世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

メニューにカロリーを載せる…だけではもう不十分

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Photo by Tai's Captures on Unsplash
まだ学生だった90年代、デニーズのメニューひとつひとつにカロリーが表記され始めたことにびっくりしたことを覚えています(その頃はカロリーなどは気にしていなかったので、ガッツリ食べたいのに萎えることをするなよ〜、とかなりナナメに思っていましたがw)。今回はそれが今や…というお話です。
 
<*以下、今回のJust Saladの事例についての出典元はこちらになります>
さて、上の画像をご覧ください。CO2eという見慣れない単位がありますが、これはCO2 equivalent (二酸化炭素換算)を表す単位だそうです。そして先日、全米に41店舗を持つレストランチェーンJust Saladが、自社のメニューひとつひとつに、この単位を添え始めました。つまりそれぞれのメニューを作るにあたり、食材の育成から流通、調理に至るまで1皿あたり、どれぐらいの温室効果ガスが排出されたかの可視化に乗り出したのです。
そして再び、上の画像をご覧ください。ビーフのパティ、たった4分の1個のCO2排出量が3.75kgであるのに対し、Just Salad一皿の排出量はたったの0.81kg。この事実を可視化された暁には、肉好きの自分でもたまには野菜だけのメニューをとってみようかな、と思わざるをえません。
実は消費者の胃袋に届くまでに排出されるCO2のうち、流通過程で発生するのはたったの10%に過ぎないそうで、地産地消も大切ですが、飼育過程で大量の飼料と(森林破壊を誘発するような)広大な面積を必要とする肉を中心とした食生活から、野菜中心の食生活に切り替えること自体が地球温暖化を食い止めるためには、実はかなり効果的手段なのだそうです。
 
今やいつもの食事でカロリーをコントロールするだけでなく、地球にかかる負荷をコントロールしないといけない時代になりました。
 
ちなみにアメリカのファストフードチェーン、チポトレーもアプリでそれぞれのメニューが環境にかける負荷を数値化した「Carbon Footprint」ならぬ「Real ”Food” print」という概念を取り入れ、活用しはじめました。以下、チポトレーのサイエンス・ガイことナイさんによるストレートなPRビデオをご覧ください。

www.youtube.com

「ネットの皆さんハロー。ビル・ナイです。チポトレーは「Real Food Print」という取り組みを始めました。これはあなたが選んだメニューが与える環境負荷を、クリアに図る指標です。これにより、例えばこの(チポトレーの)チキンボールのように、これまでの通常の食材と比べて、これを選ぶことでどれだけ環境負荷が抑えられるかを見ることができるのです。(他社のチキンボールではなく、チポトレーのものを選ぶことで、)どれだけCO2排出が抑えられるのか、水の使用量をセーブできるのか、そして、どれだけ土壌が改善されるのかなど。つまり、あなたは本当に責任感を持って育てられたものを選び、食べることで、より良い社会を耕すこと(Cultivate a Better World)に貢献することができるのです。さて、食べたくなった?」
 
この取り組み、ナイさんが最後に言っているように、チポトレーが昔から唱え続けている「Cultivate a Better World(より良い世界を耕そう) 」というタグライン(スローガン)にも合致していて、同時に他社が真似できなそうな食材の良さ・新鮮さも感じられる、とてもクリーンでストラテジックな動きだと思いました。
 
<*チポトレーの記事の出典元はこちらになります>
 
SFみたいな話ですが、近い将来「糖質ゼロ!」の代わりに「 CO2e50%オフ!」といった食品や飲料がたくさん出てくるかもしれません。
 
いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!
 
 
おまけ:古い広告業界の人間として、「Cultivate a Better World」のスローガンの下チポトレーがここ10年で生み出してきた素晴らしい動画広告を3本、シェアさせていただきます。どちらも自社のパーパスをしっかりと、素晴らしいクラフトで表現しています。

www.youtube.com

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 いつかは日本のブランドで、このように力強いパーパスを持つ企業とタッグを組むことで、日本企業のマーケティングへのリスペクトを世界水準に引き上げられたら、と思います。