世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

少女たちの精神を蝕むセルフィーの”負の側面”【カンヌ2022より】

UnsplashのCristina Zaragozaが撮影した写真

誰もが発信者になれる時代の新しい問題

私は子供の頃、まだインターネットは身の回りにありませんでした。漫画や映画を見ては、あぁ、自分も漫画家や映画監督のように何かを発信できる大人になりたいと思い勉強し、大学に入り会社に入り…SNSやネットで自己発信を始める頃には、アラフォーになっていました。

でも、今の子供は生まれた瞬間からインターネットで繋がれた世界に生きています。スマホSNSさえあれば、誰だって発信者になれる時代。そしてそれは、何の免疫もなしに子供たちがいきなり「映え」や「盛り」に満ちた虚構の世界に放り込まれ得ることを示しています。

実際、ソーシャルメディアを使う少女たちを対象にしたアメリカでの調査によると、彼女たちが13歳になるころには、実にその80%が自分の姿をオンライン上で加工しているそうです。

周りが押し付ける美醜の価値観に振り回され、自身のありのままの姿をポジティブに見れない、というのは心身の健全な発達のためにも良くありません。

そこで長年、女性のありのままの姿を美しいものとして取り上げてきた世界的ボディケアブランドのDoveが立ち上がりました。

…ということで今回はDoveが自ブランドのプリント広告を通じて、この問題に立ち向かったキャンペーンを取り上げます。

ちなみにこちら、世界のクリエイティビティの祭典カンヌライオンズ2022のプリント&パブリッシング部門で金賞を獲得するなど、高い評価を獲得した取り組みとなります。

それではそのメッセージムービーをご覧ください。

「Reverse Selfie  / 逆回転セルフィー」

youtu.be

【雑和訳】冒頭の文字要素:Dove提供 逆回転セルフィー /

最後の文字要素:ソーシャルメディアのプレッシャーが、少女たちの自己評価を傷つけている。/ パンデミック期間のスクリーンを見る時間の増加が、事態に拍車をかけている。/ ダメージを逆回転しよう(そしてなくそう)。 今日、あなたの愛する娘とセルフィーについて話してください。その方法についてはdove.comへ。
ロゴマーク:Dove 文字要素:美の基準を変えよう。

この取り組みの伏線は2006年から張られていた

いかがでしたでしょうか?ひとりぼっちの部屋で必死になって自分を加工し、結果自分の容姿に劣等感を増やしてしまっている少女の姿が痛々しいですよね。

ちなみにこのムービー、Doveが「作られた美」に疑問を呈し、ありのままの姿を美しいもの=Real Beautyとして世の中に訴え始めるきっかけとなったこちら(↓)のムービーへのオマージュがところどころに散りばめられたものとなっています。

このムービーが世に出たのが2006年。図らずもスマホSNSの普及が、世の中の「発信」の主体やダイナミズムを大きく変えたことが対比的に分かる2本となっております。

youtu.be

【雑和訳】タグライン「これでは、美の概念が歪んでしまうのも無理はない。女の子たちのためのReal Beautyワークショップに参加しよう」

ちなみにDoveのこれまでの取り組みをまとめた過去記事も以下に貼っておきますので、興味があればぜひご一読ください。

wsc.hatenablog.com

いやぁ、アイデアって本当にいいもんですね。それでは皆さん、また来週!