今回は新型コロナウイルスの流行により対面での交流が著しく制限されている中、ブランドは世の中のために何ができるのか、ということの一例としてこの事例をご紹介したいと思います。
ポーランドでは、いまだに電力のおよそ8割を石炭による火力発電に頼っていて、The Economist曰く、「ヨーロッパで一番大気汚染のひどい国」だそうです。なのにグリーンエネルギーの普及を訴える若い世代に対しても、政府は「グリーンエネルギーを学校で教育する必要はない」と答えるなど、積極的に動こうとしません。
そこで当地のレゴはコロナ下、在宅で学ぶポーランドの子供たちに向けて、レゴブロックを使ったとてもユニークなオンラインレッスン「Green Instruction(グリーンなトリセツ)」を公開しました。
その内容をまとめたケースフィルムが、こちら↓
このレッスンの内容は、以下の通り。
・飛行機を組み立てるためのレゴで、電車を作る。
・炭鉱の世界を組み立てるためのレゴで、風力発電用の風車を作る。
・自動車を組み立てるためのレゴで、自転車とキックボードを作る。
などなど。
つまり「環境負荷の高いもの」を組み立てるために販売された過去のレゴブロックで「環境負荷の低いもの」を組み立てる体験を通じて「今の世界をよりサステナブルな世界へと”組み立てなおす”」ための方法を学ぶ、というレッスンで、それぞれの組み立て方のトリセツの表紙には「電車は飛行機に比べ95%少ないCO2しか排出しない」、「電動キックボードは自動車に比べ39%少ないCO2しか排出しない」などの知識が明記されました。
この取り組みはたった2週間で200万を超えるインプレッションを記録するなど、ポーランド中で大きな話題を呼んだだけでなく、グリーンなトリセツをダウンロード可能にすることで、国中の教師たちが自発的に子供たちへのレッスンを行えるようにしたとか。
多くの家庭にあるレゴブロックを活用した、レゴならではの楽しい環境啓蒙活動。
いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。
それではみなさん、また来週!