日本では忖度なしに飛ばすのが難しいドローンですが、今回はドローンを使ってすでに世界を変え始めているアメリカ西海岸のスタートアップ企業、Ziplineの素晴らしい取り組みをご紹介します。
まずはルワンダで事業を始めたばかりの2016年10月に、TechCrunchに紹介された動画をご覧ください。やっていることはもちろん素晴らしいですが、ドローンの着陸方法が大胆で目を奪われます。
Zipline drones airdrop medical supplies to African villages
要約すると、Ziplineはアフリカの僻地に医療品を配達するドローンのデザインと製造、オペレーションを手がけている会社で、ルワンダ政府を顧客に、輸血用血液の輸送を手がけているそうです。輸送方法は、カタパルトから発射されたドローンをコントロールし、指定された場所に医療品をパラシュートで投下するというもの。任務を終えたドローンは空母に着陸する戦闘機よろしく、ワイヤーに自らを引っ掛けて着陸します。これも、滑走路を整備するのが(おそらくコスト的に)難しいという制約から生まれたアイデアだそうですが、ローテクなのにとても未来を感じます。
また医療品の倉庫のそばにカタパルトを置いているので、余計な流通センターもいらず、シンプルに政府のコストを減らしつつ、人々の命も救えるという、まさに一石二鳥のアイデアだといえます。
そして半年後の2017年7月にFRANCE24に取材された、後日談がこちら。
Rwanda: Zipline, the drone delivery system who revolutionizes healthcare
去年の7月現在で、ドローンの稼働回数は750回以上、ルワンダの21の病院にすでに血液が届けられ、多くの人々を救っているそうです。最後のお医者さんの「本当に助かっている」という言葉が印象的ですね。
誰もが簡単にメーカー(製造者)になれる時代。このZiplineのように、個人個人がアイデア次第で世の中をよりよくできる時代の波が、遂に来たのを感じています。
“乗るしかない、このビッグウェーブに!”
という気持ちにさせてくれる、気持ちの良い取り組みでした。