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世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

記憶の風化を防げ・19年前の爆破テロを再現したアルゼンチンのキャンペーン

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 皆さんは、アルゼンチンで1994年に起きたテロ事件の事をご存知でしょうか?ユダヤ人のコミュニティセンターであるAMIAをイラン系(とみられる)テロリストたちが爆破。7階建ての同建物は完全に倒壊し、85名の死者を出したという大惨事です。人災でこのような命が失われる事は悲しくて仕方ないですが、ネットでざっと調べた限りでは、(国家間のいざこざなどもからみ)まだ犯人は捕まっていないようです。解決されないままに薄れゆく事件の記憶の風化に対して、被害の当事者たちはどのような手段で社会に訴えたのでしょうか?災害の多い日本でも、記憶の風化を食い止め、伝承していく事は、次の災害での被害を減らすためにも必要不可欠な課題です。

日本人のメンタリティ的に、そのまま取り入れるには過激すぎるアイデアかもしれませんが、演出の工夫次第で、何らかの参考になるかもしれません。ぜひご覧ください。

<AMIAブース>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

"1994年7月18日。テロリストたちがアルゼンチンのユダヤ人コミュニティセンター、AMIAを破壊した"

"どうしたら19年後の今の人々に、正義を訴える事ができるのだろう?"

"我々は生存者の証言を集め、この事件を調査したエキスパートと話し合った"

ジョルジ・ベレンブラム(生存者)

「最初、何が起きたのか分からなかった」

マルティン・カノ(生存者)

「一生忘れられないんだ。絶対に無理だよ」

アベラルド・カプデヴィラ(緊急治療室長)

「犠牲者ははねとばされ、猛烈な熱波にさらされた」

"我々は、爆破の至近距離にいた人が体験した、テロの瞬間を再現するブースをデザインした。…人々が、犠牲者の気持を追体験できるように"

<誇りと匂い噴出器>

<熱波&音響ジェネレーター>

<振動する床>

<原寸大プロジェクション>

<10サラウンド・サウンド(7.1)>

"1994年のAMIAにあったオフィスを忠実に再現ブースの中のスクリーンに投影された"

「あの日、同僚の代わりでキッチンにいたんだ。9時半に下に降りて10分後・・」

SE:爆発音

「最初に思い浮かべたのは家族の事です」

「助けてくれ〜!」

"我々は、生存者が体験した事を人々に感じてもらった。…事件を風化させないために"

"5000人以上の人が新しい生存者としてブースを体験"

体験者A「きついね」

体験者B「他人事だと思っていたけど、今は被害者の気持ちが分かるよ。ブースに入らなければ自分がどう感じるかなんて、分からなかったろうね」

体験者C「体験しないと、分からないと思うわ。理屈で分かるようなことじゃないの。一度感じたら、一生忘れられなくなると思う」 

"メディアもまるでテロ直後の時のように、これを大きく報道。国全体が、もう一度テロに襲撃されたようなムードになった" 

"2013年7月18日。テロリストによるAMIAへの襲撃、再現。すべては忘却にあらがうために"

<AMIA – ユダヤ人コミュニティセンター>

 

大昔に取り上げたAnt Rally(下記リンク参照の事)でもそうですが、アイデアさえよければ、たったひとつのブースを置くだけでも国内はもちろん、世界的な話題にもなりうるという好例です。

こんなのアリ?熱帯雨林を守るためにアリたちが立ち上がる! - 世界のソーシャルキャンペーン

 

実は前回、時間が調整できずに1回アップを飛ばしてしまいましたが(スミマセン)、アイデアの力を信じて今週一週間も張り切ってまいりましょう。