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世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

なるほど!理解されにくい難病の症状を可視化したソ−シャルキャンペーン:THIS BIKE HAS MS

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あけましておめでとうございます。久しぶりの更新ですが、今回はオーストラリアでつい先日発表された、多発性硬化症の患者を支援するためのキャンペーンをご紹介します。多発性硬化症とは中枢神経に起こる病変により、体にしびれや歩行障害、視力の低下などといったさまざまな障害が不規則に起こる難病。外見にも変化が起きず、他人がなかなか理解してくれないその辛さをわかってもらうために、ほとんどの人が乗ったことのある「自転車」にその症状を移植してしまいました。

Happy new year! As the first article in 2016, I feature the social campaign from Australia, which makes people understand the severe symptoms of multiple sclerosis, which are hard to imagine for general public. Please watch the casefilm of this clever campaign.

<多発性硬化自転車 This bike has MS>

www.youtube.com

<ビデオ和訳 *話者不明のところは#にしています>

ナレーター:これはとんでもない乗り物だ。ギアは不規則に変速し、車体のバランスはめちゃくちゃ。そしてブレーキも麻痺している。“このバイクは、多発性硬化症(multiple sclerosis以下MS)に苦しんでいる。”

神経学者「MSは脳と脊髄の情報をつかさどる部分に中枢神経を通じて影響を与える病気です。」

理学療法士「人により症状が異なるものです。」

#「実際にかかってみないと、この病気がどんなものかを伝えることは難しいと思います。」

患者の母親「一見、病気にかかっているようには見えないので、患者であることを理解してもらうことが難しいのです。」

ナレーター:MSと言う病気の理解を促進するために、パラリンピアンであるキャロル・クック(1998年にMSを発症)が、神経学者、理学療法士と自転車のメカニック、患者たちからなるチームを率いて自転車を作った。」

メカニックA「MSにかかった時に暮らしの中で起こる困難を再現するため、自転車を作り直さなければいけませんでした。まず最初に、フレームを歪ませることから始めました。」

メカニックB「めまいを起こすような変速ギアをつけて、乗ってて疲れてしまう、バランスの悪い自転車を作りました。ホイールも歪んでますし…。」

メカニックA「まっすぐ走らせるためには、常に集中していないといけません。特に重い部品を使ってたりするので、とてもしんどいです。」

メカニックA「すこし走らせると、自転車乗りが普段は使うことがない筋肉を使う羽目になります。」

メカニックB「リアのギアから歯車を欠けさせて、乗り手の意思に沿わない作りにしました。サドルもプラスチックのBMX用のものなので、快適なものではありません。」

患者の母親「単に物をつかむだけにしても、手の感覚を失ってしまうので通常よりも努力をしなければなりません。」

メカニックA「ハンドルのバーテープにも心地の悪い細い物を使い、中にベアリングの玉を入れ込みました。」

#「とてもではないけれども、長距離は乗りたくないバイクです。乗り心地がとにかく、ひどい。」

理学療法士「(この試みを通じて)医学の専門家と普通の人々がこの病気について、理解を深めることができたと思います。」

#「症状について理解が深まることで、この病気への医学的関心が促進されればと思います。」

#「MSという病気は隠れていて、人々はまだ理解できていないのです。」

<MS自転車 –MS メルボルンサイクル(Melbourne Cycle) 

 

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www.adweek.com