世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

企業のニューノーマルを示す、ユニリーバ10年の試み

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Photo by Robert Collins on Unsplash

新型コロナウイルスへの対応で世の中が騒然とする中、洗剤やボディソープなど、世界中のスーパーの棚にたくさんの商品を供給しているグローバル企業ユニリーバによる、10年にわたる試みが終了しました。それが「ユニリーバサステナブル・リビング・プラン(以下USLP)」。グレタさんが世の中に出てくるよりも、SDGs(持続可能な開発目標)が国連サミットにより採択されるよりもずっと前の2010年から、ユニリーバが自発的に10年計画で始めたこの「サステナブルな社会」を実現するためのイニシアチブは、同社をこれからの企業が目標とすべきロールモデルへと押し上げました。今回は彼らに敬意を表し、ユニリーバがこの10年間で「ステレオタイプによる差別や格差をなくし」「環境負荷の少ない商品を作り」「より持続可能な社会づくりに貢献する」ためにおこなった素晴らしい取り組みをいくつか、ご紹介します。

 

まずは、これまで広告やメディアが押し付けてきた「美しさ」に関するステレオタイプを改めるべく、普通の女性たちをモデルにしたフォトライブラリーを立ち上げ、広告・メディア業界に向け公開したDOVEのProject #ShowUs。

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↓ちなみに日本語のキャンペーンサイトはこちらです。

#ShowUs / #美しさって?プロジェクト - Dove

 

次に、疫病の予防を目指して今から100年ほど前に世に出たユニリーバの石鹸ブランド「LifeBuoy」による試み「Infection Alert System(感染警告システム)」を紹介します。インドのローカル地域を対象に、同ブランドは疫病の感染拡大を予防すべく、各地の健康管理センターと連携。ビッグデータにより感染拡大が予想された地域住民のケータイに自動的にメッセージを送る、という仕組みを開発することで対象地域における関連疾病を18万件近く減少させるなど、多くの人々を救っているそうです。

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最後は「木にとってはもはや、熱帯雨林にいるより都市にいる方が安全だ。」「こんな(おかしな)状況を変えよう。」というメッセージを美しい映像と音楽で表現し、ユニリーバ が持つブランドの数々が、森林に負荷を与えない商品づくりを行っていることをアピールしたオンラインムービーです。自分たちの取り組みを伝えるだけでなく、最後にWWFによる木々を守る取り組みへのリンクをつけて、見た人への行動を促しているところも素晴らしい。

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しかし何よりすごいのは、これらが彼らの取り組みの「氷山の一角」でしかない点。彼らがこれまで繰り広げてきたこのほかの取り組みがSDGsの17のカテゴリー別に網羅的に分けられた記事があるので、ご覧いただくと「SDGsの達成には貢献したいが、どうすれば…」と悩んでいる、あらゆるジャンルの組織の皆様の参考になると思います。 (↓カテゴリー別の取り組みはこのリンク記事の下のほうにまとめてあります)

www.unilever.co.jp

 そしてさらにすごいのが、USLPの活動を通じてユニリーバ

サステナビリティを戦略の中核に置くブランドが、他のブランドに比べて 46%速く成長」し、「今やユニリーバ全体の成長の 70%を占める」

ようになった、という事実。(↓出典元はこちら)

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この成功の裏には、より環境/社会コンシャスな若い世代の消費者からの支持だけでなく、「自分の仕事が世の中に役立っている」というユニリーバの中で働く人々のモチベーションアップ、そして「そんな企業で働きたい」というインセンティブによる、より良い人材の獲得などがあるようです。

ユニリーバももちろんUSLPが終了したからといって前世紀的な姿に立ち戻るのではなく、「ユニリーバ・コンパス」という新たな、さらに野心的な指針を発表する予定だそうです。(↓以下のリンク参照のこと)

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なんだかユニリーバさんの回し者のようになってしまいましたが(汗)、このような企業を加速度的に増やしていかないと、次の世代にきちんとバトンを渡せなくなる!という危機感からこの記事をまとめました。

こんなブログを通してでもいいので、一人でも多くの人に彼らの知見が届き、世の中がより良くなれば、と思います。

いやぁ、アイデアって本当にいいものですね。それでは皆様、また来週!