世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

こんなのアリ?熱帯雨林を守るためにアリたちが立ち上がる!

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今回はイシューとして取り上げられすぎて(残念なことに)一部では飽きられている感もある環境問題について、再び人々の耳目を引きつけたユニークなキャンペーンをご紹介します。

熱帯雨林の保護を訴えるデモ行進。赤の他人がやるよりも、当事者たちによるデモのほうが説得力があるのでは?と考えたWWF世界自然保護基金)がその設立50周年を記念して、熱帯雨林を故郷に持つ当事者たちに横断幕を手渡し、抗議活動を行ってもらいました。

その当事者たちとはなんと・・・アリ。ハキリアリの葉っぱを持ち運ぶ習性を活かし、デモ行進の主役をヒトからアリに入れ替えることでありきたりなデモ行進を一転、ビッグニュースに変えてしまった素晴らしいアイデアです。

皆さまの日々の取り組みの中でも同じようにちょっとした「入れ替え」を行うことでものすごいニュースバリューを生み出すものがあるかもしれないですよね。思いついたらぜひ、やってみてください。

そしてこのキャンペーン、実施した国はまたもやドイツでございます。サッカーもキャンペーンも、やっぱりドイツはすごいなぁ。


WWF Germany - "Ant Rally" - YouTube

<ビデオ和訳>

白亜紀に進化を遂げたハキリアリは、この星で人類に次いで最大規模の複雑な生態社会を形成してきた。しかし、1億3千万年の時を超えて・・・彼らはついに、日々のルーチンワークを断固たる政治的手段に切り替えることにしたのだ。

WWF世界自然保護基金)の誕生50周年を祝う記念日に、ケルン動物園の50万匹のハキリアリたちは、5日間の抗議デモ「アリの大決起集会」を行った。

 <アリたちのメッセージ>

 「木を救え!」

 「チェーンソーを禁止せよ!」

 「闘おう!」

 「連帯を!」

 「今すぐ募金を!」

彼らは声を上げた。熱帯雨林を破壊から守るために。自らの巣を守り、絶滅危惧種を絶滅から救うために。そして最終的には、彼らの使命への支持を取り付けるために。3万人の動物園来場者が目の当たりにしたアリたちのメッセージは、オンラインニュースやブロガーたち、SNSに取り上げられた。

  <オンラインでの声>

 「間違いなく魅了される!」

 「ハハ、スゴすぎ!#theantrally」

 「その調子だ!」

 「#ケルン動物園 で世界最大の#反乱 が」

 「今こそ立ち上がれ!」

そしてもちろん、既存のメディアにも(取り上げられた)。

  <テレビニュースのコメント>

 「50万人の活動家たちが熱帯雨林を守るために立ち上がりました」

 「スゴいね!」

長い歴史の中で、昆虫たちがついに立ち上がり、行進し、バイラルしたのだ。

・・・アドバタイジング(広告)を、「アリ」バタイジングに変えることで。 

 <タイトル>

 WWF 50周年