世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

新年から過激!政治家に道路の舗装を直訴したソーシャルキャンペーン

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明けましておめでとうございます!年末はいろいろ立て込み、すっかり更新がご無沙汰になりましたが今年からは心機一転、また更新を進めていこうと思います。さて、記念すべき2015年一発目に取り上げるソーシャルキャンペーンは、ロシア発の過激ながら効果抜群の逸品をご紹介します。これに負けないように、今年は日本の私たちももっと激しく社会に語りかけていけるといいな、という願いを込めて…。

<政治家を働かそう>


Make the politicians work - YouTube

<ビデオ和訳>

エカテリンブルクはロシア第4の人口を誇る都市ながら、その道路は質の面でロシア最悪と見なされていた。街を訪れる人たちは、あちこちにある道路のくぼみや穴に驚かされることになる。恥ずかしいと思いながらも、私たちはそんな道路で運転せざるをえない状況だった。現地の暮らしをレポートするローカルサイト「URA.RU」はこの問題を何度も取り上げて来たが、政治家は自分のイメージアップばかりに気を取られ、道路の状況について真剣に受け止めていないようだった。そこで我々は、道路の穴を特定の政治家のイメージになぞらえることにした。とある夜、シティセンターにある3つの路面の穴に、おなじみの政治家たちの顔を描いたのである。知事と市長、そして副市長のイラストのそばには、彼らの発言が添えられた。例えば副市長の「道路のくぼみは4月の末まで、つまり7月には修復されることでしょう」というまやかしなど。

翌朝、URA.RUが配信したこのニュースはロシア中にバイラルし、そのリアクションに全国の注目が集まった。結果、政治家たちは座視することができない状況に追い込まれた。するとその日のうちに、業者がやってきて、穴を直すのではなく、政治家の顔だけを塗りつぶして帰っていったのである。当局はその様子が撮影されていることに気づかなかった。我々は塗りつぶされたそれぞれの場所の横に「塗りつぶすことは、修復ではない」と添えた。

そしてこのたった3缶のペンキと、24時間にわたる集中的PRが魔法を引き起こした。翌朝までに、3つの穴すべては修復された。そして我々は市民が道路の不備を報告し、その修復を訴えることができる専用サイト「URA.RU/road」を開設したのである。

結果、このニュースは300以上のメディアに取り上げられ、ソーシャルメディア上では7000回以上も話題にされた。この話題はロシアを超え、世界中で取り上げられることになったのである。

この一連の騒動の最中、URA.RUのトラフィックは2倍に増加。しかし大事なことは政治家たちがついに、自分たちの仕事を始めたことである。

“このキャンペーンの前月に修復された道路の距離は1.4キロだったが、その翌月に修復された道路の距離は7.6キロに増加した”

<URA.RU -より良き街の市民サイト>

 

以上、いかがでしたでしょうか?

思えば言論の自由が確立していない社会でこういうキャンペーンをやることは、結構な勇気が必要だったと思います。

少なくとも(現時点では)言論の自由が守られている日本の我々はもっと熱く、社会に向けて斬新な方法でメッセージを発信していかなければならないと思いました。

それでは今年も、どうぞよろしくお願いいたします!