これまで本ブログでは様々なドネーションキャンペーンを紹介してまいりましたが、今回はフットボールクラブととことんコラボすることで実現した、ブラジルの血液バンク・ヘモバによる献血促進アイデアをご紹介します。ユニフォームが赤と黒の縞模様であることに目をつけたこのキャンペーン、ここまでやるか?の驚きでみんなに面白がりながら参加してもらう、明るい巻き込み型キャンペーンの成功事例だといえます。
<私の血は赤と黒>
My blood is red and black - Case Study - YouTube
<ビデオ和訳>
ブラジルは、全国的に輸血用の血液が不足していた。 それはバイーア州でも同じだった。自分が関心のある人が血液を必要としないと、人々はあまり献血しようと思わない。そこで我々は献血を促すべく、彼らが情熱を傾けているものを利用する事を考えた。フットボールチームとコラボしたのだ。
<ヘモバ&F.Cヴィトーリアpresents “私の地は赤と黒”>
キャスター「続いて興味深いニュースを」
レポーター「ヴィトーリアがファンを動かそうとしています!」
キャスター「赤と黒の伝統的ユニフォームさえ変えてしまうという独創的なアイデアで」
キャスター「献血促進という、素晴らしい目的のために」
我々はバイーア州にあり、100年以上の歴史を持つブラジルの代表的フットボールチーム、ヴィトーリアの伝統的な赤と黒のユニフォームから、赤色を抜き取ったのだ。
そしてファンが献血をすればするほど、ユニフォームに段階的に赤色が戻っていくという寸法だ。
<2012年6月30日 対AVA戦>
アナウンサー「へモバをサポートするためのキャンペーンは、土曜日のAVA戦でスタートしました」
<キャンペーンは初戦と同時にスタート>
ナレーター「ヴィトーリアはみんなのために心血を注いで来た。今こそ、恩返しをするときだ」
司会者「すごいねヴィトーリア!ブラジルとバイーア州の輸血不足解消のために、ユニフォームから赤色を取ってしまった!」
<2012年7月10日 対PAR戦>
アナウンサー「試合毎に赤色の縞が復活して来ています!これは献血者の数が集まっていることを示しています」
<2012年7月28日 対CRB戦>
キャスター「ヴィクトリアは献血者のためのキャンペーンを展開しています」
キャスター「このまま行けば、じきにいつもの赤と黒のユニフォームに戻りそうです」
<赤色が抜けたのユニフォームのレプリカは非公認の売店で売り出されるまでになった>
売店の人「このユニフォームはいい記念になるよ」
<2012年8月3日 対BRA戦>
ヴィクトリアのマネージングディレクター「国中で反響を呼ぶとは思っていたけれども、国を超えて話題になるとは思わなかったね」
<PES 2012には、このユニフォームを使ったユーザーのチームまで出現した>
<2012年8月14日 対GUA戦>
キャスター「このキャンペーンは来週火曜日で終了します」
キャスター「ヴィトーリアとへモバのパートナーシップは、バイーア州の献血者数の増加に貢献しました」
キャスター「ヴィトーリアのこの取り組みは本当にびっくりしたよね」
<献血者の数=46%上昇>
<予算=200万円弱>
<メディア露出=およそ9億円分
〜オンラインで10億ビュー以上を達成〜
〜1億3000万人にリーチ〜
〜935分のテレビ露出を達成〜>
ファンの子ども「献血してね!」
< “私の地は赤と黒”>
以上、ともするとなにかと深刻になりがちなソーシャルキャンペーンですが、やっぱり北風ではなく、太陽の暖かさで喜んでコートを脱いでもらってこそアイデアの価値があるのだ、と改めて感じた楽しい事例でございました。