップルの葉は皮革に対するグリーンな解決策になりうるのか?  by Fast Company /

フィリピン、南コタバト / ナレーション「フィリピンでは毎年、250万トンのパイナップルが栽培される」/「その実が世界中の人々の口へと運ばれるのに対して、その葉は廃棄されている」/「1トンのパイナップルが栽培されるごとに、3トンの葉が無駄になり」/ 「それが腐るがままに放置された場合、二酸化炭素に比べて20倍有害なメタンガスが排出されるのだ」/

「この状況を変えるべく、世界最大のパイナップル生産者のひとつであるDoleは、ananasanamとパートナーシップを結び、ヴィーガンで残虐性ゼロ、かつサステナブルな皮革の代替素材pinatexを製造した」/ 「これは、使われなければ廃棄されていたパイナップルの葉の繊維から作られたものだ」/ 

ananasanam創設者 カルメン・ヒジョサさん「もしpinatexを皮革と比べた場合、pinatexは環境にずっと良い実績を見せています」/「水も使いませんし、土壌も使わず、肥料も一切使いません」/

ナレーション「他のいわゆる”ヴィーガンな”皮革はプラスチックをベースとしていて、環境的に有害であるのに対し、pinatexはクローズなループの中でサステナブルに生み出される生地である」/「廃棄を逃れたパイナップルの葉がpinatexになった後、余った葉のバイオマスは、自然な肥料へと転換される」/

「pinatexはファッション業界に、真のエコ・フレンドリーな選択肢として提供された」/「今では、80を超える国の200以上のブランドが、よりサステナブルな存在となるべくpinatexを採用している」/ 「ヒューゴボスH&M、そしてハッピーなパイナップルスニーカーを作っているnikeもその中のひとつだ」/

Dole Sunshine Companyのチーフ・イノベーション・オフィサー ララ・ラムディン博士「pinatexにおけるDole - ananasanam間のパートナーシップは我々の廃棄物の再活用における、最高の選択でした」/「これは、農家が廃棄物を収入のチャンスに変えるのを手助けしつつサーキュラリティを実現する、という私たちの目標に向けての第一歩なのです」/

ナレーション「pinatexは、2025年までに自分たちの農場からネットゼロを実現すべく、Doleが進行中の活動の一環だ」/「廃棄物をアップサイクルすることで、我々は食品業界を超えて変革を促しているのだ。…ファッションブランドに、皮革に対する真のグリーンな解答を与えつつ」/

文字:Dole X ananasanam - pinatex

もはや内輪の解決策では間に合わない

いかがでしたでしょうか?この取り組みが特に高く評価されたのは、世界最大のパイナップル生産業者であるDoleが自らその廃棄物をアップサイクルさせ、その結果として生産されたpinatexを自社内だけでなく、業界の垣根を超えてアパレル業界に幅広く活用させている…というそのスケールにあると思います。

SDGsの最後のゴールであるゴール17に「パートナーシップで目標を達成しよう」という達成のための「手段」があえて入っている理由もここにあります。

もはや1個人はもちろん1企業や、1政府が解決できる社会的課題などどこにもありません。幅広いパートナーシップの組み合わせでこれまで考えられなかった、または不可能だった角度から発想し、社会課題を解決していく。

この姿勢があるかどうかで、地球上のありとあらゆる組織体の成否が大きく変わってくるのかな、と思います。

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!