世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

謎のサンタが警察とコラボ。これぞアメリカ!な心温まるソーシャルキャンペーン

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社会のルール違反を取り締まるという役回りゆえ、どうしても嫌われ役に回りがちな警官たち。特に運転中、ケアレスミスで警官に車窓を叩かれた瞬間のあの「あぁ、やっちまった〜」という感情は苦いものです。

今回は、そんな感情に覚えのある人なら驚きもより大きくなる、アメリカのとある資産家が警察のイメージアップのために行った、クリスマスシーズンならではの粋な取り組みをご紹介いたします。以下のCBSニュースをごらんください。

<Unique traffic stops in Kansas City, Missouri bring drivers to tears. / ドライバーが涙した、カンザスのユニークな交通取締り> 

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

アンカー「本日の『オン・ザ・ロード』では交通取締の警官と、人々のユニークな交流をご紹介します。スティーブ・ハートマンのレポートです」

レポーター「今月上旬、ミズーリ州のカンザスシティではジャクソン郡の警官たちが交通取締りをしていました。獲物を見つけると、背後を走行。しかしその取締り方法は、他では見られないものでした」

警官「こんにちは。あなたたちを追っていたのですが」

市民A「どういうこと?」

市民B「サイテー‥」

レポーター「この取締りが違うのは、その背景にいる男」

赤い帽子の男「おはよう」

レポーター「赤い帽子をかぶったこの男の素性は、『秘密のサンタ』としか明かされていません」

赤い帽子の男「今日は特別なミッションに取り組んでもらう。取締りで、究極の優しさを振りまいてもらいたい」

レポーター「毎年、匿名のこの裕福なビジネスマンは総額10万ドル(およそ1,200万円)を100ドル札にして、通りすがりの人々に与えています」

赤い帽子の男「しかし、」

レポーター「しかし今年は、彼が自分で配る代わりに、警察官たちに代理をお願いしたのです。かくして100ドル札で武装した警官たちは、サンタからの任務を遂行しました。ターゲットはおもにこれらを喜んでくれそうな、でこぼこで、年季の入った車のドライバーたち」

警官「メリークリスマス!」

市民C「なんなの?」

警官「これどうぞ」

市民C「え…ホントに!?うわー!」

レポーター「ほとんどの人たちは、歓喜に沸きました」

市民D「ありがとう!」

レポーター「そして、涙しました」

市民E「キャーー!」

レポーター「それらの反応は、彼らがいかに現金を必要としているかを示していました。取締りは、停車中の車にも…」

警官「すみません。」

市民F「(通話中で)ちょっと待って。すぐ出るつもりだから…」

警官「秘密のサンタが、これを受け取ってほしいと」

レポーター「3人の子持ちのジェシカ・ラドリゲスは警官に、あなたのおかげでクリスマスを乗り越えられると言いました」

市民F「子供に何もしれやれないと悩んでいたのよ…」

警官「いいクリスマスが送れるといいね」

レポーター「実はこのようなひと時が、このミッションの目的でした。今年は秘密のサンタに、秘密のミッションがあったのです」

レポーター「この取り組みを今回、警官たちにお願いした理由は?」

赤い帽子の男「喜びだよ。警官たちは報われず、かなり傷ついているからね」

レポーター「今年はいろいろな過ちを糾弾された警察ですが、ほとんどの善良な警官たちは、メディアに取り上げられることもありません。そこで秘密のサンタが、このような機会を警官たちにプレゼントしたのです。…警官と人々の関係性を変えるような。…ホームレスを実際に救うような。…みんなに感謝され、武力で両手を上げさせるのではなく、両手を上げて感謝されるような、素晴らしい機会を。たくさん抱きしめ合い、体に装着したカメラはへしゃげましたが、その価値はありました。人々はまた、信頼を取り戻しました。そして警官たちも…日々の苦労が報われたのです。以上、スティーブ・ハートマンがミズーリカンザスシティからお届けしました。」

アンカー「おー、わぁ‥。以上、本日のニュースをCBSからお届けしました。」

いかがでしたでしょうか?一部の警官の人種差別的な行いなどにより、イメージの悪化に苦しんでいたアメリカの警察。その改善のために、市民たちにサプライズかつ人間味あふれるきっかけを与える、というのはまさに意義のある取り組みだと感心しました。

このアイデアの素晴らしさを要約すると、以下の3点になります。

1:暮らしの中で避けたい瞬間のひとつに目をつけ、それを素晴らしい瞬間に塗り替えてしまったこと

2:クリスマスというフォーマットを活用し、警官と市民たちの交流を促すことで、警察に対して根付いてしまった不信感を解消させたこと

3:実際に寄付された金額以上の喜びと絆を、コミュニティ全体にもたらしたこと

並の人であれば寄付するだけで満足してしまうところですが、どうせ寄付するならもっといい方法で、というのはなかなかできるものではありません。この「善意を欲張る」という心意気は、アイデアを考えるものとしてぜひ見習いたいと思います。

そして最後に、「秘密の」と自称しておきながら、ビデオをよく見ると実はちょくちょく現場に顔を出している、お茶目な出たがりサンタさんに、拍手!

This is a great news of the holiday season from Kansas City, Missouri. This idea teaches us the value of money becomes “priceless” when people mix it with a great idea. Just amazing.