世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

11月はMovemberなので、あの人も髭を剃りました。

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Photo by Josh Sorenson on Unsplash

「11月はNovemberだろ?」とお思いでしょう。確かに、英語のテストでMovemberと書いたらバツになります。ただし、覚えておいて決して損のない単語です。

MovemberのMoは”Moustache(くちひげ)”から来ています。そして、ピンクリボン乳がん啓発のアイコンであるように、くちひげは前立腺がんや精巣腫瘍といった、男性特有の疾病啓発のシンボルとされているそうです。

そして、これら男性特有の疾病についての認知向上、支援の拡大を目的に2003年、オーストラリアで始まり、世界に広がったのが「Movember」運動。直感的に訳すと「じゅうひげ月運動」とでもいうのでしょうか(汗)、参加した男性は10月31日にひげを剃り、11月に伸ばし続けることでこれらの疾病の啓蒙と、患者へのサポートを示す、というムーヴメントだそうです。(詳しくはこの記事の出典元のこちらこちらをお読みください。)

そして今年の11月は、このムーヴメントになんとこの男性が参加しました。

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そうです、フランスのKFCでは今年の11月1日から、カーネルおじさんがひげを剃った状態でロゴに登場しました。そして彼は11月の間ずっと、他のMovember運動に協力している男性たちと同様にひげを剃った状態でロゴとして登場し続けるそうです。

人々が日頃から慣れ親しんでいるものは、脳が無意識に記憶しているものです。もしあなたの街のKFCのカーネルさんから、突然ひげが消えたらきっと「あれ?」と思いますよね?ある人は写真にとってSNSにあげるでしょうし、街の話題になることでしょう。そうすると当然「なんで?」という疑問が湧いてくる。

そこでMovember運動の話をすると、人々に「なるほどねぇ〜」ときっと共感してもらえる。共感さえしてもらえれば心理的ガードは下がりますから、街頭で一方的にチラシを配るよりも全然、この運動に協力してもらいやすくなるだろう…という、人間の行動のクセをうまくついたアイデアだと思います。

そしてこのKFCの取り組みと同様、人々が日頃から慣れ親しんでいるものから「何かを削る」ことでがんの克服を支援するユニークな試みが日本にもありましたので併せてご紹介させてください。

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「delete C(Cを削る)」というムーヴメントですが、こちらは「C.C Lemon」や「キャプテン(Captain)翼」など、人々が日頃から慣れ親しんでいる商品やコンテンツから、Cancer(がん)の頭文字であるCを削って世に出すことで注目を集め、それらの商品の売上の一部をがんの研究にあてる、という仕組みだそうです。

詳しくはこちらのキャンペーンサイトをご覧ください。

www.delete-c.com

この2つの事例に共通するアイデアの切り口(人々が慣れ親しんだものに手を加えることで耳目を集める)は、他の様々な社会的課題の認知拡大・行動喚起にも応用できそうなフレームワークだと思います。皆様がキャンペーンアイデアを考える時のヒントとして、覚えておいていただければ幸いです。

いやぁ、アイデアって本当にイイもんですね。それでは皆様、また来週!