さて、6月。じんわりと蒸し暑さが増してくるころですが皆さまいかがお過ごしでしょうか?今回は私が子供の頃、さまざまな戦争アクション映画で楽しませてくれたアメリカが抱えている「現実の闇」を鋭くえぐったムービーを見つけましたのでご紹介します。やっぱり戦争というものはろくなものではない、ということを教えてくれるこの一品はまた、事実の数字を羅列するだけで満足しがちなソーシャルキャンペーンの発信者たちに「見る人が共感できる切り口」をきちんと探すことの大切さを教えてくれています。
<22人を救おう>
<ビデオ和訳>
“戦場カメラマン デビッド・グッテンフェルダー”
私はアイオワの小さなコミュニティで、スポーツやニュースを取材するローカル紙のカメラマンをしています。でもそれは一部分で、私は20年間にわたり、世界中の紛争地を取材する、戦場カメラマンでもありました。シリアやコンゴ、コソボ・・・。ここ10年はイラクやアフガンを撮り続けてきました。悪いことは続くもので・・。
現地に行くと自分のことなんかどうでもよくなり、そんな場所に自分の意思でやってきている人々との連帯を感じるようになります。ただ取材して回るだけじゃない、もっと大きな使命を感じるようになるのです。
そして帰国してみると、かなりたくさんの兵士が次々と自殺していることがわかりました。
・・・信じられませんでした。
<戦争ではなく自殺が、アメリカ軍兵士の死因の第1位になっている>
私は戦争をもっと大きく捉え、おもに20代の兵士たちの家を回り、取材を行いました。
<アメリカでは1日平均22人の退役軍人が自殺している>
彼らは友人であり、守ってくれる人たちであり、彼らを通じて私は、兵士とはどういうものかを知ったり、アメリカという国についてもう一度学んだりしたものでした。
<最も苛烈な戦闘が行われているのは、戦地ではなくあなたの近所だ。>
<ライアン・クラッパー 1985~2013>
<ブランドン・C・ラドナー 1987~2014>
<クレイ・ワード 1965~2013>
<ショーン・D・ブリーカー 1977~2012>
<ウィリアム・S・バスビー 1988~2012>
彼らは普通の若者で、戦地で友を作り、あだ名で呼び合い、余興で筋肉を競い合うような日々を過ごしてきたはずです。だけど帰国してみると・・・彼らに何が起きたのでしょう?
<22人を救おう。#save22>
以上、いかがでしたでしょうか?「1日平均22人の退役軍人が自殺している」という事実だけでは人々は「あら大変」としか思いません。その事実を素晴らしい演出で「最も苛烈な戦闘が行われているのは、あなたの近所だ」と投げかけることでこのムービーはおそらく「ああ、イラクから帰ってきてから元気がない町内のグレッグさんに声かけてみようかしら」という風に、たくさんの普通のアメリカ人たちの気持ちを動かしていることでしょう。
このアプローチは日々、自分の組織のアピールに悩んでいる皆さまにも非常に参考になると思います。ぜひご活用ください。
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さて、昨年の7月12日になんとなく始めたこのブログも今回の投稿で合計2万PVを超えそうです。更新はしんどい時もありますがw、最近はPVの伸びも力強く、暮らしの中の大きな楽しみのひとつとなっております。皆さま引き続きどうぞ、よろしくお願いいたします。