世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

この視点は斬新!本棚に加えたひとひねりで男女格差のリアルを明示したキャンペーン:The best Idea for International Women's Day 2017

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去る3月8日は「国際女性デー」ということで、日本を含む世界各地で様々な取り組みが行われましたら、今回はその中で自分が一番感心したアイデアをご紹介します。

アメリカはオハイオにある、ローガンベリー(Loganberry)という古本屋さんで行われた取り組みだそうなのですが、とても低予算で、男女の労働における格差を見事に訴えることに成功しました。一体、何をしたのかというと。。

まずは以下のリンクをクリックして、記事の写真を見てください。一目瞭然とは思いますが、どんな低予算でも、普段当たり前だと思い込んでいるものの視点を少しずらすだけで、世界中で話題になるようなキャンペーンにできてしまう。その模範のような事例で、企画者としてとても励みになりますよ。

This is the best idea for International Women's Day 2017 personally. Please check the English article below.

www.adweek.com

 記事の写真、ご覧いただけましたでしょうか?そうなんです、この古本屋さんは様々なジャンルの本の「著者」についての男女格差を明示するために、男性が著者の本の背表紙をくるりと全部、裏返してしまいました。するとどうでしょうか、本棚のほとんどが裏返ってしまい、使い物にならないショッキングな状態に。

「(女性たちの歴史月間でもあることにちなんで)女性の著者たちを讃える目的も兼ねて、男性の著者たちを黙らせて見ました」とは書店側のコメント。この取り組みがより大きな男女格差の問題についても深く考えるきっかけになれば、というのが書店側の思いだそうです。

ちなみに、男性風のペンネームを使っている女性の著作はそのままキープ。名前で判断できない場合は一人一人リサーチするなど、10万冊以上の古本屋、希少本を持つ古本屋だけに、必要最低限の手間はきちんとかけているようです。

「毎年何度も同じようなイベントをしても意味がないし、ただ問題に関連した本を読ませるだけでは不十分だと思いました」というのがこの企画の動機。健全な疑問を持つことで、制作費ほぼゼロのビッグアイデアにたどり着いてしまいました。実にあっぱれです。

 

<参考リンク>

手作り感が微笑ましいローガンベリーのFBページ(Loganberry’s Facebook page)

https://www.facebook.com/loganberrybooks/