世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

スマ〜イル!コミュニティに笑顔を増やしたペルーのソーシャルキャンペーン

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さて、いつもは社会的な課題の解決や、認知促進を促すキャンペーンを扱うこのブログですが、今回は社会的に手つかずのまま放置されていた「つまらないもの」を、楽しく変える事でコミュニティ全体に笑顔をもたらしたペルーのアイデアをご紹介します。

目をつけたのは、国民みんなが持ち歩く身分証明証(ID)。日本でいえば、免許証ですね。それを彼らはどうしたか?まずはビデオを見てみましょう。


Cannes Media: GP a 'Happy ID' ideato da McCann ...

<ビデオ和訳>

ペルーは幸せな国になるための要素をすべて持つ国。豊かな文化、多様な自然、そして世界的な金融恐慌の中での素晴らしい経済的成長。なのに「幸福度」となると一転して、地域でも最低クラスのランクになってしまう。コカコーラはこれを国全体で、一気に変革する事に決めた。ペルーの人々の身分証明証(ID)は、生真面目で陰気な顔が多い。しかしペルーでは特に「IDの写真では笑顔になってはいけない」という法規制があるわけではなかった。コカコーラ社はそれに着目し、国中に幸福を拡げる事にしたのである。

コカコーラ社提供「ハッピーID」

IDを作るためには、証明写真が必要になる。そこで我々は無料のフォトブースを全国に設置。いかなるボタンを押す事もなく、笑顔になれば自動的に写真が撮れる仕組みにした。統合的なキャンペーンが、人々の笑顔をサポート。笑顔の写真を撮れば、無料でコカコーラをプレゼントするスペシャルブースも展開した。開始からわずか1ヵ月にして、ペルー政府により発行される身分証明証の90%がハッピーなものに。そのカードは店舗で提示すれば商品の割引サービスが受けられる特典カードとしても機能した。これらの取り組みはテレビ、ラジオ、オンライン、新聞などでも「幸せなニュース」として伝えられた。SNS上でも、ペルーの人々の幸せ/不幸せについての話題が拡散。何気ない物事にその国を個性的にする価値を与え、人々に笑顔をもたらす。この取り組みはペルーの人々のアイデンティティを変革し続けることだろう。そして幸せを中南米全体に拡げるべく、この取り組みはまもなく他の国々にも展開される予定だ。

そうですね、日本でも免許証といえば「なんでいつもあんな顔になっちゃうんだろう」と思いつつ財布の中に入れておく、できれば「見せたくないもの」ですが、これならもうちょっとポジティブな気分で持ち歩く事ができそうです。

このように、世の中の「よくないこと」を解決するだけでなく、特に問題もないので見すごされがちな「つまらないもの」をプラスに上書きして暮らしをより良くしていく、という努力もコミュニティの魅力を上げるためには必要な事かもしれないなぁ、と思いました。

この記事を書いていてふと、ニューヨークのセントラルパークのゴミ箱について取り上げた過去記事を思い出したので貼りつけておきますね。

wsc.hatenablog.com

 以上、今日もいろいろと大変な世の中ですが、「よくないこと」は正し、「つまらないこと」は面白くする意気込みで今日も頑張っていきましょう!