臓器ドナーの登録は、自分の死後のこと、ましてや死後に自分の体が切り取られる…などと考えたくない人々にとってハードルが高いもの。
しかしそのハードルを軽々と飛び越え、3分弱のオンラインムービーたった1本でドナー登録者数の586%アップを実現してしまった、素晴らしいアメリカ発のキャンペーンを今回はご紹介します。
アイデアの目の付け所が素晴らしいのは言うに及ばず、ストーリーテリングの巧みさは同業者としても脱帽するばかり。
全訳もしておりますので、ぜひビデオを楽しみつつ、和訳と照らし合わせながらその技をご堪能ください。
This is a campaign from the USA, which raised the number of organ donor by 586% with just a 3-minute long online movie. The insight is just brilliant and amazing. Please enjoy.
<The World’s biggest Asshole / 世界最悪のクソ野郎>
<ビデオ和訳>
これは、コールマン・スウィーニーの物語である。
コールマンは、一言でいうとクソ野郎だ。
それは彼の住む、小さな町の人々の共通認識だった。
何も悪ぶっているわけじゃない。
根っこから腐っていたようだった。
コールマンは、世界中が彼に貸しがあるかのように振る舞った。
なので、しかるべき公共のルールにも背き続けた。
トイレの順番待ちの女性「本気かよ!?」
そして、彼の行く手を邪魔する全てのものに腹を立てた。
コールマン「(道路を渡る老女に向かって)早く行けよ。行けるだろ、早く行けって!」
…小さな動物でさえも。
(フンをする隣の犬を威嚇射撃するコールマン)
そして、子供たちに対してもクソ野郎であり続けた。
子供たち「トリック・オア・トリート!」
コールマン「…」
それはまさに、筋金入りのものだった。
しかしある日、奇妙なことが起きた。
全くの予想外のことに、コールマン・スウィーニーは、死んだ。
それは、彼がいつものように
追加のフライが1ドル99セントのとびきり朝食セットに
含まれるかどうかについて、クレームをつけている時に起こった。
そしてその時だった。サラが全く予想外のことに気づいたのは。
コールマン・スウィーニーは、臓器移植のドナー登録をしていたのだ。
なぜ彼が登録をしていたのかはわからない。しかしそれは寛大で、荘厳な行いだった。
そしてその日から、コールマンはクソ野郎からヒーローに変わったのだ。
彼の肝臓は、2人の子を持つ父親、スタンのもとに行った。
そして彼の腱により、ドナヒュー二等軍曹は再び歩けるようになった。
彼はもう、理学療法士に促されながら道路を渡る必要はないだろう。
そして小さな世界の皮肉とでも言おうか。彼の角膜は、彼の家の隣に住む
82歳の老女に移植され、目が見えるようになった彼女は再び、
愛犬のフンを始末できるようになったのだ。
そう、生きている間の24時間365日、彼は正真正銘のクソ野郎だった。
しかしその死については、中指をおっ立ててこう叫んでやろうではないか。
「ムカつくぜ、コールマン・スウィーニー。お前はもう、クソ野郎じゃない。」
“クソ野郎でも命は救える”
<ドネート・ライフ Registerme.org #命は救える>