昨年フィリピンを襲った台風30号しかり、ちょっと前に日本を直撃した台風8号しかり。昔に比べて、台風がどんどん大きくなってる気がするなー、と思っていた時に飛び込んできたアメリカの「他人ごとでない」ソーシャル・キャンペーン。「カトリーナ」や「サンディ」など、強力になる一方のハリケーンや暴風雨の名前を、これからはその原因を作っている「気候変動を認めない政治家たち」の名前にしよう、というユニークな運動を、素晴らしいムービーでアピールしています。
ムービーの最後に出てくるウェブサイト*(*2021年現在、すでに閉鎖されています)にアクセスしてみると、ムービーの中でも取り上げられていた政治家たちの「気候変動を認めない」発言がアーカイブされていて、「はぁ、アメリカでもこんな発言をする政治家がいるのね」という発見があり、大変参考になりました。
集まっている署名数は意外と少ないものの、遠く離れた島国の私がアクセスするほどですから、イシューの認知・理解度は大幅に向上したことと思われます。
このムービーほどのものは難しいにしても、最近は手軽に動画も作れるようになってきているので、自分たちのメッセージを伝えるうまい切り口を見つけたら、このキャンペーンを参考に、ムービーとウェブサイトの合わせ技で発信してみるのもいいかもしれませんね。
<ビデオ和訳>
ナレーション:
“アンドリュー・ロメロくん”
“サンディー・エマーソンさん”
“アイヴァン・ホーヴァスさん”
“カトリーナ・ムスタカスちゃん”
ナレーション:
アンドリュー、サンディー、アイヴァン、カトリーナ。
1954年以来、世界気象機関はハリケーンや熱帯暴風雨に人名をつけてきた。
しかし、自分と同じ名前を使われてしまった人々はどうすればよいのだろうか。
<以下、被災地の落書き>
“出て行けカトリーナ!”
“サンディなんか大嫌い!”
“くそくらえ、アンドリュー!”
“アイヴァン最低!”
ナレーション:
気候の変動が続き、以前より頻繁に、より壊滅的な暴風雨が襲いかかる今、我々は新しいネーミングシステムを提案する。
暴風雨に、気候の変動を否定する政治家たちの名前をつけるのだ。
たとえば、こんな風に。
<*以下、ニュース番組が続く>
“ハリケーン・マルコ・ルビオ接近中”
「マルコ・ルビオ議員は今晩早くにアメリカ東海岸を襲う見込みです。窓は補強され、雑貨屋は品切れ。マルコ・ルビオが行く先の人々を震え上がらせています」
“ミシェル・バックマンに備えよ”
「ただ今、ミシェル・バックマンが接近中です。ミシェル・バックマンの目はあと数時間でフロリダに到達することが見込まれます」
“グローバルニュース:ミシェル・バックマン速報”
「ミシェル・バックマン議員は非常に危険です。生命の危険がありますので、シェルターに退避してください」
“直撃:ハリケーン・デヴィット・ヴィター”
「デヴィット・ヴィター議員がアメリカ史上最大級の災害をもたらしています」
「デヴィット・ヴィターが水上のボートを持ち上げて、陸にたたきつけました!」
「ニューオリンズでは、ハリケーン・コリン・ピーターソンを食い止めるための堤防が決壊しました!」
“ハリケーン・ジョン・ボーマー”
「私はジョン・ボーマーが猛威を振るう沿岸部のノース・ピアーにいます!ジョン・ボーマーがまさにこの街を破壊している状況です!」
“リック・ペリーの惨劇”
「リック・ペリー知事により何万匹もの動物が収容され、殺処分されたことで、地域の動物保護施設は批判にさらされています」
「救助した動物たちをすべて収容することは不可能です。なので、そのうちの何頭かは処分せざるをえないのです。リックペリーのせいで!」
“ポール・ライアンの破壊”
「ポール・ライアン議員のせいでここに2日間もいます。まだ外にいる友人もいて・・。ポール・ライアンが今頃、彼らに何をしているか考えるだけでゾッとします」
“ジェームス・インホフ”
「ジェームス・インホフ議員による最悪のシナリオが現実となってしまいました。今、全国民はジェームス・インホフによる災害からどうすれば復興できるのか、途方に暮れています」
“ハリケーン・マルコ・ルビオ”
“ハリケーン・ミシェル・バックマン”
“ハリケーン・デヴィット・ヴィター”・・・
気候変動による暴風雨を、気候変動を認めない政治家にちなんで名付けるネーミングシステムに賛成の方は、ClimateNameChange.orgで署名してください。
・・・ジョン・ボエマーが、あなたの街をぶちこわす前に。
ClIMATENAMECHANGE.ORG
(このムービーは、350アクションの協力により制作されました)