世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

国が認めた、世界初の”募金用コイン”

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Photo by Steve Johnson on Unsplash

募金活動の改善を、根本から促すコペルニクス級アイデア

11月に差し掛かろうとしております。年末というと昭和生まれの私は歳末助け合い運動を思い出しますが、コロナを克服した後にはまた街角で、募金箱を持って活動に勤しむ人々が増えてくるのかな、と思います。

そこで今回は、日本でも活用すればきっと、募金活動の大きな助けになるのではないか?というアイデアをご紹介します。

今年の6月に行われたクリエイティビティの世界的祭典、カンヌライオンズのダイレクト部門とアウトドア部門で金賞を受賞したアイデアです。それでは、ご覧ください。

募金用1ドルコイン(Donation Dollar)

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【雑和訳】「デジタルの進化は、通貨の価値を永遠に変えてしまいました。不幸にも、人々があまり硬貨(コイン)を持ち歩かなくなったというのが、想定もしていなかった結果の一つといえるでしょう。

オーストラリアでは多くのチャリティが、多くの障がいを持つ人たちと同様、コインによる募金を頼りにしています。社会の一員として、我々はコインがどのように活用されるべきかについて、再考する必要がありました。紹介しましょう、”募金用1ドルコイン(Donation Dollar)-世界初の消費ではなく、募金のためにデザインされた合法的通貨”。

王立オーストラリア造幣局で作られたこのコインは、オーストラリアの人口一人当たりに1枚、合計2500万枚鋳造され、流通する限り何度も何度も、国民に募金への呼びかけを行うリマインダーとしての役割を果たします。コインの寿命は30年。コインが行き渡るにつれて、そのインパクトが明らかになりました。

2020年の国際チャリティ・デーに流通を開始。このコインは、我々には助けを必要としている人を助ける力があるのだ、ということを日常的に知らせてくれます。結果、このコインは5万以上のオーストラリアのチャリティ団体やセレブリティ、そして国中の人々に支持されました」

”このコインは、助けを必要としている人をサポートすることの必要性を思い出させてくれます”、”このコインを手に入れたら、犬の募金箱に入れない手はありません。この1ドルが違いを生むのです”「人々の寛大な心を、未来の世代のために刺激しました」”*様々なニュースアンカーたちのコメントが入る

[オーストラリアの人口の89.9%にリーチ/ 99.9%がポジティブに反応/ 最初の2ヶ月で53.3%が募金][このコインの1枚が1ヶ月に1度募金されるだけで、年間3億ドルの募金がチャリティ団体に追加で入ることになる。コインの寿命が尽きる頃には、その総額は90億ドルになる-オーストラリア財務省

「募金用1ドルコイン(Donation Dollar)-変化をもたらすための、小さなコイン」

募金側では解決できない問題を「お金」の概念を変えて克服

いかがでしたでしょうか?このブログでもこれまで、(下にリンクを貼っておきますが)様々な団体が、募金やチャリティの金額を上げるために繰り出してきた、様々なアイデアをご紹介してきました。

募金箱の改善や募金の仕組みの工夫、デジタルの活用など、本当に目鱗のソリューションばかりなのですが、今回のような「お金の側」、つまり、いわば”胴元側”に手を加える、というアイデアはおそらく今までにないアイデアかと思われます。

このビデオの冒頭でも語られていた通り、デジタルの浸透により20世紀の常識がどんどん過去のものとなっています。未来の人々が振り返って見たときに、今という時代は、またとんでもなくラディカルな時代なのかもしれません。

これまでの思い込みや縦割りに臆することなく、組織と組織が壁を破壊し、手を取りコラボレーションすることで私たちの可能性は無限大に拡がるのだ、ということをこのアイデアは力強く示してくれています。

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それではみなさん、また来週!

【巻末付録】募金に関するアイデア

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