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世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

SXSW2015報告その2:クルマの未来にガチで取り組むアメリカ社会

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皆さんこんにちは。前回に引き続き、今回もテキサス州オースティンで開かれた「世界最大級の技術と映像・音楽のコンベンション」SXSW2015で学んだことをご紹介します。今年のSXSWで行われた無数のセミナーの中でも大きな関心ごとのひとつとなっていたのが「クルマの未来」でした。

私が参加した上記写真のAdvanced Mobility(進化するモビリティ)というパネルディスカッションでは、ミシガン大学運輸調査研究所(UMTRI)の研究・開発者たちが登場。彼らがFordなどと組んで2000年代から取り組んでいるコネクテッド・カー(車同士が通信し合い、事故や渋滞を防ぐクルマ)や、自動運転を行うクルマの実現・普及に向けての取り組みを紹介していました。他のIT企業とは違って地に足がついた、彼らの本気度あふれる取り組みがよくまとめられた、実験施設紹介ビデオを発見したのでご紹介します。

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

「モビリティの革命」

インターネットがいかに社会や暮らしを変革したかは周知の事実。ですが、それと同じぐらい、あなたの暮らしをずっとよくする変革が、クルマの社会にも訪れようとしています。

<命を救う>

想像してください。ひどいクラッシュが、安全にかつ簡単に防がれることを。すべてのクルマが、事前に車同士で話し合うことができるようになるのです。

このテクノロジーは、アメリカだけでも、毎年何千・何百万人もの死傷者を救う可能性を持っています。

<ルートの変更>

想像してください。渋滞知らずになることを。あなたの車が自動的にルートを調整してくれるのです。この技術はあなたの時間の無駄をなくし、より予定を立てやすくしてくれることでしょう。

<安定した交通>

そしてそれは、何十億トンもの燃料や温暖化ガスの排出量削減にもつながります。

<オンデマンド・モビリティ>

想像してください。どこでも乗り降りが可能な、オンデマンドでやってくる交通機関を。これは今、移動の手段を持てずにいる人たちにその機会を与えてくれることでしょう。

<自動流通網>

この技術は流通にも大きな自由を与えます。すべてのものが、作り手からあなたの玄関先に自動で送られるようになることでしょう。世界中の都市における、食料などの供給がこれまでよりも円滑に行われることになるのです。

 これらの変化が、経済におよぼす成長の可能性を想像してください。ここから多くのビジネスや雇用が生まれることでしょう。サイエンス・フィクション(空想)が今、サイエンス・ファクト(事実)になりつつあるのです。

そしてその母体となるのが、ミシガン大学モビリティ・トランスフォーメーション・センターとそのユニークなテスト施設、Mシティ。

ここでは大学の第一線で活躍する研究者たちが、政府や様々な分野の産業と協同でエンジニアリングやデザイン、コンピューターサイエンス、人間工学、ビジネス、ビッグデータ、通信システム、都市計画、政策、安全、保険、そして法規制などにおける様々な課題の克服に取り組んでいます。こうした施設で定期的な実験・開発を行うとともに、実際の都市アン・アーバーでは日々を営む、数千の一般市民のクルマを使ったコネクテッド・カーの実証実験が行われています。これは間もなくミシガンの南東エリア全域に拡大され、何万台ものクルマによって運用が始められることになるでしょう。

我々のこれらの国境を越えた産学一体の取り組みは、いずれアメリカ中、そして世界中に新たな現実を実現していくことになります。ミシガン大学モビリティ・トランスフォーメーション・センター。我々は2021年までにコネクテッドで、自動運転を行うクルマの基礎となるシステムを作ることでモビリティの未来を走ります。

さて皆さま、いかがでしたでしょうか?実際のパネルディスカッションでも、クルマに取り付けたセンサーから解析した街のCGデータが披露されたり、「2021年までに、アン・アーバー地区に2000台の自動運転車を導入する」という目標が披露されたりと、刺激がたくさんのひと時でした。でも最先端を走る彼らの心に共通する想いは、今の自動車がもっと良くなるのではないか、というすごく人間的なもの。「アメリカ人が1日当たり平均1.5時間を過ごす場所なのだから、もっとベターになるべき」「クルマは家計で(家に次いで)2番目に大きな買い物。しかしみんなでシェアすれば、その重い負担をなくせるのでは」と語る彼らの姿に、日本もこうしちゃおられないとの想いを熱く抱いたのでした。

SXSWでは他にも、 アメリカ運輸省のお役人さんが出てきて、クルマが通信し合うことについてのプライバシー保護についての議論を参加者と激しく討論し合う(実際はボコボコにされてたw)セッションがあったりなど、自動で運転するクルマが「できる」「できない」の次元を超えて、すでに「いつ・どうやるか」という概念で国全体が走り出している姿に衝撃を受けました。

SXSWのレポート、もうしばらく続けていこうと思います。

 

<追記:以下にこの記事に関連するリンク先をつけておきます。上のふたつがミシガン大学のもの、残りがアメリカ運輸省のものです。ミシガン大学はサイトのデザインひとつとってもイメージの管理や表現が上手だと思います。こういうディテールのひとつひとつが、企業の声のかけやすさなどを左右していくんでしょうね。産学協同をうたう日本の大学にもどんどん真似してほしいと思いました。>

University of Michigan Mobility Transformation Center

UMTRI - University of Michigan Transportation Research Institute

Research and Innovative Technology Administration (RITA) - United States Department of Transportation (USDOT, US DOT or DOT)