世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

動物たちが権利を求めてストライキ!?NZ発の楽しいソーシャルキャンペーン

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アスファルトの温度も下がり、ワンちゃんたちとも安心してお散歩に行ける季節になりましたが皆さまいかがおすごしでしょうか?今回は、そんな愛犬家をはじめとする皆さまのために、動物愛護をテーマにしたNZ(ニュージーランド)発のソーシャルキャンペーンをご紹介します。同国の国会で通ってしまった、脱法ドラッグの安全性確保のために動物実験を義務づける法案。それに反対するために、動物愛護団体がとった奇策とは…。

私が働いている広告業界では昔から「動物と赤ちゃんを使った表現は強い」という定説があるのですが、それを差し引いても面白く、自分も参加したくなる(←これが大事!)アイデアなので、ぜひお楽しみください。


Paw Justice - Animal Strike - YouTube

 <ビデオ要訳>

“2013年、ニュージーランド政府は新しい法案を通過させた”

“それは、犬を使った脱法ドラッグの安全性テストを求めるもの”

「野党は脱法ドラッグの安全性テストのため、動物を使う法案の否決に失敗しました」

安全性を確認するための法案とはいえ、動物たちを実験台にする事については賛否が分かれています」

動物愛護団体PAW JUSTICE(肉球の正義)は、この法案を変えるために一般の人々からの支持を必要としていた”

“私たちは、オンライン上で動物たちが人々を魅了している事に目をつけた”

“注目を集めるため、私たちはこれらの楽しみを人々から取り上げることにした” 

「グーグルやYouTubeをはじめとする(オンライン)メディアが、人気の動物コンテンツをすべてブロックします」

“グーグルやYouTubeとコラボレーションして1日だけ、国内で動物がらみのコンテンツをブロックしたのだ”

〜「動物たちのストライキ」 2013年9月26日〜

“検索 愉快な犬”→“すみません。おさがしの動物はストライキ中です”

“我々は人々が署名をしたり、自身の動物コンテンツをブロックしてストライキに参加できる仕組みを構築した”

“ご署名をお願いします”→“その他の参加方法:あなたのサイトをストライキする・SNSで支持を表明する・あなたのYouTubeチャンネルをストライキする・ペットにストライキさせる(抗議ポスターのデータはこちら)”

ストライキは、あらゆるSNSやメディアで拡散した”

「今日は投稿できません」「犬猫の面白いの見るの、今日は我慢しような」…等々

“動物の動画はアップロードされなかった”

「この法案にはイライラしてるの。本当にワケが分からないわ」

“そして、ウェブサイトは遮断された”

「なぜ純真無垢かつ、無害の動物たちが犠牲にならなければならないのでしょう」

“たった1日の試みで、動物たちのストライキは2200万人以上が認知する運動になった”

“世論の動きを見た政府は現在、法案の修正を検討している”

「はたして脱法ドラッグのために動物が犠牲になってよいのか、世論に追いつめられた政府は、法案の大幅な修正を余儀なくされています」

“動物たちのストライキ” “PAW JUSTICE(肉球の正義)” 

 

生き物をうまく使ってメッセージを仕掛けたキャンペーン、という事で、過去の記事でも取り上げたドイツWWFの「アリたちのデモ行進(以下参照のこと)」を類似例として思い出しました。このように、人間の意志なく起こったり、習性に従って動くものに便乗してアピールしたいメッセージを訴求する、という考え方は面白いアイデアの切り口になるかもしれませんね。

こんなのアリ?熱帯雨林を守るためにアリたちが立ち上がる! - 世界のソーシャルキャンペーン

また、ワンちゃん好きな皆さまは以下の過去記事もお見逃しなく。

頑張れワンちゃん・捨て犬たちの里親探し大作戦! - 世界のソーシャルキャンペーン

 

以上、課題はシリアスなものの、ユーモアと愛にあふれたアイデアで国中の注目を集めたソーシャルキャンペーンでした!