みなさんこんにちは。カンヌの特集を終えて心機一転。今回はオンラインを巧みに操りソーシャルキャンペーンを展開している、ふたりの女性活動家をご紹介いたします。
まずはインドのSofia Ashraf(ソフィア・アシュラフ)さん。彼女は地方都市コダイカナルで起きている、水銀による健康被害を国民的関心事にしようと立ち上がりました。
彼女がとった手段は「ラップ」。ラップ歌手でもある彼女がニッキー・ミナージュのヒット曲「アナコンダ」に合わせてコダイカナルの現状を訴えたミュージックビデオを制作したところ、300万以上のビュー数を稼いで文字通り、コダイカナルでの出来事を国民的関心事に盛り上げることに成功しました。
<コダイカナルは屈しない>
<歌詞和訳(冒頭のみ)>
コダイカナルは屈しない コダイカナルは屈しない
改善されるまで、コダイカナルは諦めない
これはコダイカナルについての話
彼らがやってきて厄災をもたらした
土地を汚染することで
つまりこういうこと 彼らは温度計の工場を建てた
そこで働く人たちは水銀を扱ってた
そして彼らは廃棄物を 離れた場所にある植え込みに捨てていた
それがつまり、汚染物質だったというわけ
(以下省略)
ちなみにこれが元ネタとなったアナコンダのミュージックビデオ。
比べてもわかる通り、パロディの方は本当に手作り感覚のミュージックビデオで、ソフィアさんもこれほどの反響を呼ぶとは考えてもいなかったようです。
興味深いのは彼女がかつて、日本にも支社がある世界的広告代理店、オグルビィ・アンド・メイザーで働いていたということ。「広告代理店で働くことで、メッセージを届けるために、大衆文化をどう利用すべきなのかを学びました。ニッキー・ミナージュのアナコンダを使うことで、彼女のファンは気にいるでしょうし、アンチの人にも無視できないものになると思ったんです」とは彼女の弁。
詳しくはこの記事のネタ元でもある、英国紙ザ・ガーディアンのオンラインをご覧ください。
そしてもう一人、この記事を読んでいるうちにふと思い出したのがアメリカのエリン・ブロコビッチさん。彼女の活躍はジュリア・ロバーツ主演で映画になったのをご記憶の方も多いでしょう(もう15年も前の映画なんですね…汗)。
巨大企業を相手に、史上最大級の集団訴訟を成功させた彼女の今を探ろうと検索してみたところ、こんなサイトを立ち上げて消費者を守る運動を続けておりました。
サイトのヘッドラインは「22年。そして今も格闘中。」かつてミスコン荒らしだったという美貌もそのままに、困ったらエリンに言って!とばかりに全米を駆け回っているようです。
二人に共通するのは、きっかけは外部からのものであるものの、最終的には自らの意思と好奇心でイシューに向かって立ち上がっている、という点。その純粋な姿勢がなんらかのカリスマなり、チャームとなって周りを巻き込んでいくんだな、と思いました。
今回の記事の話につきましては、週末の勉強会でもお話しする予定ですのでいらっしゃる方はご期待ください。
気づけばリンク貼りまくりな回になってしまいましたが、皆様ぽちぽちやりながら楽しんでくださいませ。
それでは今週も、元気に「立ち上がって」いきましょう!
[An English Summary]
In this article, I featured two female social activists, Sofia Ashraf and Erin Blockovich. Sophia is an Indian rapper and she succeeded in appealing mercury pollution induced by a global brand's factory in India, through uploading a parody music video of "Anaconda" by Nicki Minaj to YouTube. It's interesting that she learned "how to use popular culture to reach a wider audiende" when she was working for Ogilvy & Mather, the globally well-known advertising agency. And Erin Blockovich, you may know her by the movie starring Julia Roberts in 2000, still works very vigorously by using her own website. Both of them have some charisma or charm by chasing their own curiosity and good faith.