さぁ、ついにこの日がやってきてしまいました。世界の「段ボールを使ったソーシャルキャンペーン」シリーズ、ラストを飾るのはイギリスの超グレートなアイデアです。最終回だけに、もはやダンボールを使い倒すだけでなく、ダンボールの会社を作ってしまいました。広告という枠を超え、いくところまで行ったピュブリシスという広告会社による素晴らしい取り組みを、まずはごらんください。
<デポール段ボール会社>
Depaul "The Depaul Box Company" (Publicis ...
<ビデオ和訳>※映像が途中で一瞬止まりますが問題なく見れます。ご容赦をば。
<変革をリードしよう。ピュブリシス・ロンドン>
デポールUKは、ホームレスの若者たちを救うためのチャリティ団体。不況になると、人々は寄付を渋るようになる。チャリティ団体は、関心を持ってもらい、寄付金を募るために他の団体との激しい競争にさらされることになる。このような状況の中、デポールUKのような小さなチャリティが存在感を示すのは困難なことだった。デポールUKをサポートするためには、変革をリードしなければならなかった。
普通の寄付金を募るやり方では、デポールUKに勝ち目はない。人々の関心を引くためにはもっと予算が必要だが、大きな団体に対抗するほどの余裕はない。だから我々は、寄付金を集めるための革新的な、新しい方法を創出した。我々は、ほとんどの団体が行っている「広告を通じた寄付のお願い」をやめた。代わりにお金を稼ぎ、人々に役立つことをすることにした。キャンペーンではなく、デポールUKのために新しいビジネスモデルを生み出したのだ。
目をつけたのは、ホームレスと段ボールの関係性。人々はホームレスが段ボールの上で眠る姿を良く見ている。ではもし、その段ボールがホームレスの社会復帰を助けることができたらどうだろう。
かくして新しい寄付金を募る、コミュニケーションの全く新しい方法が設立された。
<デポール段ボール会社>
デポール段ボール会社は、引っ越し用の段ボールを販売する会社だ。毎年イギリスでは200万回の引っ越しがある。私たちは制作工程からデザインを行い、段ボールを売るeコマースのプラットフォームも制作した。そのアイデアに共感した人々は、広告枠を無償で提供してくれた。流通網を構築し、デリバリーサービスも可能にした。そして段ボールの売上による利益は100%、ホームレスの若者たちのために活用される。それぞれの箱にはひとりずつ、デポールUKが支援する前のホームレスの若者たちのストーリーが印刷された。われわれは不動産屋とも提携。箱の置き方などにも指示を出した。話はこれだけでは終わらない。我々は今、段ボール箱のアーカイブ作業を進めている。そして、2つの多国籍企業とも契約を締結するにいたった。
デポールUK(CEO)「段ボールには本当にいろいろな用途がある。(おかげで)われわれは継続的な収入を元に、この国の若いホームレスたちを助けることができるのです」
我々は変革をリードすることで、従来の寄付金集めに全く新しい道を開いた。
他が広告をしている間にビジネスを作り、人々が段ボールに抱くイメージを、永遠に変化させたのだ。
“ただの箱なのに、大きな違い”
<変革をリードしよう。ピュブリシス・ロンドン デポール段ボール会社>
さぁ、今まで途上国〜東アジア〜イギリスとつづけてきたこの企画シリーズ、いかがでしたでしょうか?過去二回を見逃した方は以下からアクセスしてみてくださいね。
コスパ抜群!段ボールを使ったソーシャルキャンペーン ~ 途上国編 - 世界のソーシャルキャンペーン
これは賢い!段ボールを使ったソーシャルキャンペーン ~ 東アジア編 - 世界のソーシャルキャンペーン
はぁ、年を越す前になんとか予定していた段ボールがらみのアイデアを全部紹介することができました。しかしそうこうしているうちに、今日もまた世界のどこかで、段ボールを使った素晴らしいアイデアが実施されているかもしれません。。。
それでは世界のみんなに先を越されないように、皆さまもレッツ・ダンボール!!!