中国の武漢から始まり、今や世界中に猛威を振るう新型コロナウイルス。在宅勤務など、しかるべき対策をとり、その鎮静化に協力するのは当たり前のことですが、その過程で日常にはなかった問題がいくつか、世の中に出てきております。今回はいつもと趣を変え、私の身の回りで有志たちが始めている取り組みをふたつ、ご紹介します。
取り組み1:生産者と消費者をつなぐ直販アプリ「ポケットマルシェ」のフードレスキューサービス
全国の農家さん・漁師さんとテキストで直接会話しながら食材を買えるスマホアプリ「ポケットマルシェ」。消費者がこれだ!と思う生産者に直接注文し、それを受けて生産者が食べものを直接発送するという、とても便利で素敵なサービスなのですが、生産者の中にはコロナ災禍による大型イベントの中止やレストランのキャンセルなどで、それらに出荷する予定だった食べ物が余ってしまい、困っている人が大勢いるそうです。そこでポケットマルシェが立ち上げたのが「#新型コロナで困っています」という臨時コーナー。ミカンやオイスターから極太のアスパラまで「行き場を失った」食べものを買うことで、生産者の経済的ダメージを減らし、また食べもの無駄もなくすという、一石二鳥のアイデアを実践しています。
*ちなみにポケットマルシェ本体のウェブサイトはこちらになります
取り組み2:休校による子どもたちの生活リズムの乱れを減らす「カタリバオンライン」
「どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会」を目指す教育NPOカタリバ。2001年の活動開始以来、高校への出張授業プログラムや、東日本大震災の被災地で子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、さまざまな教育活動に取り組んでいますが、今回の新型コロナウイルス対策に伴う学校の休校で彼らが危惧したのが、子どもたちの生活リズムの乱れ。
学習の遅れのみならず、休校中にゲームや動画、SNSなどに依存してしまい学校生活に戻れなくなる子どもたちを減らすべく、3月2日にオンライン上のバーチャルスクール的存在「カタリバオンライン」を立ち上げました。
ここでは毎朝と夕方に、暮らしにリズムを作るべくサークルタイム(バーチャルHRのようなもの)の時間が設定されていて、その間の時間帯には社会の様々な分野で活躍されているボランティアの大人たちによるユニークな授業がおこなわれています。一方的にコンテンツをあてがうだけでなく、双方向で子どもにとっての居場所とストレスケアの機会をつくる。さらにはこの事態を、子どもにとって未来への新しい選択肢をつくる、可能性を広げる機会に変えていきたい!という想いにあふれた取り組みです。
*ちなみにカタリバ本体のウェブサイトはこちらになります
私もカタリバオンラインの授業で、このブログで紹介してきた世界中のソーシャルグッドなアイデアを、子どもたちにも楽しくわかるように伝える授業を開く予定です。
こと新型コロナについては、センセーショナルな記事の数々にパニックになりそうな時もありますが、そういう時こそ気を落ち着かせて、団体・個人を問わず自分ができる貢献を、小さくても丁寧にしていくことが大切なのかな、と思いました。
いやぁ、アイデアって本当にいいものですね。それではまた来週!