世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

ネットもない僻地に「ググる喜び」をもたらしたGoogleの素敵な取り組み

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Photo by Daria Nepriakhina on Unsplash

 Googleの創業は私が社会人になった年と同じ1998年。当時は検索といえばYahoo!が主流で、入社2年目ぐらいに友達からGoogleを教えてもらった時は検索窓だけのシンプルすぎる(と当時は思った)サイトデザインに「なぜこれがアメリカで流行っているのか?」と不思議に思ったものです。

それから22年。日本でも「ググる」という言葉が一般に定着しているように、Googleによる検索は世界のスタンダードになりました。

しかし世界の僻地にはまだネットが普及せず、結果Google検索ができないエリアがまだたくさんあります。そこの住民たちにもなんとかして、検索のよろこびと、それによる生活の質の向上を実現してほしい…。

今回は、そんな思いでコロンビア政府とGoogleが、ネットが使えない地域の住民のために合同で行った素敵な取り組みをご紹介いたします。彼らが何をしたのかというと…(以下の説明ビデオをご覧ください)

www.youtube.com 

そうです。Googleはインプットされた音声を文字に変換し、その語句でGoogle検索した文字情報を音声に戻して応答するAIアルゴリズムを開発。コロンビア政府の協力のもと、Googleの文字の形に近い「6000913」という番号で、ネットにつながらない旧式のケータイ電話からでも音声でGoogle検索できるサービスを、ネットの使えないエリアに住むコロンビア国民に提供したのです。

上の説明ビデオでも天気を尋ねたり、宿題の調べ物や、コロンビア代表のフットボールの試合日程を調べたりして嬉しそうな住民の表情が印象的ですが、このような情報インフラを持つことは災害時、二次災害の防止などにもきっと効果を発揮することでしょう。

「ネットがない地域でも、ネットを使えるようにした」というこのアイデアは、いわゆる「イノベーション」というものが、何か新しいものを生み出すためだけのものではない、ということを教えてくれます。

いやぁ、アイデアって本当にいいものですね。それではまた来週!